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01:会える日を迎えに行く


kが貸してくれた本

『あしたから出版社』を読んだ。懐かしい作家の名前、忘れかけていたタイトル、読み切っていなかった本のタイトル…。忘れたくないので、ここに本の中で再会した数冊を記す。
まず、『ノーラ、12歳の秋』。12歳になる前に、寂しい気持ちを抱えて、でも当時の気持ちを遠い国の作家さんが代弁してくれることが嬉しくて読んだ本。実家に置いてきぼりにしちゃった本。夏に読むには向かないけれど、小さな地元の本屋さんで出会った大切な1冊だ。

それから、『冬の本』。これはずっと大事に本棚に飾ってある(笑)1冊。想定が和田誠さんで、表紙には雪が降っていて、すべすべした手触りで。
通して読み切ってはいないのだけれど、誰かにプレゼントしたくなるような本だ。


そう、この『ノーラ、12歳の秋』と『冬の本』が、『あしたから出版社』の中に出てきたのだ。
あっという間に読み切ってしまった1冊。島田さん、私にはあなたの生き方を真似する覚悟もないけれど、勝手に憧れます。この本は、Kが貸してくれて明日返却すると言ってしまったので、今急いで読んだのですが、こんなにも一気に読みたくなる本だとは思いませんでした。懐かしい、私も思い入れがある本に、この本の中で再び出会わせてくださってありがとうございます。

会える日を迎えに行く

さて、読んだ本のことを書いて、気の向くままに文章を連ねたけれど・・・。
実は、3月に一大イベントがある。はずである。まだその全貌は言えないのだけれど(万が一これを誰か知り合いが読んでいると怖いから)、自分のことだけは書き留めてもバチが当たらないと信じている。
一大イベントは簡単に言えば、出会いと別れ、いやチープだな、もう少し真剣に、、、ものすごく大切な人との再会が待っていて、同時に大勢を送り出すことが決まっているのだ。
私は、昔から3月が苦手だ。ただでさえ、花粉で目の前が霞むのに、人が動いていくことに感情が追いつかないのである。だから、「会える日を迎えに行く」と決めたのだ。その日まで、映画でも音楽でも本でも自分が選んで触れたものを、ここに書き記してちゃんと会いに行きたい。
大事な人なのだ。条件付きで会うような人ではないのだけれど、何かせずにはいられないのだ。その日まで何に触れて過ごしたのかを書き記すことは、私のために必要なのである。ある種の禊かもしれない。

小さい頃に読んだ本が似ていると

子どもの頃に読んだ本が似ていると、価値観が合いやすい気がする。話が合うのはもちろんだが、そこから影響を少なからず受けて今があるわけで、家庭環境の一部が似ている、ということの証明でもある。
職場で、本の話をする同僚がいる。大尊敬の大先輩だ。私を試しているのかな、なんて疑った時期もあった。だが、最近は純粋に向こうも私と同じ感覚で昔読んだ本、最近つい読んじゃった本のことを教えてくれる。誰かのために本を読むのは嫌だけれど、本を読んだら報告したくなるような人が近くにいて私は幸せだ。あと2ヶ月しかその人とも一緒にいられない。苦しい。
だから、さよならの日を自分で迎えに行くために今日も本を読もう。

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