趣味日記:映画クレヨンしんちゃん勝手にランク付け その1

私は普段映画が好きでよく見るのですが、アニメも好きで、劇場版アニメーションなんかも結構見ます。
その中でもクレヨンしんちゃんの映画シリーズは子どものときからずっと好きで、私は今年36歳ですが、クレヨンしんちゃんも今年で31作品になるので、自分の人生の傍らに常にあった作品群だなと思っています。クレヨンしんちゃんシリーズと共に成長してきたような感覚もあります。

映画について記事にしようと思ったときにまずは大好きなクレヨンしんちゃんシリーズからはじめようと思い、今回は私が見てきた全31作の劇場版を振り返りつつ勝手にタイトルの横にS~Eの表記でランク付けしていこうかなと思います。
Sが最高に面白かった作品で、Eが時間の無駄レベルの作品です。参考にしていただければと思います。

それでははじめます。

映画クレヨンしんちゃん黄金期(1~10作目)

1.アクション仮面VSハイグレ魔王:D

本郷みつる監督作(1993年)。私が6歳のころの作品。
伝説のシリーズの幕開けとなる第1作です。でも今見るとあんまりおもしろくはないです。家族愛成分もこのときはまだ無く、タイトル通りアクション仮面とハイグレ魔王が闘うのだけど、ハイグレ魔王の目的も分からず、子供向け作品かなと思います。少しホラー要素があるのは1作目からの伝統なのかも。

2.ブリブリ王国の秘宝:B

本郷みつる監督作(1994年)。
本郷監督2作目作品で、懸賞に当たった野原一家がブリブリ王国に旅行へ行くところから始まる冒険ものです。1作目よりも格段に面白くなっています。まずキャラクターが素晴らしいです。すんのけし王子、ルル、オカマ2人組、ミスターハブなど、魅力的なキャラであふれています。すんのけしとしんのすけの友情が熱いし、ルルの格闘もかっこよく描かれています。インディージョーンズ的な遺跡探検もあり、子どももハラハラできるつくりになっていて素晴らしい作品だと思います。

3.雲黒斎の野望:A

本郷みつる監督作(1995年)
本郷監督3作目で、これはとんでもない作品です。所謂タイムスリップもので、この作品はゲストキャラである吹雪丸を主人公にした作品と言えます。吹雪丸の剣術アクションがバチバチにかっこいいのでここだけでもぜひ見て欲しいです。ラストも二段構成になっていて、巨大ロボット戦に発展するのも熱いです。このロボットの挙動もかっこいいです。吹雪丸がエモいし、ギャグもおもしろいし、文句なしでおすすめできるSF時代劇です。未来人のお姉さんのフルネームが物語を楽しむヒントになっているので気を付けて観て欲しいです。Aランク以上の作品は別にクレヨンしんちゃんのファンでなくてもおすすめできる作品だと思います。

4.ヘンダーランドの大冒険:S

本郷みつる監督作(1996年)
本郷監督4作目にして、氏のキャリアハイの作品ではないかと思うほどの会心の作品。
ホラー色が強く、ギャグとシリアスのバランスが絶妙な作品。新しくできた遊園地ヘンダーランドが実はオカマ魔女の基地で、ひろしとみさえをさらわれて、しんちゃんとトッペマが孤独に戦っていく展開です。しんちゃんが意を決してヘンダーランドに乗り込むシーンがやたらかっこよくて涙出てくるんですよね。この作品もキャラの魅力が天井を突き抜けています。トッペマのかわいさ、ス・ノーマン・パーの不気味さ、そしてマカオとジョマのアニメ史に残るほど強烈なインパクト。劇画ババ抜きも楽しいし、最後のジョーカーをめぐる野原一家とマカオジョマとの攻防は今でもめっちゃ笑える。再三に渡って衣装が仇となるマカオが超絶おもしろい。全体のデザイン性も高く、非の打ちどころがない大傑作だと思います。

5.暗黒タマタマ大追跡:B

原恵一監督作(1997年)。
ここからは本郷監督が4年間で積み上げてきたロードを引き継いだ原恵一監督の快進撃が続きます。
ただ、この作品は光るところもあれば、退屈なところもあるといった感じでBランクにしました。ひまわり初登場作品で、しんちゃんが兄として成長をみせるとこがぐっときます。ヒロシの名言「自分一人ででかくなった気でいるやつはでかくなる資格がない」が聞ける作品でもあります。
今回のボスであるヘクソンは歴代でも最強クラスの敵で、心を読む力があるので攻撃が基本当たりません。それを攻略するためにヒロシとみさえで歌いながら戦う「愛は傷つきやすく」のラストシーンは演出が際立っていました。キャラクターも相変わらず魅力的で、個人的には佐竹が好きでした。でも中盤までの逃亡生活がやや間延びしてたかなと思います。

6.電撃!ブタのヒヅメ大作戦:S

原恵一監督作(1998年)。
ここに至って原監督の才能が爆発します。
これまたとんでもない作品です。悪の組織がぶりぶりざえもんをのデザインを使ったコンピュータウイルスで世界征服しようとしており、それをSMLと野原一家、カスカベ防衛隊で阻止しようというエージェントアクションもの。冒頭のおいろけの潜入アクションがまずかっこいい。きんにくとヒロシみさえとのトイレの攻防もめちゃくちゃおもしろい。最初から最後まで隙がなく、家族愛と友情が表現されています。ぶりぶりざえもんの宝探し~ラストは涙ちょちょぎれます。ぶりぶりざえもんの最期のシーンの美しさよ。敵味方すべてのキャラが活躍するし、子どもも楽しめて親はウルっときちゃう、そんなしんちゃんがここで完成されたと言っても過言ではないかなという作品です。ちなみにIZAMさんが本人役で出演してます。歴史を感じますね。
「違うよ、ぶりぶりざえもん。お前はオラの友達で、救いのヒーローなんだ。」このセリフで毎回涙腺崩壊します。

7.爆発!温泉わくわく大決戦:C

原恵一監督作(1999年)。
これは微妙な作品かな、と。温泉Gメンと悪の組織YUZAMEとの戦いに巻き込まれていく野原一家を描いた作品です。野原家の庭下に金の魂の湯があり、それをめぐっての抗争となります。作中に出てくる重火器や戦車などはリアルに描かれていて、格闘やガンアクションはかっこよく描かれています。ただし、これまでのシリーズと比較すると敵の掘り下げが弱く、小物なのが難点でした。ロボット戦も雲黒斎のときような熱さもありませんでした。ギャグもものすごく古くて子供たちはさっぱりわからないようなネタも使われていました。

8.嵐を呼ぶジャングル:A

原恵一監督作(2000年)。私はこのとき小学校を卒業して、中一かな。
これもバチバチに感動する作品です。南の島へのクルーズツアーに参加していた野原一家とカスカベ防衛隊だが、サルの軍団に大人たちは連れ去られ、子どもたちだけで救出に向かうという冒険ものです。後半はアクション仮面とパラダイスキングとのバトルが描かれますが、これがまたかっこよすぎる。たぶんプロレスとか好きな人ってこういう感情になるんだろうなってのを描いている。ボコボコにされても声援を受けて何度でも立ち上がるアクション仮面の姿には勇気をもらえます。あと今回はシロとひまわりもかわいく活躍するのも良かった。内容もシンプルで分かりやすく、とにかく熱い展開や冒険活劇が好きならおすすめできます。

9.嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲:S

原恵一監督作(2001年)。原監督のキャリアハイではなかろうかという作品。
映画クレヨンしんちゃんシリーズで最も好きな作品です。たぶん多くの人が高く評価しているので、今更私が語ることもないですが、とにかくセンスがいい。ヒロシの回想シーンは何度見ても泣けるしね。
21世紀に絶望したケンとチャコが時を20世紀に戻そうとするという哲学的な思想を持った敵を出すのもすごいなと。後半はケンチャコと未来をかけて野原一家がただ塔を駆け上がるだけなのだが、とにかく演出がきまっていて感動的な仕上がりになっています。過去に浸りたい大人たちを前に「オラ大人になりたい」と声高に宣言するしんちゃんが最高にかっこいい!
自分ももうおじさんになりましたが、お酒を飲みながら「あの頃はよかった」とか、「昔に戻りたい」とか、そういうことを言うような人間にはなりたくないなと思った。何歳になっても「今が一番幸せで、未来をもっといきてみたい」と言えるようになりたいなと思っています。
「俺の人生はつまらなくなんかない。家族のいる幸せをあんたたちにも分けてあげたいくらいだぜ。」も作中でのヒロシの名言。

10.嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦:S

原恵一監督作(2002年)。本郷監督、原監督で支えられてきた黄金期の最後を飾る傑作。2作連続のSランク作品です。
もはやクレヨンしんちゃんというよりもちゃんとした時代劇であり、ヒューマンドラマですらある。シリーズ唯一の純愛物語。そこが評価の分かれるところかなとも思いますが。かなり感動に全振りしていて、ギャグは少なめで、ラスト重要キャラが命を落とすなど、クレしん映画としては異色ではあります。個人的にはこういう年があっても良いのではと思うので評価は高く付けています。作品の出来で言えば文句なしですからね。
野原一家がまた戦国時代にタイムスリップし、小国同士の小競り合いに巻き込まれていくというもの。タイムスリップの方法が曖昧なのも良かった。きっと廉姫の祈りが通じて野原一家が召喚されたんだろうなと。
作中通して又兵衛と廉姫の魅力が詰まっている。表情の変化で感情を表すのも見事。殺陣もかっこいいし、BGM等の演出もきまっている。クレしんの枠に収まらない最高峰の映画のひとつと言っても過言ではない作品だと思います。
「しんのすけのいない世界に未練なんてあるか!?」これも作中のヒロシの名言。ヒロシはいつもかっこいいとーちゃんですね。


今回は本郷監督と原監督による最初の10作品を紹介しました。私はこの10年を黄金期と呼んでいます。この二人の監督は本当に偉大ですね。
そしてこのままの勢いで行くのかと思いきや、このあとは暗黒期の時代に突入してしまいます。

また後日書く気分になったら書きます。それでは。

続き書きました。

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