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トルタリ(トルニタリナイコト。シャシンと呟き)

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シャシン。と、日々のあわいの呟き。 思えばずっとそんなブログを続けてきたのでした。 http://blog.livedoor.jp/mimei14/
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#呟き

「秘密の森の、その向こう」

もうずっと映画館で映画を観ていない。それでも、映画評は読む。なぜか懸命に読んでしまう。 これも読売新聞の映画評にあった「秘密の森の、その向こう」。 監督・脚本は、フランスの才人、セリーヌ・シアマ。 両親と一緒に亡くなったばかりの母方の祖母の家を片づけに行く、8歳の少女、ネリー。家の裏手には、森。ネリーの母は子どもの頃、そこに「小屋」を作ったという。 が、その母がある朝とつぜんいなくなってしまう。家を出て行ったと言う父は、理由も語らず、「そのほうがいい」と言うだけ。 『平

うそではなくて

一昨日、「うそ日記(夢日記)」に書いた 「赤い月の列車」の最後に、 二日後の中秋の名月に、月が赤く輝いたなら……。 と書いたけれど。 今朝、早起きのミメオ(夫です)が窓をあけたら、 明け方の月が赤く見えて、 驚いて写真を撮ったのだという。 月の暦を見ると、満月は「21日 の朝」だというから、 本当に、赤く満ち満ちた月だったのだ。 「うそ日記」が、うそではなくて、 ふしぎな夢のような話になってしまった。 (いや、もともと夢の話なのだけど) 今宵。 赤い月の列車は、どこを

オトナはどうかしてる

<こどもの詩>読売新聞 2020/02/02 『 校則 』   中学生らしい髪型にすること 髪を染めてはいけないこと ピアスを開けてはいけないこと 服に色の指定があること こんなことで怒る先生も大人も 社会もどうかしてると思う 千葉県柏市 中2 八木円香 こんなふうに想いを書けるこの子は、素敵だ。 まったくもってその通り。 そんな些細な取り決めをいくつも作って、 いちいち目くじらたてるなんて、どうかしている。 でも。 中学から短大まで通った我が母校には制服がなかった。

ライン

子どもの頃住んでいた家の近くには、 タマ電が走っていた。 1両か2両のワンマン電車だ。 線路と道路を隔てる柵は、 背の低い木の杭が並んでいるだけだった。 杭の透き間から、あるいは、乗り越えて、 その線路の上を、よく歩いた。 単線の線路は、幅も狭くて、レイルも細くて、 不安定な足もとが楽しくて、 綱渡りみたいにして、ゆらゆら歩いた。 線路だけじゃない。 幅1mほどの疎水に渡された、 ちょうど靴の幅ほどの、コンクリートの桟の上。 ブロック塀のてっぺん、 アスファルトに引かれた白