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医師チャ・ジョンスク 完走した感想

清々しいエンディングのドラマでした。
ハッピーエンド、サッドエンド、なんだったんだエンドなど、さまざまな終わり方がありますが、これほど、清々しい最終話をみたことがあっただろうか、いいやない、うーん、ないと言い切る自信はないんだけど、言い切っちゃってもいいかもって思えるくらい、清々しいラストだったなぁ。

と、いいたいちぢみです。こんにちは。


自称中高年っていうかたには、もれなくおススメドラマです。
ドラマって、好みがありますよね。
ラブコメ、サスペンス、時代劇、ドロドロ、復讐、お仕事……

面白いドラマって、そのジャンルを複数抱えていて、どのサイドからみても、面白いって思うのが、共通点かと思います。
先日みた、キムヘス主演「シュルプ」もそうでした。
時代劇であり、王朝でありつつ、嫁姑あり、育児アリ、仕事あり、復讐も怨念もあり、親子や家族、ジェンダーに殺人、受験戦争に、ハラハラドキドキなどなど、もりだくさん。
で、軸がぶれることなく、「母性」でした。母性を「シュルプ」という傘の古語であらわしていた、傑作でした。

ちょっと似ている印象というか、ほんと、母性や女性、母親像が、
新しくなっているんだろうな、と面白く見れたのが、この
「医師・チャ・ジョンスク」でしたねぇ。

このまえ、自由奔放だった母に育った友達と、思い出話をしました。
お母さんは、昭和13年生まれだったそうですが、厳しい家庭と、家父長制度の夫に反発して、ついに解放されたいと離婚。
そこでなにを考えたのか、自由恋愛・育児放棄・ご都合主義な自己解放に舵をきり、本当に勝手に生きたそうですw
当時小学生だった友達は、お手伝いさんみたいなおばさんが出入りする環境のなか、帰ってこないお母さんと暮らしたんだと。
友人は、10歳にして「この家を一刻も早く出よう、この人は頼りにならないから」と悟り、大学卒業後はお世話になりましたとしたんだけど、お母さんは老後になって、ムスメに依存するかのようになったみたいな、なんとなく「毒親」なお母さんの思い出話を聞きました。
彼女のお兄さんは、インナーチャイルド的なメンタルケアをいまでもしていて、お母さんの葬儀も法事も、つい最近までこなかったそうです。

まぁそれはとっても極端な例だけど、
「自分を解放する」という、いっけん、とてもいいことみたいな決心も、舵の切り方間違えると、周囲が不幸になるだけの生きざまになるんだなぁと噛みしめながら、帰宅しました。
ちなみに、その友人は、自分はお母さんを知らないって思っていたから、子供はいらないって考えていたんだそうです。が、高齢出産で女の子をうみ、お母さんをやっているのですが、不安と迷いがつねにあるといいつつも、とっても「自分を大切にしつつ娘の人生を尊重しているお母さん」をしているので、繰り返されてはいないとても麗しい現実です。

なんのことかっていうと、ドラマの主役のチャ・ジョンスクは、
大病と夫の不義理にブチ切れて、自分の人生を再構築すべく、医師の世界に舞い戻ろうとします。大学受験を控えた娘や、嫁がいないと何もできない姑から、猛反発をくらって、家庭内不和がうまれても、めげません。
このあたりまでは、ちょっと自分勝手な流れになりそうな、ジレンマがもりだくさん。
観ているこっちも、取捨選択をともにしていく感じが、とても苦しかった!!

そして、最終話にむけて、ジョンスクはまたもや、命がけの臓器移植(2度目)と離婚という、最大級の大きな節目を迎えます。
その、大きすぎる壁を乗り越えてからの、ジョンスクの、
ひとつひとつの選択が、

美しかった!!
清々しかった!!
神々しかった!!


医師チャ・ジョンスクでしたが、女神チャ・ジョンスクだった。
どう美しく、清々しく、神々しいかは、観てくださいw。


自分を解放することと、自分勝手に生きることは、全然ちがう。
自分を解放し、自分を愛すると、周りも愛せるんだし、
その愛を起点に人生を歩み続けることこそが、
自分を自由にし、解放し、人生を愛するってことなんだな。

名作「マイ・ディア・ミスター~私のおじさん」の作家が描いた「私の解放日誌」という、Netflixオリジナルが、昨年話題作になりました。
そこでも、自分の人生や本質とどう向き合っていくか、向き合いつつどう自分を許し、解放し、抱きしめるかを、問いかけたドラマが流行りました。


いま、自分を解放する
が、大人のテーマとして、大きなうねりをもっているのかもしれませんね。


かくいうワタシだって、自分の自意識や既成概念、あるいは、
自分にはできっこないさと思っている枠からの脱却を、つねに意識しています。これは、自分を解放するってことだと思っています。

解放した先に、なにを見たいか。
チャ・ジョンスクが示してくれた未来は、本当に見事でした。
解放された先。

そこを楽園にするかしないかは、アタシ次第なんだな。
そんなことを余韻にのこしつつ、完走したので感想を書きました。

大好きなドラマがまた増えました。

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