見出し画像

ピンとこないイタリア語フレーズ① andare a trovare

わたしがイタリア語を勉強し始める前、イタリア人の友人たちとの共通言語は唯一英語だった。
そのころ、イタリア人の友人からの英語の手紙に、たしか、
I'll go find my mother this coming Sunday.
とか書いてあった。

それを読んだわたしは、額面通り英語でとらえて「今週日曜日、母を探しに行く」と脳内翻訳。「ええっ?!!お母さん、行方不明?!!」とびっくりし、どう返答したものかと思ったが、続く文章を読んでみると、なんとなく、「これは・・・単に、別の町に住んでる母に会いにいく?」という意味の様子だった。

イタリアの友人たちの英語は、往々にして妙だったし(人のことは言えんが)、このときも、英語の使い方間違ったんだろうなくらいですんでいたが、イタリア語を習い始めてわかった。
andare a trovare
これだ!!!

これ、andare は英語でgo。trovare は英語でfindが第一選択で出てくる動詞だ。andare a trovareをそのまま英語翻訳するとgo to findになる。英語だったら、第一選択で「見つけに行く」「探しに行く」のような意味だ。しかし、イタリア語でandare a trovare というと、単純に「会いに行く」みたいな意味で言う場合がほとんどだと思う。

やはり友人の手紙全体から判断して「母に会いに行く」とわたしが判断したのは間違いではなかった。
「今度の日曜に、行方不明の母を探しに行く・・・」というような大げさな意味合いではなかった。そしておそらく友人は、そのフレーズを間違って使った、というより、自信満々で英語翻訳して使ったんだと思う。きっと誰からも指摘されてなければ、今も英語を使う時はそう言っているのかもしれない(笑)。

まあ、そんなこんなで英語のコミュニケーションは信用ならず。イタリア人はイタリア語を直接英語に翻訳してそれをフレーズにぶちこんでくるときもあるし、お互いの英語はネイティブではないので、言いたいことの周囲をつつきまわるだけ、そして推測ばかりで疑心暗鬼に陥っていく。
そういう事態が起こるならば、わたしがイタリア語勉強したほうがコミュニケーションできるんじゃね?と考えたのが、今思えばイタリア語を始めるきっかけだった。

英語圏の人は、母語の単語から推測できるイタリア語単語も多いので、わたしたち日本人より有利だと思う。イタリア人が英語習う時もしかり、だと思う。しかし、似た単語なのに意味が全然違って困ることもよくある。

今日はそういったもののひとつ、andare a trovare のエピソードを書いてみた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?