中和

きっと私は軽い方だ。

どうしてみんなは普通に生きられているんだろう。いや、みんな普通に見せているだけなのかもしれない。

「死にたいなんて、一度も思わない人生がよかった」過去の私がそう書いていた。


そうだね、そうだね。

初めて、自分の手で自分を傷つけることを試した。試してしまった。
不運なのか幸運なのか、使い古された切れ味の悪いカミソリでは、全く跡もつかなかった。ただ肉に爪をギュッと押し込んだ程度の、それより少しだけ長い線。一瞬で消えるだろう、初めて私が私を傷つけようとした証拠。

でも不思議だね、落ち着いたの。
心がぐちゃぐちゃに乱れていて、脳が割れかけていて、そんな時にほんの少しでも身体を傷つけたら、少しだけ中和された。
身体を傷つけることで、バランスが取れてしまった。


ベッドに入ってから、あれだけ「助けて、助けて…」と、泣いていたのに、その行動の後は、眠れた。

おかしい、何かがおかしい。
おかしいよ。