詩集『健やかな胸』中村梨々
現代詩書き下ろし一詩篇による詩集
懐紙シリーズ第十集
『健やかな胸』中村梨々
(阿吽塾刊)
彼女については、これまでも何度か書いてきた。けっこう昔(むかし?)からのモノカキ仲間なので梨々ちゃんと呼ばせてもらっているけれど、「中村梨々」はれっきとした詩人だ。才能あふれる、敬愛する詩人。
梨々ちゃんの詩は、独特だ。そのリズム。ことばの選び方、削り方、翔び方、墜ち方、潜り方、噴き方、歩き方、駆け方。そう、駆ける。梨々ちゃんの詩の一番好きなところは、そのリズムだ。
一行目、二行目、読んでいくと、言葉のリズムにのせられて、引き込まれる。心地好くなって、加速する。静かで賑やかで軽やかで、でもちゃんと、ひとつずつ足跡を残していく。空を切って疾走しても、とんとんとん、足跡が刻まれていく。
って、なんやそれ、の感想で申し訳ないけれど、とにかく読めば分かる、分かってもらえるはず。むずかしい読み解きはいらない、と思う。感じるだけでいい、と思わせてくれる。読み手のそのときの心持ちで、言葉は石蹴りみたいにこつこつ進んだり、つばめみたいにびゅんびゅん突っ切ったりするのも、また面白い。だから何度でも読みたくなる。きっと詩が好きになる。
そんな詩を書く中村梨々の詩集。限定発行。まだ在庫はあるんだろうか。欲しい方は、お早めに!
中村梨々 @riri74N
2018年4月「青挿し」オオカミ編集室2014年6月「せんのえほん」七月堂 2012年「たくさんの窓から手を振る」ふらんす堂。2013年 アパートメント在住 2015年10月「梨の、ふたりごと」@HutariNashi
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