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虐待サバイバー・宗教2世の子育て

程度の違いはあれど、幼少期に親から虐待やモラハラを受けていたという人の話を結構聞く。

なかなか人に言えずに隠してそれを乗り越えられなかったり、逆に大人になってからその影響に気づいたりする場合もある。

わたしは宗教二世として、簡単に言うと「親に反抗すれば、絶縁された挙句にこの世の終わりが来て死ぬ」と脅されながら育った。最近のNHKの番組「逆転人生」で特集されていたケースと似ている。(放課後に学校の友達と遊ぶことすらできず、彼氏作るなんてもってのほかだったので、もっと厳しかったかも)

17歳くらいでやっとの思いで抜け出したが、その後自分を癒やすのにも17年くらいかかった。

過去を乗り越えるためにやってきたのはこんなこと

・信頼できる友人やカウンセラーに自分の過去について話した (相手を選ばないと逆に傷つくので注意。あとパートナーにカウンセラー的な役割を求めすぎると関係が破綻するので注意)

・「毒親」についての本を色々読んで、親との共依存関係を断ち切って物理的に距離を置いた。親もただの未熟な人間であることを理解した。

・カウンセリングのなかで、壮絶な幼少期を生き抜いて今社会人として自分の足で立っているのだから、自分を褒めるようにと言ってもらった

・自己肯定感がなくて、一度落ち込むと、とことんまで自分を責める癖があったので、その思考のトリガーを客観的に分析して、自分をいちいち全否定しないですむようにした(疲れてるとか、気分転換が足りないとか、意外と単純な原因だったりする)

そして、幼少期に虐待やモラハラを受けてきた人は、

「自分の親のようになるのが怖い」
「良い親になれるか不安」

と思って子どもを持つことをためらう人も多い。

実際、虐待やモラハラを受けて育ち、自分を癒やすことができないまま子どもを持つと、それが連鎖してしまうことがある。

自分の過去と散々向き合ってきたわたしも、夫に「子どもがほしい」と言われた時に号泣する程度には子どもを持つことに不安があった。

でも、子どもに癒やされることだってある

曲がりなりにも2児の母になった今、子どものとき自分が親にしてほしかったことを、自分の子どもにするように心がけている。

自分のやりたいことを大事にしていいのだ、あなたはそのままですばらしい、と伝えること。

自分に自信を持つと子どもは、どんどん意欲的になる。親に言われなくても、自分で努力して、いろんなことを吸収していく。

もちろん、子どもに癒やしを期待しているわけではないけれど、そうやって幼少期を追体験していくことで、自分が癒されていくのを感じている。

わたしも未熟な人間だから、子どもにイライラもするし怒鳴りつけてしまうこともある。でもよく考えてみたら、わたしが幼少期に感じていたのは、「親の本音がわからない」ということへの恐怖だった。だから、ママが間違っていた、ママも完璧じゃないからごめんなさいと早めに謝るようにしている。

冒頭で紹介した「逆転人生」に出演していた坂根真実さんは、自身の体験について本を書いている。


この本のなかで、坂根さんのカウンセラーがこう言っていた。

『親が子どもに無償の愛を与えることができなくても、子どもは、親に無償の愛を与えることができる。そして、その愛は親を癒すことができる』

わたしは、いまこのことを身をもって実感している。

あまり普段人に話すような内容ではないけれど、もしどなたかの役に立つことがあればと思い、書きました。

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