シェア
森 晶麿
2020年12月25日 14:36
探偵ブルーブラックは影に似ている。どこにでも現れるが、誰もブルーブラックに気づかない。それは彼の類まれな才能というわけでもない。彼はただ生来そういう男であり、その結果として探偵という職業に流れ着いた。ブルーブラックはクリスマスが好きではない。昔の恋人が必ず電話してくる日だからだ。昔の恋人と一言でいえば同一人物に思えるが、それはAだったりBだったりCだったりとその都度変わる。要するに、その年のク
2020年12月9日 23:55
このところ出版界は先行き不安な話をよく小耳にはさむ。つい今日も大御所作家さんまで連載が本にならないとTLで目にした。あの方がその扱いなら、自分なんぞ野良犬もいいところだろう。そんなことを考えていたら、ふと思い出した。4,5年前だったか、自分もまだ書き途中の0稿の件で、とつぜんべつの出版社の編集さんから「森さんの別の社の原稿がうちに回されてきたんですよ。出版してくれないかって」と言われたことが