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タイの田舎にあったY30セドリックに2JZが載ってた、を直して乗る

いろいろある旧型車だが、昔青春時代に乗っていたCedric/Gloriaには思い入れがある。相当型落ちになってたがキレイだった330にはしつこく乗っていた。


それから随分経ち,USに二十数余年と、ここ6余年はタイに居るのだが、タイで乗りたい車両はセドリック/グロリア。古いアメ車も好きだがこの地で実用に適して普段乗り出来るものは全く無い。新車のMustangとかCamaroはたまに見るがセダン系欧州車はヨーロッパ車しかまず見かけない。輸入車関税が新車(古い車も同等車種の新車に遡って)価格に対して200%のタイではともかく古いクルマの輸入例はすごく少ない。
しかしタイの道路は日本ブランドのタイ国内製車でいっぱいだ。5%位?はドイツ車、あとはFordやChevrolet - チェボロレットというタイ人の呼び方が可笑しい、その他?であるのだが、絶版のそれ程古い車が走っているのはやはり目にしない。日野のボンネットトラックはまだ多く現役で工事現場とかで見る。
どうも日本みたいな旧車ブームなんてのもあまりない様だ。 

角ばったスタイルはやはり今では珍しい。


JDM&モータースポーツ界隈は人気らしいという話しは聴くが人気車種はGTRなどのスポーツ車両の様だ(改造セフィーロは結構見る)。
一応Datsun CedricのクラブはFB上では存在しており、かつては新車当時にある程度輸入され国内オーナーも少数派として居るようだ。

結構傷んでいる所も多かったが決定的なダメージはなく走行可能車であった。


そんな事情の様だが、タイの田舎(Suphan Buri県、Myanmar 国境まで西に100kmくらいか)に居たこのY30を見つけた。車体は一寸ボロかったが機関はトヨタの名機 '2JZ- GE' が載っている、こういうモッドは以前から結構あったよう, 主に古いクラウンにjzが搭載された物が散見される様だ。

この車体を購入しバンコク下町の知ってる小さい町工場で全体的に整備を施しまともに走れる様にしてもらった、要期間約3ヶ月。流行り病のせいか他の車両の整備依頼があまり入って来ない感じだった。板金等の外装も整え一応きれいになった、あえて色は同色、殆どサビが無かったのも救いであった。
まあ一般人に手が届き安く実際に楽しめる様にするまでの範囲の再生修理はこんな程度だろう、妥協点を設定するのが実際的だ。完璧になんて考えるとレストア自体がストレスになってしまって楽しめなくなるのは良くない(という例も見てきた)。それにまた自分で出来る所に手をかけるのは面白いのだ。
そういうところでこの作業は日産のプライドをかけてレストアが施された伊藤かずえさんのY31シーマみたいな訳にはとてもいかない。こっちはメカ修理に板金塗装を追加というレベル。エクステリアパーツなどは殆どそのまま全部使っている。

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チョット変な線が入ってしまった。

修理工場の主人の '知ってる知ってる' なんていう言葉を信じていたら こんな変な線が入ってしまった、ピンストライプのJack Nicklaus仕様のビデオまで見せたのだが、ちょっと無理だった。修理中は何度もショップを訪れ出来ぐわいを確認しもっと必要な修理やアップグレードを施して行った。サイドミラーは昔のFord LTDのでボディのスタイルには合ってる感じだ、全体的にはミニグランドマーキーみたいな感じか。

元々5ナンバー規格いっぱいのボディはバンコクのどこの駐車場でもちゃんと入る。パッポンのネオンもちょっと寂しい、ここらでやめてもいいコロな。

一応完成後、約2-3ヶ月間というもの、バンコク市内における試運転を大体毎日実用車として使用し行った。出てくる不ぐわいは全部近所の修理工場に持ち込み直した。そういった準備のあとでこの車両にてタイ北東部(イサン地方)に計約2000kmの旅をしてみた。

大きなビニール袋が路面を低空飛行してきたのがドライブシャフトに巻き付いた。近くのショップに駆け込む


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Loei (イサーン地方北西部の山地の街)のお花畑公園

結果的に普通に消耗品である部品達はほぼ全て交換して整備された。買った時から入っていた中古の2JZとAISINの4速ATは基本的な整備/メンテは行った後だが、快調で動力性能は結構良い感じだ (実測燃費平均9.5km/L)。日産の外見なのにトヨタの音が特に回転数が上がると社外マフラーより響く、一寸面白い感じだ。坂などでの追い越しもまあ楽で周りの新型車達とは同じ流れでスムースに走れる。

東Bangnaにある中古部品屋のメッカは昔の錦糸町の立川町より何倍も大きい。シビックその他のぶった切ったボディとかまであった。5ブロック位全部中古部品屋が並ぶ。

その旅中でのトラブルはブレーキランプのヒューズが飛んだ(自分ですぐ直し、後でランプはLED球に変え)のとマスターシリンダーの疲弊くらいだった。修理はUdonthani近くのローカル店で済んだ。又幸い住んでいた所が 'タイの中古部品のメッカ'、東BangnaのChonburiハイウェイに面した一角の近所で、そこよりも何回か部品調達を行った。

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中古のNAの2JZ, このエンジンルーム細部のアップグレードは少しずつ 行っていきたい。
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どうにか出来上がったが細かい所は目をつむる感じ

タイヤはファミリーカー用のブリジストン デイトンDT30(=タイ製品)185/65/14インチ。安いが静かで乗り心地も良い。付いて来たBBSの15x7Jはまたキレイに直して乾季専用の巾広めのタイヤ用に使おうと思う。ダンピングは一寸効きすぎで乗り心地は少し硬め、実はちょっとフワフワが好みだ。外装の仕上りは美的感覚にもうチョット感あり。

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朽ち果てた'C'印のHood marker (ボンネットマスコット)は宝石仏具修理屋でこの黒いのに作ってもらった。ご位牌みたいだが走っていると太陽光で金金パターンがピカピカ。ま,面白いからこれでいっか。
ハワイアンシートカバーっていう物はタイにはありません。寸法直してくれたオネエさん: 'ソンクラン(水掛け祭り)で着るシャツみたいね'

まあこれでしばらくはlow budget (低予算)ながらも楽しいカーライフが送れる、自分でいじって楽しめる位にまでにはなったという感じか。最初は少し否定的だった田舎タイ人の家内だが最近は自分のホンダ・ジャズ(日本名フィット、こっちはタイ製でヒーター無し、CVTの追越加速がまどろこしいみたい)よりもこちらばかり乗りたがり返してくれない(クルマの事も一寸は:勉強せドリック)!
(完)

SGLだったか,グレードとか気にならない。


















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