Ignaz Lachner イグナツ・ラハナーを聴く。(7)

さて、それでは続きです。


Ignaz Lachner (1807-1895)
「Piano Trio No.6 in C Major, Op.103 For Piano, Violin & Viola
 ヴァイオリン、ヴィオラ、ピアノの編成によるピアノ三重奏曲 第六番 変ホ長調、作品103」

 Stefan Muhmenthaler, Violin
 Anna Barbara Dütschler, Viola
 Marc Pantillon, Piano

これはイグナツ・ラハナーが作曲し、
室内楽の評論家で有名なヴィルヘルム・アルトマンが「無くてはならない」と評した、
ヴァイオリン、ヴィオラ、ピアノの編成によるピアノ三重奏曲の六作品のうちの最後の作品です。

ピアノ三重奏 第六番の第一楽章は、
アンダンテ グラーヴェ、アレグロ。
ゆったりと風格ある導入からはじまります。
主要部は、ゆるやかに軽快にテンポアップします。
まるでラハナーが思いつくままに作曲したような自然な流れです。

第二楽章のアンダンティーノは、
悲劇的な弦の停止が2回続いた後、
まるで雲間から明るい光が射すように穏やかに変化し、
再びオープニングに戻って、何度も不思議なコントラストをつくります。

第三楽章のテンポ ディ ミヌエットは、
ハイドンが書いた作品のようにも聴こえます。
魅力的で、とても古典的な雰囲気です。

陽気で愛嬌のあるフィナーレ、アレグロは、
メインテーマが、呼応的な断片で構成されていて、
ハイドンの影響を感じます。
何度も行ったりきたりした後に、
素晴らしい次のテーマが、二つの弦から生み出されます。

全体に明るく愛らしい雰囲気ですが、
濃淡がはっきりとしていて充分に聴き応えがある作品だと思います。


Ignaz Lachner イグナツ・ラハナーを聴く。(8)に、続きます。

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