うつの家族

私の両親は離婚している。
兄弟が独立し実家を出て以来およそ8年間、私と母は二人暮らしだった。

私の母は20年前からうつを患っている。
寛解に近づいていたが、先日二度目の再発。
その再発を受けて、私にも色々と考えが生まれた。

私が後悔したこと:
•母のイエスマンをしていたこと
•母との喧嘩を避けるため、本音を言わなかったこと
•母とは分かり合えない、と決めてかかっていたこと

考察:
私が20年間考えていたことは、大体以下の3つだった。

•うつの人に正論は無意味。意見を否定しない方がいい。うつの人には優しくしないといけない。

•母のうつ歴が長すぎてどこまでが母の性格で、どこからがうつの症状なのか分からない。

•私自身の意見はもちろんあるが、私の意見と母の希望の両方が叶えられることが1番いい。


→何に関しても強く言えない。
その結果、母のイエスマンになる。

「私の母はまだ働いているしお年寄りでもないのに、どうして私はこんなにも精神的に母を背負っているのか?」不思議だった。

でも、うつだからしょうがない。
うつのせいか性格のせいかは知らないけど、母に何を言ったってどうせ分からない。

お母さんを優先していれば、いずれ治るはず。
だから今はできる限り優先してあげよう。

今回の再発で分かったのは、このやり方以外にも方法はあったということ。

大喧嘩になると、母が言っていた。
「家族なんだから何でも言い合おうよ。」

うつに遠慮して私が何も言わなかったことを、母は気付いていたのか?
でも言っても伝わらないから、本音を言うつもりはなかった。
私はどうすればよかったのか。

今何となく分かるのは、喧嘩を避けることは私の優しさではなく、私の弱さだということ。
うつだけど、家族だから、母を信じて、
喧嘩しても仲直りできると信じて、
私の本音を言っていたらどうなっていたかな。

喧嘩を避けることで優しさを示すのではなく、優しさは言い方で表すことができると思うから、もしそれができていたら。

私がイエスマンじゃなかったら、
私の意見が母の精神に微力でも影響を与えることがあったかもしれない。
そしたら、母のうつはもっと快方に向かったのかな。

正解は分からないが、今この後悔がある。

うつかどうかに関係なく、大喧嘩のタイミングでは何を言っても分からない人は割りといるのかもしれない。
そこまで溜め込まずに、小さい違和感を小出しにする勇気が私には必要だった。

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