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私の見た'天界と地獄' バンコク入院珍道中 その1

私は 突然の脳出血にて出張滞在先のBangkokにて倒れ Silom (有名な日本人カラオケ地区タニヤに近い)のBangkok Christian Hospitalに担ぎこまれた。それは2016年9月25日だった。呼吸停止で約6ー7日間 人工呼吸装置を繋がれたまま意識が無く 医師いはく "この イープン(日本)人 恐らく だメダーイ。7割以上の確率でお寺さん行きナー。"という感じだったと。
その いわゆる昏睡 'コーマ' 状態にて見た'幻覚'がとても可笑しく あの Swedenborgの "天界と地獄" において描写されているような死後の世界みたいなものとは かなり離れていて面白いものだったのでここに回想録として記させていただきます。

その時の'幻覚'を見ていた時は苦しくも痛くも痒くも感じなかった。

#0 天界 ひとつしか現れなかった"天界"
まるで飛行機の搭乗口が暗くなったような空間をスムーズにスイスイ移動して行くと 写真に示したような感じの立派なドアが現れた (これは実際に病院のとなりであるPatpong通りにあるMadridと言う南欧料理を出すbarの入り口で 1970年代には あの CIAの職員の溜まり場であったという。 彼らはいかに当時のインドシナ半島に蔓延っていた共産主義者たちの陰謀を挫くかというような会合をしていたらしい)。

この取手に手をかけて少し開き中を覗くと この様な感じの情景が見られた (写真はノルウェーのfjord)

その時 "これは天国に通じる道である。天国つうとこはな そんなに甘いもんちゃうねんで。その手をドアから放せー。今は未だ貴方がここに来る時ではないのだー。 You are not authorized to enter " と言うようなメッセージが頭に届いた。対し 'それじゃあ後でまたここに来るのですか? それが運命なら何時でもよかでっせ' という意識を答えとして伝えた。それに対しては "今すぐ立ち去れ" とまるで警察官か 7th Adventist (非常に厳格な米国東部の教会)の司教みたいな口調が伝わってきた。それでは仕方がない と諦めて その'搭乗口' を去った。

'これから何処に行けば良いのか? 恐らく病院に運びこまれて今こうなっているのだから病院に帰ろうか?それにしても廻りに何方もいらっしゃらない。病院なら他に亡くなられた方がた(写真のような?)もあの世に行く途中にて

廻りにおられるのではないか? ' ところが自分と同じような人々あるいは 行き場のない '浮游中の人々'に会う事はなかった。余程神聖な病院なのだろう。
また 車に興味がある自分は 'タイではどんな霊柩車が死人を運んでくれるのだろう? 幽体離脱とかが本当にあるのなら是非見てみたい' 等という意識があった。

アメリカの霊柩車はこの様な物だが タイの霊柩車はタイのお寺みたいな建造物が上に乗ってるのだろうか?

(後で分かった事ですが タイにはいわゆるカスタムカーとしての霊柩車は存在しないのだそうな。こういうVolkswagen のVan ー 縁起担ぎのナンバープレートでわかると あるいはピックアップトラックで運ぶんだそうな)

例によってスイスイと移動していくと 'Entering Hellish Zone 地獄的な領域に入ります' という緑と赤のネオン表示が現れた。
先ず 綺麗なビーチに出た。夕日に写る表示は The Sun's とある。きれいな小波が結構沖から左から右に向き崩れている。"これは良く乗れる波" 今度は Sandsと言うビーチハウス という所に 10ft (3m)位のロングボードが置いてある。'みんなサンズ (三途!)という名前だナ'

地獄1 ビーチリゾートHell
これを過ぎてビーチ上を進むと赤い門(?)見たいな入り口が現れた。受付台には身の丈150cm位の赤いドレスの女性が居て "¥฿milkman様 お待ちしておりました。誠に残念なのですが貴殿は当地には現在では登録できないようです" 私:そうですか? それではあの怖い神様?司教?のいる天国に行かないとですかね? あまり行きたくないですね。受付嬢: "当地を見られるのは結構ですので是非どうぞ" 扱いが天国よりずっといいと思った。そうすると今度はやはり 身の丈150cm位の 赤いタキシードの 頭に小さい角が2本ずつある男性たち ( いわゆる西洋の悪魔スタイル)5-6人が "Welcome to our hell!"
中に入ると一面夕焼けのビーチで あちこちで女性ばかりが寛いでいる。これはあの タン波哲郎さんの言ってた '残存性欲の領域'? 私:やはり結構です さいなら!受付嬢: 予約は出来ますのよ!

地獄2 Walmart ウオールマート Hell
次は もっと暗くなり 緑と赤のネオンしかハッキリ見えない街に来た。どのネオンも 'Walmart' とある。
暗がりに人々がshopping cartを押しながら沢山居る。ろくな商品が置いていない。食品は甘い不健康そうな物ばかり。皆、誰が一番不必要でつまらない物を高く買ったかを自慢している。

地獄3 'The day of the dead' Hell
やはり暗がりで 骸骨のコスチュームの人々が楽しそうに踊っている。タイのモーラムともMexico のマリアッチとも言えない音楽が。'アリーバー' だとか 'クン ピバー' (アンタバ-カ)とか言い合っている。
骸骨の形のお菓子等を露天で売っている。"ブエノスー アミーガ、ここでは年中こればっかりやってんのでっか?" と聴くと 女の骸骨の格好をしたセニヨリータが 'そうに決まってるじゃない あんたも 躍りなさいよ ムイブエーノよ!'
Latinとかにはどうもついて行けない。

地獄4: マカロニウエスタン Hell
西部の街に来たのだが バーの店内はみな笑っていて雰囲気は良い。このバー兼2階はホテルの受付 兼 バーテンダーは 昔のtvシリーズ The Riflemanに出てくる Chuck Connorsみたいだ。バーLadyたちも格好は1800年代だが 人種が様々で日本人やスラブ系までいてそれぞれのなまりの英語で喋っている。可笑しいのは 外の道を馬に乗ったカウボーイたちと一緒に大型トラックとかが車線分けして走っている。HinoやIsuzuが物流に貢献してるんだとか。何がHell なんですか? と聞くと 同調圧力の高い (=fu××ing conformists だと)酔っ払いたちが問題起こすんだとか。人種と文化はそれぞれよとか Chuck氏いはく。

マカロニウエスタンの名優 Lee Van Cleef(とおもわれる)のマッドフラップの着いたタイのダンプ。高速車線にはVIPバス。セクシーなスッチーが案内してくれるやつか?

地獄5: カラオケリゾートHell
カラオケリゾートなんていうものがあるとは今まで聞いた事すら無かった。何かと言うとカラオケを歌うVIPルームが街じゅうに広がっていて プールもあるし カフェと言われる カラオケをバックに歌う女性歌手がひっきりなしに入れ替わり立ち代わりする場所もある。
何の曲でも何語の歌でも歌える。店も大小様々。そればかり年中やってる地獄なんだということです。

姉さんたちとカラオケもいいけど何歌っていいかわからない。La Bambaとか歌詞見ないで歌える。

後 ゴーゴー地獄とかもあった。

こういう変な地獄ばかり意識の中に見て来た末に 奇跡的に生き返るのですが その話しはまた次回にいたします。

milkman

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