無職日記:10年以上勤めた職場を辞めた理由その1
前回の記事で元々労働に対してのアイデンティティの不一致が自分のなかにあって苦しんでいたことに言及しましたが、それでもやっぱり私はすごく保守的で真面目なタイプなので、大学卒業後から同じ職場で10年以上勤めてきました。
それなのになぜ辞めることにしたのか。
細かい理由を挙げるとたくさんあるのですが、大きく分けると3つあり、それぞれが複合的に作用し合って辞める決断を後押しした形です。
「理由その1:可処分時間が減り、子育てとのかみ合わせが悪くなったから。」
2021年に待望の第一子が生まれ、現在1歳半くらいになっています。家族構成は核家族で妻と子の3人暮らし、夫婦共働きでした。子どもはめちゃくちゃ望んでいたのですが、退職するまでの1年半はすこぶる大変でした。
通勤時間が夏に車で1時間かかる距離で、特に冬は1時間半くらいかかることもあるので、子どもが起床する時間に家を出るみたいなことがよく起こりました。そうなると妻は自分の化粧などをしながら子の朝ごはんから保育園の準備から全部しなければならず、大変で、妻自身もストレスが大きくなっていました。
夕方も同様で、妻が保育園から子を迎えに行き、子を見ながら夕飯の準備をする必要がありました。妻と子が17時頃に家に着いて、私が家に着くのが19時頃になることが多かったので、差分の2時間を妻がワンオペしなければならず、それもまた妻のストレスを増幅させていきました。
なので、妻からももっと近い職場で働けないかという相談を受けていました。
私からしても、朝、子が起床する頃に家を出て、夕方19時に帰ってきて、子が20時~21時頃に就寝するので、子とかかわれる時間が極端に少ないという状況もどうかと思っていました。また、単純に職場からの距離が妻のほうが圧倒的に近いので、保育園から呼び出しがあれば必然的に妻が向かうことになったり、子育てに関する比重が妻のほうに大きく傾かざるを得ない状況になりやすくなっていた点も問題でした。
また、勤続10年以上でしたから、仕事においてもプレッシャーのかかる役割を任されており、元々自分の手に余る役割だったと思うのと、それを乗り越えるためには勉強して成長を促していかなければなりせんが、家に帰って家事や子どものお風呂、寝かしつけなどに追われ、その勉強に当てる時間すら取れない状況でした。
それ以前に子育て自体はじめてなので、子育てに関する勉強も同時に必要で、余計に仕事の勉強に全振りすることができず、当然自分がレベルアップしてないので仕事の成果も変わらないという事態になっていきました。
元々趣味も結構あったのですが、それに当てる時間も減り、とにかく仕事と子育てで1日が終わり、勉強や趣味に当てる時間が取れず、生活全体に不全感を感じるという状況になっていきました。この状況を抜け出す方法が他に思い付かず、辞めるに至ったという形です。
この時期、井上雄彦先生の「リアル」のなかのセリフをよく思い浮かべていました。事故で下半身不随となった高橋くんの父が子である高橋くんに言うセリフです。
「息子の成長を見逃してまでがむしゃらに働いたあの仕事は、僕でなくてはならなかったんだろうか?」(リアル6巻、著 井上雄彦)
これを読んでた当時はまだ子どもいなかったというか結婚すらしてなかったのに、それでもグサッときたセリフで、子どもができたらより実感が伴うセリフになったなぁ、と。前回の話に戻りますが、やはり労働と人生の目的が一致していない、むしろ労働が人生の目的を阻害している状態だとしたなら無理にそこで働く必要無いよなって思いました。
なんか理由その1で長くなってしまったので、続きは記事を分けて書いていくことにします。それでは。
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