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コンプレックスは、キャベツに包んで煮込んであげる

先日の夕飯は、母のリクエストを受けてロールキャベツにした。テレビに出ていたお気に入りの女優さんが作っていて、食べたくなったらしい。

煮込み料理だから、コトコトじっくり煮込んで美味しくしようと思って、お昼を終えてすぐに準備に取り掛かった。

この感染症が流行り出してから、#おうち時間 がすごく長くなった。『自宅で待機してね』という言葉は、なにを指しているんだろう。私たちは、自宅でなにを待つ人間になったんだろうか。

私は少しだけ、人の気持ちを想像しすぎてしまうところがあるから、その関連ニュースにあまり触れすぎないように注意している。

『感動ポルノ』なんて言葉があるけど、誰かの辛いことや悲しみは、コンテンツとして消費されて欲しくない。けど、そこら中に溢れてる今、みんなが想像力を持つきっかけになったら、もっと優しさが生まれるのかな。

私が一人胸を痛ませたところで、そのポストをいいねしたり、お気に入りしたり、記事を仲の良い友達や家族にシェアしたところで、当事者になにも素敵な影響をもたらさない。想像力のきっかけになるくらい。

みんな苦しいね、辛いよね。しんどいよね。暗くなっちゃうよね。

頑張ってくれている人たちや、その人たちに近しい人たちの気持ちを想像すると胸がきゅっとする。


一方で、キラキラ眩しい友人たちが素敵な海外旅行やアート体験、大好きな彼氏彼女とのひと時を我慢している状況は、なにもない私に少し近づくので、ほんの少しだけほっとしてしまう。そんな自分に気がついて、背中の全ての産毛がざわざわする。


温かいお風呂に入って、あったまって、早く寝ようね。今日はなにも考えなくてもいいから。

コンソメがなくて、鶏ガラでスープの味付けをしたけど、ロールキャベツは優しい味だった。コンプレックスは、キャベツに包んで煮込んであげるからね。

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