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絶望日記6 "キラキラ"しなきゃダメなのか?

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まだ「絶賛絶望中」ではなかった頃。
ある知人からメッセージが届いた。

久しぶりのメッセージで「なんだろう?!」と、暗闇に向かっていた私はワクワクした。ワクワクしたのは、いうまでもない。近いうちに、そちら方面へ行くよとか、そういう「なんかいい便りに違いない」と思ったからだ。

緊急事態宣言は解除されたものの、世の中は不穏な空気で覆われていた時。私は、職場以外で人と会うことが、ほぼなくなっていた。

「私って、友達いないんだなー」

遠い目をしながら、そう感じていた時だったから。
だから、久しぶりのメッセージに期待し、ついワクワクしちゃったのだ。

あ、ちなみに知人は女性。

私が外国に住んでいた時、現地コーディネーターのアルバイトをしたことがあり、そのバイトを通して知り合った。

既に終わってしまった番組だけど、その番組を知らずとも、タイトルだけはきっと耳にしたことがあるひとは多いはず。

そんな人気番組の収録の仕事を通して出会った。

つまり、彼女はいわゆる「業界のひと」だった。私のような、地方出身の平凡中の地味目人間は「業界のひと」と聞くだけで、なんかソワソワ。

さらに、その「業界の人」と友達になった私は、自分もちょっとした「特別感」を纏っているように感じて。ああ、なんて、すごい錯覚。


話は戻って。

彼女からのメッセージは、私の予想や期待を超え「斜め上からきた」


ネットワークビジネスへのお誘い、だったのだ。(ありがちか?!)

ネットワークビジネスが悪い、というのではない。悪いとは思わないけど、そのメッセージには「純粋な友達としての何か」が見当たらない。そんな気がした。

「純粋な友達としての・・何か」

ただ、これも、受け取り方は人それぞれかもしれない、とも思う。

なぜなら、私はかつて1人だけ、こういう人と出会ったことがあったから。

「ネットワークビジネスを始めたい!と思っていたら、久しぶりの友達から届いたメッセージには、そのお誘いがあった!」

その友達(たしか20代後半の男の子。今は何歳のなってるんだろう?)は、そう言って喜んでいた。だから、本当にひとそれぞれなんだな。


また、話が逸れた・・・。

久しぶりにメッセージをくれた知人と最後に会ったのは、その半年ほど前。

その時は、近況を報告しあったり、出会った時の話をしたり、他愛もない話をした。

私よりも年上の彼女の、長年ひとつの業界で積み上げてきた経験からくるアドバイスは、弱々しい私の背中を押してくれた。

微笑みを絶やさず、忙しいのに気配りが完璧で穏やかな女性。私は、彼女のことをそう捉えていた。


ビジネスへのお誘いは、やんわり断った。が、それからも頻繁にメッセージが届いた。

次第にうんざりしてきた私は、ある時ハッキリ「興味はありません」と返事をした。

そして、次に届いたメッセージに、私はひどく落ち込むことになったのだ。
彼女は私にこう言った。

「この◯◯(ビジネスの名前)をしているひとは、みんなキラキラしていますよ」


あ、やっぱり。キラキラしなくちゃダメなのか。
私、キラキラしてないもんな。
楽しんでないもんな・・・。
いろんなことをして「よくなろう」としているけど、やっぱりダメか。


「みんなキラキラしているけど、あなたはしてないよね?だから、こっちにいらっしゃいよ!」

そう言っているように感じてしまった。妄想劇場。

振り返ると「まあまあ、そこまで落ち込むことないやん?!」「なんで、あなたが落ち込む必要があるの?」と自分にいってあげたい気持ちになる。

だけど、あの時は、グサリ刺さったんだな、こころに。


これは、自分の中に「私はキラキラしていない」「私は劣化している」という思い込みがあって、そこを目掛け一撃された。つまり、私の思い込みが彼女の一言を呼び寄せた、ということだと思っている。

当時も、頭では思っていたのだけど、、、

お金が底をつきかけた私は、
「次に無くしてしまうのは、友達なんじゃ?」という、グレーで落ち着きない気配を感じたのだった。


つづく








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