企業がコミュニティ運営を事業に取り入れる価値と、コミュニティ運営に必要なこと
Peatixを通じて、イベント参加を申し込んだことがある方は多いのではないでしょうか?でも、peatixがどんな事業を中心に行っている会社か、知らない方もいるかと思います。
そこで、今回は「コミュニティの教室 第6期」にゲストとして参加されたPeatix Japan株式会社 共同創業者藤田 祐司さんの回での学びをシェアしていきたいと思います。
藤田 祐司(ふじた・ゆうじ)
Peatix Japan株式会社 共同創業者 取締役・CMO (最高マーケティング責任者)
Peatixの前身となるOrinoco株 式会社を創業。国内コミュニティマネージャーチームを統括したのち、営業、マーケティング統 括を兼務。著書に「ファンを育み事業を成長させる「コミュニティ」づくりの教科書」(河原あずと共著/ダイヤモンド社/2020年)
Peatixをはじめ、企業としてコミュニティ施策を行っている企業の例や、コミュニティ運営に必要なことを紹介します。ぜひ、ご自身のコミュニティ運営の参考にしてみてください。
Peatixってなにやっている会社?
個人的に、Peatixはイベントチケットの販売をしている会社というイメージが強かったのですが、もともとはイベントコミュニティのサービスから事業を開始しました。
主催者のためのイベントサロンの開催や、「コミュコレ!」というコミュニティをどうビジネスに活かしていくかを研究するコミュニティを作ったり、特定のエリアでキーマンになるようなコミュニティ活動をしている人20人ほどが登壇する2時間のトークセッションを開催したり。
コロナ前まではリアルでのイベント開催が多かったそうですが、2020年2月ころからオンラインにシフトし、シェアオフィスのコミュニティ活動支援やスタートアップコミュニティのサポート、Peatixが気になる人を呼んだイベントの開催などなど、コロナで状況がガラリと変わっても勢いを止めずに前に前に進んでいる印象を受けました。
ここまででPeatixがイベントを主催したり、コミュニティを作っていることをお分かりいただけたと思います。でも、私はまだ「コミュニティ」という言葉が大きく感じてしまいよくわからないです。
そこで、どうしてPeatixはコミュニティ施策を行っているのか、その3つの目的が腑に落ちたので共有します!
Peatixがイベントを開催することで人が集まり、そこから参加者同士のつながりが生まれます。そして、そのつながりの中で情報共有がなされる。そのつながりは一対一ではなく複雑に絡まり合っていて、そういう状態が「コミュニティ」と言えるのかもしれません。そしてそのコミュニティに所属意識が生まれ、Peatixを使い続けたいと思う人が増え、結果的にロイヤリティが高まるということだと思います。
「コミュニティ」は、一つの居場所のようなものかもしれませんね。
お次は、Peatix以外にコミュニティ運営を事業のコアバリューに据えている例を2つご紹介します。
コミュニティ運営を事業の
コアバリューに据えている企業
「よなよなエール」などで知られているヤッホーブルーイングは、お客さんとの対話がもっとも大事であると捉えており、社員とお客さんのフラットな関係をつくり出しています。
「超宴」という5,000人規模のファンイベントでは、よなよなエールの熱狂的なファンが集まり、最後に社長が泣きながらスピーチをするという伝説的なエピソードもあったそうです。
コロナの影響でビール会社の多くが大打撃を受けているものの、ヤッホーブルーイングはものすごく業績が向上しているとのこと。
ふだんヤッホーブルーイングのビールを飲んでいる人が、単にビールを飲むという体験以上のものを受け取っているからこそ、せっかく家で飲むなら「よなよなエール」を飲もうと思うんでしょうね。
格安シムの会社Mineoは、ユーザー同士の助け合いの仕組みを作り、ファンを作ることで継続的に利用してもらう設計になっています。
ユーザー同士の助け合いの仕組みとは、今月余ったパケットをfree tankに入れ、足りないときはfree tankからもらえるというものです。
普通に考えたら通信会社はパケットが足りなくなったら追加でお金を払ってもらったほうが利益になるのですが、格安シムの世界は特に価格競争が激しいからこそファンをつくることが重要になってくるのかもしれませんね。
ちなみに、ファンの集いは人気でなかなか参加できないそうです。すごい…
コミュニティ運営において大切なこと
最後に藤田さんから、コミュニティ運営において大切なことをお聞きしました。
もっとも大事なことは、「心理的安全性」とのこと。では、心理的安全性が高いとはどういう場を指すのでしょうか。
それは、なにか発言しても許されるということ。発言することで、否定されたり、マウントを取られてしまう場は心理的安全性が低い場と言えます。
上記と重なることでもありますが、自分が思っていることを伝え合えるということも重要です。能動的で対等な関係を築くための土台として、心理的安全性はたしかに必須なようですね。
加えて、コミュニティの文化を育てていくためには「文化を言葉にする」ということも大事だとか。
たしかに、コミュニティの共通言語があることで、「このコミュニティはこういうことを大事にしているんだな」、「こういう人が多そうだな」と外部の人への正しい、食い違いのない認識につながるし、
内部の人にとっては、「自分がこのコミュニティに所属しているのは、こういうことを大事にしたいから」、「このコミュニティならこういうことも話していいんだ」という所属意識や安心感につながると思いました。
実際の例として、わたしがインターンをしているNPOグリーンズは、webマガジンを発行しており、記事を通してこの団体が大事にしていることや目指している世界を知り、実際にインターンとして内部に入った時もその認識のギャップはなかったと思えています。
また、私が所属しているオンラインサロンのwasei salonも、大事にしていることが言葉で示されており、入ったときのギャップがなかったのを覚えています。
言葉にすることはむずかしいことだと思ってしまうこともあるかもしれませんが、一度言葉にしてみることで、だんだんとしっくりくる表現が見つかるのではないでしょうか。
コミュニティ運営を事業のコアバリューに据えている企業の例や、コミュニティ運営に必要なことをご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
藤田さんのゲスト講演後、参加者の方々が具体的な質問をたくさん投げかけていたことが印象的でした。わたしはまだまだ「コミュニティ」の価値などを理解しきれていないので、今後も回が続いていく中で「コミュニティ」の意義を見つけていきたいと思います!
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