miman_archi

建築,都市,まちづくりの専門家の私的な集い「未満建築デザイン・ファーム」since 2021 仙台のオープンスペース利活用における空間デザインの課題に対して,建築・都市・まちづくりの視点からアプローチする Think & Do Tank.

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建築,都市,まちづくりの専門家の私的な集い「未満建築デザイン・ファーム」since 2021 仙台のオープンスペース利活用における空間デザインの課題に対して,建築・都市・まちづくりの視点からアプローチする Think & Do Tank.

    最近の記事

    変わること、変わらないこと。

    昔、『評価と贈与の経済学』を買って読んで以来、ふとした時にこの本に出てくるエピソードを思い出す。 ずいぶん前なので少し記憶もあやふやなところがあるので、また読み返したいところだが、実家に置いてきてしまった。 たしか、岡田さんの会社の仕組みが紹介されており、社員が会社からお金をもらうのではなく、お金を払って働き、その働きによって得られた収益が社員に支払われる。 それで、また仕事をする時には会社に対してお金を払って働く。 当時、こんな会社があるのか!?とめちゃくちゃ衝撃だっ

      • 重い球を投げる

        野球でキャッチボールの捕球やバッターとして打球を捉えたときに、重い球、軽い球と表現する時がある。 私自身、高校まで野球部だったので幾度となくキャッチボールをしてきた。 大学生になってからも、社会人になってからも、友人と草野球をやったり、昼休みや休日にキャッチボールをやった。 決して、野球はうまくなかった。 でも、よくキャッチボールしてるときに言われたことは、「球が重くて、捕球する方の手が痛い」と言われた。 大して思いきり投げてない時でさえ言われたが、自分の球を実感する

        • メディアフェス2023せんだいに出展中!

          未満建築デザインファームは、3/18-19で開催されているメディアフェスに参加しています! 初日の3/18(土)は、設営から他ブースにいた尚絅学院大学のボランティアチームTASKI様やイキゼン様とのコミュニケーションなどを楽しみました! また、すぐお隣には「まちのわライブラリー」の素敵な本が並んでました! メディアテーク1階にて、出展してますので、 ぜひ、お楽しみください♪

          • 僕は昔本屋だったし、図書館だった。

            先日、とある方の代読をひき受けた。 誰かのために本を読み、説明するのはなんだか新鮮だった。 振り返るとそれは、息子のために絵本を読むみたいだった。 また、高校の時に同じクラスの本好きな友達と読んだ本を貸し借りして作品について話すのと似ていたし、大学のゼミで輪読するときみたいだった。 そんなことを思い出したのも、『本が語ること、語らせること』/青木海青子を読んだからかもしれない。 本を介して、それを話題にして人と話した過去の記憶を思い出した。 そんなことは最近、めっ

            「メディアフェス2023せんだい」に参加します!

            今週末にせんだいメディアテークで開催される「メディアフェス2023せんだい」に展示で参加させていただきます! そう、メディアフェスの公式ホームページにも未満建築デザインファームが出ることは記載されてませんが、たぶんウソじゃないです。 そう信じて、せっせと当日朝に設営に行きます! チラシはこちら

            目の前で喜ぶ子、そのそばで悲しむ子

            仙台たき火ティーさんのPodcastを聴いた。 元教員の方で、退職して自分で学校をつくろうとしている。 教員時代、多くの児童と向き合って来た中で、ある時、相談に来た児童に対して対話していて、話を聞いてあげたらとても喜んだそうだ。 しかし、ふと目をやると、少し離れたところに、何も言えずに立ちすくんでいる児童の姿に気づいた。 その時、教員としての喜びがある一方で、救えていない児童も生み出しているのではないか。 それに気づいたときから、手につかなくなり、赴任した学校を1年

            コーヒー好きの住民と健康の関係

            自分で豆から焙煎して飲むほどではないけど、美味しいコーヒーは好きだし、毎日1〜2杯は飲む。 たまたまコーヒー好きと、住民の健康に関する記事を読んだ。 近年、コーヒーが健康に良い可能性を示す研究が蓄積されてきているそうだ。 この記事によれば、コーヒーの習慣的な飲用は、身体的健康(循環器疾患や2型糖尿病リスクの低下など)や、精神的健康(うつや自殺者が少ない)に寄与する可能性が報告されているが、社会的健康(社会的つながりが有意に多い)との関連についての研究は少ない。 でも、

            社会実験は、ファッションのように、"着こなし"を見つめる

            最近読んだこの2冊『はじめてのスピノザ』と『Web3とメタバースは人間を自由にするか』を合わせて読むと、リバタリアンではない、自由の所在が見えてくる。 新自由主義が牽引した強い者と弱い者の二極化は、目指すべき自由だったのか、考えさせられる。 スピノザ哲学を、簡単におさらいすると、デカルトは、強い個人の思想による正義と悪の対比した。対して、スピノザそもそも個人に善悪の区分はなく、組み合わせによってそれが善にも悪にもなることを提唱した。 ファッションで例えれば、身につけてい

            『住み開き 増補版』を読み終えた

            「住み開き」って本があることも、言葉を何となく知っていて、勝手に分かった気になっていたと思い、読み直した。 画期的な取り組みだと思うし、2010年代以降、自然発生的に増えたことも面白い。 何より、3.11のときに、東京駅周辺の帰宅困難者を受け入れたのが、民間施設や公共施設だけでなく、多くの「住み開き」実践者の自宅だったことも紹介されていた。 前著から経過観察したり、ヒアリングしてその後の変化を追っているところが面白かった。 特に良かったのは 別件でまとめようとしてい

            つくる公共

            『つくる<公共>50のコンセプト』/せんだいメディアテークを読んだ。 てつがくカフェの発足時からその後に起きたこと、火星の庭での活動、東北の民話など私の知らなかった仙台がたくさんあった。 とくに民話に込められたその地域の人の想いはグッと心に刺さる言葉だった。

            たぶん、一生、公共性を考える。

            私には、他人よりも飛び抜けた特技や特別な能力があるわけではない。 それを追い求める時期もあれば、受け入れてその中で自分らしく居られる方法を見つけていく段階もある。 私の場合、たぶん、一生、公共性を考えることになると思う。 それは、自分の好きなことをやってても、結果的に公共性を帯びていく物事に面白さを感じているし 言葉やアートでも、批評性や社会的なメッセージに心惹かれ、物事を捉えたり、見つめ直せるものに面白さを感じている。 そして、公共性には影響力の大小はあっても、小

            道路の無余地性をおさらい

            仕事上、許認可関係の手続きをこなすことが多く、建築が専門なのに、気づけば道路の利活用やそれに付随する関連法にも詳しくなってた。 まちづくりにおける、道路の無余地性 道路の通行人にとって、通行の妨げになるような占用物を道路内に置くことは原則できない。 とくに、他の場所に設置する余地がある場合は、そちらに置くことが望ましいとするもの。 ただし、「無余地性」は、他の場所に設置することができる場合であっても、経済合理性や利用者の利便性の観点から望ましくない場合は、無余地性は緩

            守れた約束、守れない約束

            大人になるほどに、守れない約束事が増える。 嘘をついているわけではないのに、罪悪感が残ることもある。 結果的に守れない約束でも、やれるだけ手を尽くせていれば、多少なり報われる。 そんなことを解決できることもあれば、何度振り返っても、やっぱり守れなかったことを後悔していることもある。 そんな記憶を時々思い出してみては、今、ベストを尽くせているのか、問いただす。 私は私たちなりに、1つ1つ積み重ねていく。

            謎求人「まちづくりを生業とする人」求む

            今、純粋に思うことをタイトルにした。 大学生以外で、いま、まちづくりを生業としたい!もしくは、本業は、ありつつも関わりたい方を求めている。 さほど間違っていない表現をすれば、今、仙台市中心部には、これに携わりたい方をあちらこちらで求めている声がする。 まちづくりって、町内会の人とお祭りやイベントをすることをイメージする人もいれば、再開発で整備されたビルの周りでオフィスワーカー向けに、洗練されたデザインの設えを設けることも想起する。 まちづくりに携わりたい人募集中!とい

            忘却と記憶

            時間をかけること。 「忘れないための時間」と「忘れるための時間」があるように思う。 時間をかけるほどに、比例して積み重ねてきた時間の増加と、 かけた時間に反比例して、関心が薄まり忘れていくこと。 忘れたからって、不要だった訳ではないし、ましてや、無かったことになる訳ではない。 そういうものをどう守っていくかだ。 時間をかけて対話しながら、その場を丸く納めようとして、未来に向けた議論にしたいのか、無かったことにしようとしてるのか、だんだん分からなくなってくる。 実

            思考と伴走してくれた本

            『予測不能の時代』/矢野和男を昨年読んで、振り返ってみると、結果的に1年間ずっと、思考の根幹でいつも伴走してくれて、改めてこれを読んで良かったなと感じた。 データ分析は、過去の出来事の検証でしかなく、未来予測するものではない。 p.176 孤立とは、人との接点がないことではない。人が孤立を最も感じるのはむしろ人と一緒にいるとき。一緒にいるのに、自分に関心を持たれず、応援されず、信頼されず、元気を奪われるよつな反応ばかり受けることによって、我々は孤立を感じる。 孤立した人