事故物件。

『 愛 』は…知る前より、知った後が 不幸になる。

この自論は弄ひねくれてはいるが、的を得ていると、そして、真理だと自負している。

『 無知は罪なり、知は空虚なり、英知持つもの英雄なり 』と言ったのは、古代ギリシャの哲学者ソクラテスだった。
しかし、全てにおいてそれが当てはまる訳ではなく…
殊こと、恋愛に於おいて不幸とは、' 知っていること ' である。

彼の恋愛遍歴や、異性関係。
そして、パンドラの箱に相当しい スマホの中身。

知らなければよいことは、ごまんとあるに違いない。
何も知らないまま、気付かないふり、見ないふりで 馬鹿を演じていたら…
それが、きっと 幸せだ。

今、私に向けられる言動や表現等は…
彼が これまで、好きな人や、付き合ってきた彼女、女性に対して行ってきた、言わば、常套句じょうとうくや ' やり口 ' のようなものだろう。

そう思うと、恋愛は途端につまらなくなる。

以前 付き合っていた彼に、
『 元カノなんか、過去の亡霊だ 』
と比喩ひゆされて宥なだめられたことがあるが、これは、とても言い得て妙だ。
でも、それならば何故、亡霊は亡霊として、存在するか否か曖昧なままにしておけないのか。
霊感 0 だった私に、知覚的認識をさせておいて
『 幽霊が見えるの？ 』
なんて、自己の承認欲求をくすぐって気持ち良くなりたいだけの、とても自分勝手な言動にしか思えなかった。
一度ひとたび ' 霊感 ' を得た私は、あちこちに その存在を感じ、怯え、いずれ想像は現実を超え、霊媒師とやらに除霊をして欲しいと懇願こんがんしたくなる。

つまり、「 大島てる 」でもない限り、自ら「 事故物件だ 」等と開示する必要なんかないのだ。
いや、事故物件ならば いっそ、転居してしまった方が安あんであろう。

チャラいのは、嫌い。
' 経験豊富 ' なんか、過去の経験なんか…
私に言わせたら、事故物件にしか過ぎないと思っている。

・日当たり良好（ 朗らか ）
・バス・トイレ別（ お金と部屋と異性関係が綺麗 ）
・立地条件 良し（ 適度な距離感 ）
・セキュリティ完備（ 粗暴ではない ）
・治安良し（ 温厚篤実とくじつ）
・収納完備（ 包容力があり、懐が深い ）
の…最高の ' 新築物件 ' に、住みたい。

◌ 補足
' 違うところ ' に、価値を見出したり、魅力を感じて欲しい。
過去や誰かに似せたり…
やめようね。
冷めて、秒で お引越ししたくなっちゃう！！