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パーソナルハンディフォンシステム

 私が高校生の頃、当時はまだ携帯ではなくPHSが主流だった。PHSの全盛期はとても華やかで長かったようにも思えるが、私が中学生の頃は一部の子がポケベルを持っていㇽ程度で、高校最後の頃には既にauの学割が一世を風靡していたから、もしかするとPHSが覇者だった時代はそう長くないのかもしれない。私たちはカタカナ20文字10円の時代を経てこの時代にいる。

 今日は私と携帯の話を書きたいのではない。PHSの略称の話を書きたかった。PHS=パーソナルハンディフォンシステム。なぜか私と友人の間では略さずにパーソナルハンディフォンシステムと呼び合うのが流行っていた。おそらく、授業でODAやらWTOやらIMF やら出てくるし、進学について話してもICUやらAPUやら略称が多かったので、アルファベット略語に慣れていたのかもしれない。更に女子高生は箸が転げるだけで面白がる世代だ。なんか面白かったので、正式名称で呼ぶごっこをしていた。ついでに言うと、友人に宛ててPHSと書いてしまった場合にパーティー編成システム(ファイナルファンタジー7より)と読まれるところまでがネタだった。
 
 その当時の名残か、アルファベット3文字くらいの略称を見ると、なんのことだか類推してしまいがちだ。自分が脳内で単語当てパズルをしていることに気が付いたのはHSPが話題になった時だった。
 
 HSPはハイリー・センシティブ・パーソンと言って、人よりも感受性が高い、感覚が過敏な方をさすらしい。なるほどそんな言葉があるんだと思った。次にHSPを見たとき、当然何の略称だったか思考を巡らせる。その結果出てきた言葉は「Hヒトより S繊細っ Pぽい」だった。HPVの正式名称が「ヒトパピローマウイルス」で、実際にはHumanのHなのだが日本語のヒトと頭文字が一致していたことが、記憶の片隅にあったのかもしれない。すっかりこの略称が気に入ってしまった。病気のように大げさにはしないけれど、ちょっと気にかけてほしいんだというニュアンスが「っぽい」に含まれている気がして。
 
 TRPGにはHOというものがある(らしい)。GMから各プレイヤーにだけ見えるように渡される指示内容を指すそうだ。Twitterなどの感想からHOという指令があることはなんとなく知っていたが、さっぱり何の略称かわからない。そこで私は頭をひねった。でてきた答えは「HひっそりOおてがみ」だった。TRPGを知っている層に妙にウケた。意味はばっちりあっているらしい。(正解はHandoutだった。)
 
 だからどうしたという話で、このnoteにオチはない。ただただ言葉遊びが楽しいというだけの文章であった。
 

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