貸借対照表②
こんにちは!今回は前回の続きで貸借対照表について説明していきます。
早速内容に入っていこうと思います!
まず!
債権者と株主という言葉を聞いたことがあると思いますが、この違いを
知っていますか?
簡単にいうと、債権者は企業にお金を貸す人、株主は株式を買う(出資)人という違いです。これを資金の調達側(企業のB/S)で見てみると、債権者は負債(借入金や社債など)と記載され、株主は純資産(資本金など)と
記載されています。
次は場面別に違いを見ていこうと思います。
①会社に支払われたお金は...
債権者・・・会社は定められた期日までに債務を返済しなければ
なりません。
株主・・・会社が一定期日までに資金を払い戻す義務はないです。
その代わりに、株主は株式を市場で売って換金することが
出来ます。(一部例外あり)
②もしも会社が倒産した場合...
債権者・・・お金の貸し手や労働債権を持つ従業員などに対する債務の
弁済が優先されます。
株主・・・株主の出資金額の払い戻しは債権者への支払いの後になり、
必ず戻ってくるとは限りません。
③会社が大きな利益or損失を出した場合...
債権者・・・銀行や社債の購入者は、通常あらかじめ利息が確定している
ため大きな影響は受けません。
株主・・・利益の配当(株価の値上がり)を得られる可能性もあれば
無配(株価の値下がり)になる場合があります。
つまりリスクとリターンが異なるため、大きな影響を
受けます。
④会社の経営に介入できるのか?
債権者・・・会社の経営に直接関与することはできません。しかし、
大口の債権者(銀行など)は経営に影響力を及ぼす可能性が
あります。
株主・・・株主総会での議決権行使を通じて経営者の選任などに
関与することが出来ます。
※ここは半沢直樹を見ると良く理解できると思います!
次は負債についてです。
負債とは、過去の取引または事象の結果として、報告主体が支配されている経済的資源を放棄もしくは引き渡す義務またはその同等物です。
前回説明した資産と同様に「流動負債」と「固定負債」があり、
ワンイヤー・ルール・正常営業循環基準です。流動負債は支払いまで短期、固定負債は支払いまでが長期となっています。
主な負債の項目は3つあります。1つ目は借入金・社債などの
「有利子負債」です。2つ目は買掛金や支払手形などの
「仕入債務(買入債務)」です。3つ目は将来の支出に備える項目である
引当金です。これは退職給付引当金などがあてはまります。
そして、純資産についてです!
純資産とは「資産と負債の差額」です。計算式に表してみると
「B/Sの資産ー負債=純資産」となります。
純資産の主な中身は株主資本になります。詳しく見てみると、株主が
出資した金額+留保利益(内部留保)となっています。
純資産の中の株主資本についてさらに見ていくと3つのポイントが
あります。
①資本金など・・・株主が払い込んだ金額(出資額)のことです。
②利益余剰金(繰越利益余剰金など)・・・毎年度の利益が蓄積されていく項目です。損失が累積しているとマイナス(△)で表されます。
③自己株式・・・会社が自社の株式を買い入れたものです。これは流通する株を減らして株価を高めることで、株主への利益の還元となっています。
取得した自己株式の金額は「純資産」のマイナス項目(△)として
表示されます。
いよいよ!
ここまでの知識を使い、B/Sの分析について触れていこうと思います!
前回と今回で説明したことをB/Sに当てはめると以下のように表すことが
出来ます。
今までに登場してきた資産と負債と純資産の3つがこのように配置された
B/Sとなります。
ここで、自己資本比率というものを紹介します。自己資本比率とは、
資本構成から会社の安全性を測る指標のひとつで、返済の必要がない資金
(=純資産)である自己資本と返済の必要がある負債の合計に対する
自己資本の割合を出すものです。この数値が高ければ高いほど安全性が高く
倒産しにくいということになります。
算出方法は以下の通りになります。
自己資本比率=純資産/(負債+純資産)
今回の最後です!
債務超過という言葉を聞いたことがありますか?
これは、企業の負債の総額が資産総額を上回ることです。B/Sで表すと
このようになります。
所有している財産すべてを手放したとしても債務を完済することは難しい
ため、非常に倒産する可能性が高いと考えられます。
上場している企業が債務超過になると上場廃止になります。
有名な企業を例に挙げると、2016年にSHARPが2017年には東芝が債務超過と
なりましたが両社とも翌年に債務超過を解消し、上場廃止を回避して
います。
今回で貸借対照表については終わりです!B/Sについての知識が少しでも
あると他の人と大きな差が付けられると思います!さらに差別化をできる
ように経営分析をできるように頑張りましょう!
次回は損益計算書について見ていきたいと思います!
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