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Changes are not always that bad.

あけましておめでとうございます。今年は去年よりもエッセイを頑張るぞ〜!と意気込んではおりますが目標となる文字数に到達するのは中々どうして簡単ではなく、新年早々頭を捻っているわけです。

「今年は飛躍の年にするぞ〜!」という意気込みはあまりに漠然としているが、かといって具体的な数字を出した目標はわざわざ誰かに言うことでもないのでそっと胸の内に隠しておく。無論、隠したままでは何も始まらないのでそれなりに計画性を持って実行しなくてはならないのだが…。
とにかく、今年はちょっとデカいことを考えているのでみんな期待しててね〜、というくらいに止めておこう。

今年も年明けは友人の家で。普段滅多に観ないテレビを存分に味わいながら年を越す。友人宅のテレビがなぜか調子が悪くて、紅白が映らないという事件が発生したりもしたがそれもご愛嬌。アンテナ線をあれこれやったら直ったので無事に『ちゅ、多様性』あたりからは合流。
友人の車で少し離れた有名な鮮魚店(デカめ)にいって寿司を購入。鰤の半身とか、いくらとか、蛤とかもカゴに入れたかったんだけど「どうせ余るから」と言われ却下。残念。

帰りがけにスーパーに寄って鍋の買い出し。どうしてもたこわさを作りたいと言う友人の意見により茹で蛸が採用。結局最後まで手をつけずに冷蔵庫にいた。
紅白を流しながら寿司を食べる。酒を飲む。俺が買ってきた金箔入りの日本酒はめでたいだけでそんなに美味くはないので不人気。責任を持ってちょびちょび飲むが味は変わらない。後日持って帰って料理酒に格下げ。

例年通り大量にみかんを購入。これだけは余らない。手が黄色くなるまで食い尽くしてやる!と思いながら皮を剥く。
乃木坂46が出てきたあたりで鍋(第一弾)を作る。前回までは結構ちゃんと乃木坂を観ていたのだが今回はなんとなくだった。俺の中での乃木坂ブームも終わりに近づいているのかもしれない…。

食えるだけ食って、あとは年越しそばの分だけ腹を空けたらしばらく小休止。ジェンガ、ウノ…毎年この日に一年分のボードゲームをやっている。ウノがいくら上手くなっても何の意味もないのにな〜と思いながらでも楽しいからいいよな〜とも思う。年末くらい何にも考えずにボードゲームやるのがいいんだよ。

あと、「ドンジャラ」もやったな。ほぼ初めてだったけど楽しかった。大人になって、全ての行動が将来に繋がればいいなと思うけど、たまにはこうやって何にもならない時間があるくらいじゃないといけないかもなと感じたりもする。ムダに見えることがいつかきっと何かになる。なるんじゃないかな。多分なると思う。

紅白が終わって、カウントダウンTVで年越し。鍋の第二段を作ったはいいけど全然食べれない。ずっと満腹の状態が続いている。それもまあ一年に一回くらいなら許されるかな。
そのあとはもう本当に何もしていなかった。「だらだら」という言葉が実態を持ったとしたら多分こんな感じになるんだろうな。けん玉したりトランプしたり酒飲んだりしてたらあっという間に夜は更けていった。

ここ数年はほぼ同じメンツで年を越している。元旦から銭湯に行った年もあれば、初詣に出向いた年もあったが去年と今年はかなり大人しく帰っている。みんなにもみんなの予定があって、中々集まることが厳しいのだけれど、それでも年越しに集まれるのは楽しい。

珍しく朝帰りで家に帰ったら思ったより疲れている。うーん、徹夜も楽じゃなくなってきたな…。とすぐに歳のことを考えてしまって辛い。「もう歳だから」とか絶対言いたくなかったのに、着実にそういう大人への階段を登り始めている自分がいて悔しい。
そういえば大学時代にお世話になった先生(70代後半だった)は「こないだ徹夜してさ〜」とか普通に言っていたが俺は27歳でヒーヒー言ってるのにマジでどうなっているんだ…。と数年越しに驚いたりする。

元日をほぼ棒に振って、夕食を家族ととってまたすぐ寝てしまった。三ヶ日くらいゆっくりするか〜と思ったが山積みになったタスクが常に心を圧迫してくるので大人しく手をつけた。
しかし久しぶりに友人と会うというのはいいことだ。良くも悪くも最近よく話す人は「友人」と呼ぶにはちょっと違うことが多いから、お互いがタメ口でどうでもいい話とかを聞けるのが嬉しい。
それに、雑談の内容も普段全然自分と関係ないような事が聞けて面白い。たとえば、「日プ」のことなんてちゃんと話を聞くまで分からなかったし。友達だからこそどんな話でも結構前のめりに聞けるし。有意義な事だらけだな〜!

さて、長々と日記を書いてきたわけだがいまだに2024年という実感は湧かないまま、3日の夜を過ごしている。毎年どのくらいの時期に年明けを飲み込んできたのか覚えてない。一年という期間はそのPDCAを回すには長すぎる。
そういえば「年越し1年ぶりだなぁ」って友達が言ってたな。そりゃそうなのよ。みんな一年ぶりなのよ、と笑いながら返した。そのボケも一年ぶりで、次に聞くのも多分一年後だ。

そういえば学生時代は毎年「新年の抱負」みたいなのを書かされていたなぁ、と思い出す。あの頃はそれが面倒で仕方なくて、加えて尖っていたせいで「直前まで書かないのがクール」とか「真面目に新年の目標とかを言うのはアンクール」みたいに思ってギリギリに書いてはちょこっとウケを狙ってたりしたな。まさに若気の至り。今となってはいい思い出だけどね。
そんなヤツがまさか何年も後にこうして長々と文章を書いているのだから不思議なものだ。

ただ、昔から文章を書くのは好きだった。読むのはあんまり得意ではなかったけれど、たまに書かされた感想文とかがちょっと褒められたりして調子に乗っていた。「俺は文章が上手いんじゃないか?」みたいに、有り体に言えば天狗になっていた。
しかしいざこうして毎週何かを書いてみようとしたり、「文字数」という明確な目標を立てたりするとてんでダメだな、と気づく。どんなことでもそうだけど上には上がいて、好きな芸人のエッセイ集を読んでは「うわぁ〜!上手いなぁ…!」と唸っている。彼/彼女の人生が特別面白いかどうかは置いておいて、その中からピックアップする題材や文字に起こす時の表現にいちいち感心しては落ち込む。
まだまだだなぁと思い、そう思えているだけでも幾分かはマシかな?と思う。

今日はまさにそれを感じた日で、去年買ったエッセイ集を読み終えて改めて頑張るかぁ〜、と思った。
新宿の喫煙可の喫茶店で友達を待っている間。スマホの充電が減っている事に気づいてエッセイ集で時間を潰した。
いや、時間を潰したというより、「今なんじゃないか?」と思ってページを開いたのだ。「去年買った」とは言ったが、別につまらないから読んでいなかったわけではない。むしろ、面白すぎて読み終えてしまうのがもったいなくて、ケーキのイチゴを残しておくみたいに、今日までとっておいた。
モクモクと紫色の煙が充満する喫茶店。外はもう暗くなっていて、友達が来るまではもう少しある。歩き疲れた体にコーヒーを流し込んで目を覚ます。しかし本当にこの喫茶店は全員がタバコを吸っているな。喫煙者でも嫌になるくらいの臭いだ。ページを捲るたびに笑いが込み上げてきたり、「この表現は見事だ…!」と感動したり。結論から言えばめちゃくちゃ最高のエッセイ集だった。

外に出ると友達はまだ現れなさそうで、雨が少し降ってきていて。湿り始めた新宿の道を歩いた。今年は、今年は、来年は。ずっと先のことばかり考えているからなんとなく生き急いでいる気がしてしまう。楽しく過ごしているはずの時間にも「こんなことをしている場合か?」と心の中の自分が問いかけてくる。
そんな時にさっきのエッセイ集を思い出そうと思った。彼女が生まれてから芸人になるまでの色んな話。前のめりに進むしかないと思っていた毎日に、たまには振り返る時間があってもいいじゃないかと思わせてくれた。

そういえば、年越しは通っていた大学の近くに久しぶりに行ったのだ。あの頃と街並みは少しずつ変わってる。当たり前だけど少し寂しい。変わらないものなんてないんだと頭では分かっているつもりなのに、やっぱり感情はそうはいかない。
全ての角に思い出がこびりついている気がして急にノスタルジー。再開発でだいぶ広くなった歩道を歩きながら「ここはあいつがバイトしてたな」とか「この道で酒を飲んだな」とか。嫌でも思い出される記憶たちにあえて蓋をせずにただ受け止めて街の空気を吸い込む。
年の瀬の澄んだ大気も暖冬のおかげか少しやさしく感じた。
変わっていく。たくさんのものが変わっていく。今まで頻繁に会っていた友達との関係性も、少しずつ変化してしまう。毎日会っていた頃の話をいまだにしてしまうのはきっとそうすればあの頃に戻れると思ってしまうからか。それとも、たまにしか会えないことのブランクがどうしても埋めきれていないのか。

変わってもいいよ。きっと僕ら変わりながらまたどこかで出会って、また道が分かれて、それでも日々は続く。
髪が長くなったり、好きだったマンガに飽きたり。できることが増えたり、逆に減ったり。前より目が悪くなって文句を言って、前よりギターが上手くなって嬉しくなって。
日々変わりながら続けていこう。なにも変わらない毎日を愛おしく思いながらまたどこかで道が交わるその日を待って。
きっと、毎日変わっていく沢山のものがあるおかげで、輝いていた栄光の日々はずっと変わらずにそこにあるんだってことに気づくことができる。
たとえ駅が新しくなっても、学校の体制が大きく変化しても、入り浸っていた店がなくなっても、僕らがそこにいた事実は変わらない。変わらないまま続いていく。僕らの記憶をそこに残したまま2024年は始まってまた終わっていくんだ。
全ての曲がり角にこびりついた記憶たちと一緒に年をとっていきたい。

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