それはそうでしょう
君がいたから
遠い日の歌
笑えるまでは

暮れる紅(くれない)
さては空模様
遠い日の歌
奏でる日々を

遠い日の歌
遠い日の歌
君がいたから
それだけでいいわ

過ぎ去った日々を
思い出せないように
澄んだ空の色で
塗り潰そう

あなたが咲いて
夏が来るのでしょう
あなたが凪いで
夏は行くのでしょう

死にたいなんて
そんな嘘
あの夏ごと
連れ去ってしまえば
ねぇ

遠い
遙か
道を征くのだろう

ねぇ
凪いだ
春をまだ見ていた
のだ

夏が色づく前に
雲を吐けばいいだろうか

待ち侘びて
春

はらはらと散る
星の欠片に
よいうつつ

暮れる毎夜をそっと
雲に浮かべて
遠くへと送れたら
それでもいいわ

木漏れ日も
褪せばむような
夏下がり
悠と流るる
眠たげな雲

夏はもう、
終わってしまったみたいだ

明けない
夜はないと聞きました

たった一言でいいんだ。
あなたの心臓をえぐりたい。

果てない
蒼い空の下
名前のない
君を呼ぶ

暮れない日々を
覚えてますか
あなたが暮れた
夏はもう来ないわ
それでも確か
明日を見ていた
から
暮れない日々を
覚えてますか

ねぇ
僕らは
遠のいてゆくわ
あなたが
笑えば
ねぇ
なんでもない
なんでもない
暮れない
夕陽を
ねぇ
あなたへ

音楽が擦り切れていく
歌の向こうが透けて見える
汚い何かを幻視する
私はもうずっと前から
音楽が嫌いだ