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「ただ生きるだけ」でいい

暮らしのあらゆることが苦しい。
あらゆる感情が深く深く私に染み込んでくる。
想像の出来事で深く苦しむ。
実際に私が苦しむことなんて、ないのに。


本当に苦しかった世界はきっと10年程前に終わってる。
世界が真っ暗で何も見えなかったり、かと思えばまぶしくて目を細めるほど輝いていたり
確かなものがなにもなくてころころ様変わりする世界で、激流に飲み込まれないよう必死に世界にしがみついていた。

息がうまくできないような日々は終わったはずなのに、私はまだ、呼吸がままならない。
心の中が、いつまでも病弱な赤ちゃんだ。
助けて。


ただ生きてるだけでいい。

子供の頃、ただ生きるということさえままならなかったけど、母は生きるだけでいいと言ってくれた。
でも、生きるだけのことができなくて。
自分に傷をつけてあらゆる方法で自分を苦しめて、自分で自分をどんどん追い込んだ。
人を傷つけて、心を閉ざして。

生きるだけでいいと言われても、生きてる心地がしなくてもがいてしまったし、そのうちちゃんと大人になったし、ちゃんと親になったし、ちゃんと働いた。
ちゃんと。


窓の外から聞こえる鳥の声、重機の音、ぶつかり合う金属音、たまに聞こえる人の声、
誰かを家に呼ぶ訳でもないのに朝からきちんと片付けた部屋。
人に会うつもりはないから着替えないし靴もしまったまま。
理由もわからない涙が止まらなくて、でもまあいいやと流し続けながら、ただ生きてる。


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