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SOPMOD BlockⅡとアフガニスタンの戦い

SOPMOD(Special Operations Peculiar MODification)

USSOCOM(アメリカ特殊作戦軍)のSOPMODプログラムは20年に渡って特殊部隊にオプティクスやアクセサリーを提供し、そのおかげで特殊部隊はいかなる敵よりも速く、遠くから、正確に射撃をすることを可能にしてきた。今回は米軍特殊部隊アフガニスタン派遣時におけるSOPMOD BlockⅡの運用について紹介する。

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アフガニスタン、2015年。特殊部隊オペレーターが構えている銃は当時のSOPMOD BlockⅡの典型的なセットアップ:MK18にSU-230を装着、その上部にEOTech MRDS、LA-5 IR/可視光レーザー、シュアファイアSOCOM サプレッサーとWMX200ライト

SOPMOD BlockⅠの問題点

SOPMOD BlockⅠが実戦で使用され始めるとすぐに、イラクやアフガニスタンの戦場である事実が判明した。それはオプティクス・サイトがある特定の射距離でしか効果を発揮しないということだ。これはエイムポイント、イオテック、ACOGいずれのオプティクス・サイトでもそうだ。
確かにエイムポイントもイオテックも射距離300m以上において正確な射撃を可能にしてくれる。しかし300m以上遠くで移動している人間をレッドドットで狙うのは現実には難しい。トリジコンACOGもCQBに使えると謳われていたが、オペレーターが実戦を重ねていくと倍率が4倍固定では使いにくいことがわかってきた。たとえ一つの建物だけを単純にルームクリアリングしていくだけの簡単な任務であってもだ。もちろん実際は目標までの前進間や離脱時にも戦闘しなければならないのだが。
つまり敵との交戦距離というのは常に室内戦闘の距離から500m以遠までの幅があるのだ。従ってエイムポイント、イオテック、ACOGの何を使うかに関わらず、倍率は1/2の確率で敵との距離に合っていない、ということになる。従ってM4A1を運用するにあたっては、近距離から遠距離まで照準できる装置が必要とされた。こうした2つの照準を解決する試みは2005年頃から始まり、これがACOGの上部に装着する小型のレッドドット・サイト、SU-237だった。

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