rights,lights,by ride 2023
2023年12月19日(火)、定禅寺通の最西端にあるUR桜ヶ丘住宅前(避難広場)で、「rights,lights,by ride 2023」を開催しました。
主催者は、足軽隊YUTAKAという有志の学生メンバー
未満建築デザインファームは、この企画・設計として関わりました。
そして、このプロジェクトに関わってくれた方々が本当に良かった。
5年前の思い付きが、今、動き出す。
このプロジェクトの初期アイディアは、仙台駅東口駅前にかつてあったEKITUZIで、実現したかったことを引っ張り出してきたことから動き出した。
あるプロジェクトの振り返りとして11月某日、仙台銀座の「イザカヤ ミタケ」に集まったメンバーで話しているうちに、そういえばEKITUZIでこんなことやりたかったよねという話が出て、その当時、アイディアスケッチで書いたときの写真をスマホで見せた。
このアイディアを持ち込まれたときの、EKITUZIの施設管理者が馬鹿げたアイディアだから困った。と嬉しそうに話してくれた。
そんな盛り上がりから、この日がプロジェクトの振り返り会どころか、のちに12月19日に開催される「rights,lights,by ride 2023」の出発点であり、決起会になった。
どうしたいかというよりも、どうありたいか。
このプロジェクトに関わった人の多くが、所属や肩書きとしてこのプロジェクトに名を連ねているというよりかは、
この取り組みを通じて、自分はこの街で、この場所で、どうありたいのかを各々が感じたままに、自分ができることを通じて表現すること、
それらの総体で出来上がっている空気感が、肝であるように感じた。
スピード感ある準備
11月末の決起会から、当日までの準備期間は怒涛のスピード感だった。
ただできそうな場所で、しれっと開催するだけなら、たぶんすぐに実現できた。
でも、そうしたくなかった。
仕組みは単純でも、「やる場所」と「その場所でやる意味」との関係性がとても強く、ブレてはいけない重要なポイントなんだと感じていた。
迎えた当日
この日の日中は比較的暖かかったものの、陽が沈み、あたりが暗闇に近づくにつれて、気温はぐんと下がってきた。しかし、この当日を無事に迎えられた喜びで、心はホカホカだった。
気分も高まり、予定よりも早く現地入りした。
事前に作成してくれた看板も設置した。
17:30、ママチャリ到着。
西公園プレーパークのすずさんから借りた真っ赤な素敵なママチャリが会場に到着。
さっそく、予め買っておいた自転車発電機(USB給電ポート付)とUSBのLEDイルミネーションライトを、赤い丸の部分に取り付けた。
ちなみに自転車発電機は、こちらで購入しました。
漕いだ瞬間。「おぉ~」と声が上がり、みんなで拍手。
何回か漕いで、点灯することを確認する。
17:40頃、バキっという音共にUSB式LEDイルミネーションが破損した。
1個しか買っていなかったので、このままでは開催できない。
誰か、ドン・キホーテに走って買ってきてくれ!!
メンバーの1人がダッシュで購入してきてくれた。
すぐさま取り付けて、間一髪で間に合う。
華麗なるトラブルシューティング
よし、17:59に点灯!!
本家の「光のページェント」よりも2秒早く点灯しようぜ!
この時点で謎の対抗意識が生まれている。
いや、これはライバルへの「対抗意識」ではなく、互いに高めあえる対等な好敵手としての「相乗効果」だと言いたい。
えいやー!と漕いだが、本家の光のページェントが点灯しない・・・。
そう。この日は、平日なので、点灯開始は、なんと19:00だったのだ。
なので1時間はゆるーく、待ちぼうけ。
集まった人と、なんてことない話をしながら、ほっこりとした時間を過ごした。寒かったし、コタツに電気は通ってないけど、心が温かかった。
待ちに待った瞬間、その時。
18時59分58秒
ペダルを漕ぎだして、私たちのツリーは光を放った。
そして、その約2秒後に、本家の光のページェントが灯った。
自転車とつながった先にある小さなツリー。
その背景に燦然と輝く、本家の光のページェント。
この5年間、その光景をずーっと待ちわびていた。
当日の、様子は、NPOメディアージの漆田さんが撮影してくれたタイムラプス動画をご覧ください。
私たちはこの場所で、時々自転車を漕いで、誰かが弾いたウクレレの音色に手拍子しながら「おぉ~、シャンゼリゼ~♪」と声を合わせて歌った。
わざわざ会いに来てくれた職場の先輩や友人、同級生がいた。
温かい飲み物を差し入れてくれた人がいた。
通りすがりに、たくさん話してくれた淑女がいた。
UR桜ヶ丘住宅に住んでいる方が話しかけてくれた。
この場所を訪れた方々の温かいメッセージもいただいた。
私たちの取り組みは、後日、12/25付の河北新報夕刊に掲載された。
主催者の足軽隊YUTAKA(代表:佐々木湧雅くん)は、本家の光のページェント実行委員会へ、この取り組みで集まった募金(通称:チャリ・チャリティー)を納めてくれた。
とても小さな取り組みだけれど、今、起きていることの意味を深々と考えさせられた大きな意味のある取り組みだった。
5年前に書いたこの1枚の絵が、今日のような出来事に繋がると思っていなかった。
でも、先日、とあるテレビ番組で、ウォルトディズニー100周年を記念した番組の中で、「美女と野獣」のプリンセスを生み出した作家がこんなことを語っていて、革新に変わった。
<付録>候補地選定までのプロセス
以下、今後の取り組みや誰かのための参考になればと思い、記しておきます。
①定禅寺通の中央緑地(最西端)
この期間中は、定禅寺通一帯で光のページェントが開催されていることから、全国的にも知名度がある光のページェント実行委員会としては、知名度を利用して同時開催するような他団体の取り組みに対してあまり良い回答は得られないと判断した。現に、フリーライダーのように協賛金に募金はしないけど、光のページェント期間中に儲けられる企業は少なくない。(あえて具体的な業種業態を列記することは避けます)
②仙台市市民会館(トークネットホール)前
支配人から快諾の了承がもらえたが、使用にあたっては、市有施設であるため仙台市(財政局財産管理課)に対して「行政財産目的外使用」の許認可手続きが必要になるため、初めての試みであるこの企画の主旨を説明しつつ、開催までの準備期間を考えると、その手続きを踏むことは間に合わない可能性が高く、リスクが高い選択肢だと判断した。
③UR桜ヶ丘住宅前(避難広場)
こちらは、②の隣接地であるUR住宅の前の広場。一見すると同じような場所だが、管理者が異なり、UR都市機構および宮城県住宅供給公社が管理している。住民に迷惑がかからない取り組みであれば、行政よりも、相談しやすいと思った。実際には、誰にでも貸している場所ではなかったため、青葉区まちづくり推進課を介して、仙台市の名義後援を発行していただき、その写しを「使用許可願」に添付して提出することで、実現した。
④青葉通の公開空地
実現性で言えば、確度は高かったものの、光のページェントとの連動性が薄まってしまい、このプロジェクトに掲げた想いからそれてしまうため、他の選択肢がダメだった場合の別案とした。そのため、今回は具体の検討や許認可手続きは行っていない。
⑤JR長町駅前広場
12/23に開催される予定の別イベントのプログラムの1つとして実施する案。これも前述の④青葉通の公開空地と同様に、実現できる確度は高いかもしれないけれど、このプロジェクトをやる意義みたいなものから逸れてしまうことが懸念されたため、最終的に開催場所に困った際の最終手段にとっておいた。なので今回は具体の検討や許認可手続きは行っていない。
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