見出し画像

内向型:朝の目覚めが幸せになった話

2020年の4月、14年間講師として働いていた学校を辞めた。私はその学校で日本語のプライベートレッスンを担当していた。当時、フリーの仕事もしていたけれど、どこかに所属しているほうが安心だったんだ。
コマ給は高くないけど、生徒さんも同僚も良い人ばかり。おおむね満足して働いていたつもりだった。

コロナ禍の3月。学校からの「登校して対面レッスンをしてほしい」という圧力にむくむくと疑問が湧いてきた。私の担当する生徒さんは全員「登校したくない」と言う。私も自宅からオンラインレッスンでいいと思っていた。

しかし、学校からの「登校してほしい圧」がだんだん強くなる。

組織で働くって息苦しいな。
ああしろこうしろと、小さな虫のように小突き回されている感じがする。

突然、「もういいよ、ムリしなくていいんだよ」と心の声がした。
終了のチャイムが鳴ったようだ。

「私はもう登校しません、来月で辞めます」と学校に告げた。

仕事を失う不安?
もちろん不安はある。
どこにも所属していない私で大丈夫?

それより驚いたことがある。
それは、毎朝とても素敵な気分で目覚めようになったこと!

朝、ふわぁーっとオレンジみたいなピンクみたいな雲が心に浮かぶようになった。
幸せな温かな色だ。
「もう通勤しなくていい、職場に行かなくていいんだよ」

それまで、仕事の朝と言えば、グレーの曇り空のような色が浮かんでいた。
「今日、大丈夫かな?」と漠然とした不安の色。
仕事に行く日はそれがふつうだった。

「辞める」と決めてから朝の心象風景がものすごく変わった。
それではじめて「私って結構ムリしてたんだな」と気づく。

そこまで職場がイヤという感覚はなかったし、
普通に仕事できていた、
むしろ「もっと働くべき」と思っていたんだ。
あと、通勤がそれほど負担だったとは意識していなかった。

あれから4年、ほぼ在宅で仕事するようになってから、
毎朝、心に浮かぶイメージはスッキリ晴れた空の色だ。

ああよかった。
私はこれでよかったんだ。
「雇われていない」って素敵だ。

「週5通勤するのが普通でしょ」と言われるかもしれない。

どこかに所属してチームで働くのが合う人もいる。
毎日通う場所があるほうがいい、という人もいる。
在宅では退屈という人もいると思うし、半々がいい人もいる。

人にはそれぞれ自分に合う環境と働きかたがある。
それぞれの事情がある。

自分に合う働き方を選ぶことは人生全体の「色」を変える。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?