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記事一覧
【小説】偽幸の追求:「覚醒」part3
「今日は糸井田先生はお休みなので急遽自習にします」
『よっしゃ!』
「各自大人しくしておく様にな」
「大丈夫ですよ、今日はうるさい遠藤もいないんで」
「そうだな」
1
2
3
4日間
静かな自習時間は続いた
days1
その晩クラス全員の携帯に正体不明のメールが届いた
【小説】偽幸の追求:「覚醒」part2
おい、あいつの次は誰になると思う?」
「絶対俺は嫌だ、精神病棟に行くくらいなら
死んだ方がマシだね」
「まじで
あいつと同じクラスになってから何人目だよ」
「俺この前聞いたんだけど
あいつ中学の時から
相当やばかったらしいよ」
「一年の時もやばかったもんねー」
「誰か助けてやればいいのにな」
「じゃあお前が行けば?」
「冗談だって、そんなことしたら終わりだよ」
恐怖は簡単に腐らせる
醜
【小説】偽幸の追求:「覚醒」part1
3年が経ち高校に入った
私は全てを観ていた
「おい、今度は誰にする?」
「いやー誰でもいいけどよ
あいつとかいいんじゃね」
「あー〈ーー〉ねー」
「あいつはリアクションがイマイチだからなぁ」
「オサムっちは誰がいいと思う?」
「俺は正直鳴けばなんでもいいよ」
「お前性格わっっる」
「そんな褒めんなって
おら!!」
「いっっっ、やめて!
えん…どうく
うっっ」
笑いと悲鳴が絶えない
ごく
【小説】偽幸の追求:「発端」part4
持ち物と戸締りを入念に確認し
春の家へと向かう
目的地に近づき、路地裏の角を曲がる時
取り乱した春と再会した
「〈ーー君〉!!」
「春! お父さんは?」
「さっき家を出たばっかりで!
もう来ちゃう!
どこかに隠れないと!
私が〈ーー君〉とのことを言わなかったら!!」
少し考える
とにかく時間が…
「そうだ、とりあえず僕のうちに来て!」
「うん…っ!!!」
「春!そこにいたのか!!!
【小説】偽幸の追求:「発端」part3
彼女の部屋には
いわゆる《女の子らしい》感じはなく
酷く殺風景だった。
しばらくお互い携帯を触ったりして
適当に過ごしていた。
いつの間にか雨も止んでおり、
時計は21時を指していた
そろそろ帰ろうかと帰り支度をしていると
「今日はもう泊まってったら?」
「でもそれは流石に申し訳ないよ」
「もう遅いし、道も濡れてて危ないし…
今日はお父さん帰ってこないらしいから」
「うーん、どうしよう
【小説】偽幸の追求:「発端」part2
ある日いつもの様に一緒に帰っていると
急にバケツをひっくり返した様な
夕立が降り出してきた。
「すっごい…だね!!」
「すごい何?!!」
「雨すごいね!!」
「そうだね!!」
「〈ーー君〉!とりあえず着いてきて!」
「え! うん!」
何が何だかわからず
雨の打ち付ける中
無我夢中で彼女の背を追っていく
少しずつ足の疲労も相まって走れなくなってきた
酸欠で目も霞み出した頃
目の前の背中はピ
【小説】偽幸の追求:「発端」part1
「私がその時仲が良かった人がいました。
部活がお互い終わる時間が一緒だったので
よく話しながら一緒に帰っていたんです。
ある時いつもと同じように話していると、彼女
の携帯が鳴り同時に体が震え始めたのです」
「ごめんね〈ーー君〉
今日はお父さんが迎えに来てるの」
「春ちゃんのお父さんかぁ会ってみたいな」
「うーん”いつか”ね、じゃあまた明日ね」
「うんまたね」
別れる時のその背中は酷く
【小説】偽幸の追求:プロローグ
ケース13
『私は12人を手に掛けました』
右手には輝くような螺旋階段
左手にはグツグツと煮えたぎり見てるだけでも汗を掻くような
マグマに落ちる洞穴
まさに今私は裁かれているのだ
死ぬ前にはさぞかし恐ろしい存在に会うんだろうと思っていたが
そこには長身でスーツの似合う白髪の紳士がいるだけだった
名札の置かれた大きなデスク越しに会話する。
「閻王様、私は地獄に落ちるのでしょうか」
「閻王..