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「必要」と「大切」の距離・断章――リサから始まる親密圏(「残響のテロル」講・改稿)

【記】
このnoteは、下の記事をリバイズしたものです。
2年を経過したこともあり、改めて「おはなし」(あるいは講義)調へと変更しながら、より論点が明確になるよう改訂しています。旧いものはさておき、改めたものを、以前に一度ご覧になった方にも、未見の方にも、
この機会にお読み頂けると嬉しいです。

 2014年9月25日。
『残響のテロル』最終回(第11話)放映のおよそ4時間前に、新宿の映画館で最終話特別上映会が開催されました。映画館の大きなスクリーンに最終話が上映された後に、ナイン役の石川界人さんとツエルブ役の斉藤壮馬さんという主人公両名の中の人が登壇して、トークショーが開かれました。二人が役への諸々の想いを語ったこの場に、幸いにも当選通知を手にしていたワタシは居合わせることができ、上映とトークショーを共に存分に楽しませてもらってきました。

 もちろん、本放送も眠気に打ち勝ちリアルタイム視聴を慣行し、序盤に幾度か通ったお台場での先行上映以来、久々に録画でなく2度視聴しました。とはいっても、もう少し全体を通して見直してみないと、この作品がどういうものであったか、ということを著すのは心もとないというのが正直なところでした。

 そこで以下では、特別上映会後のトークショーで出ていた話題を一つ取り上げるところから起こし、『残響のテロル』が描いた主題である「親密圏」について考えてみたいと思います。

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