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コミュニケーションが苦手な、コミュニケーション専門家。

この半年くらい、お仕事やイベント活動をご一緒させていただいている方がいる。

「よさがみえるラボ」の代表、チイさん。

先日チイさんのこの記事を読んで、あることが心に湧いてきた。

それを今日ここに記しておこうと思う。



W H A T


何を思ったか。

「私は、コミュニケーションが苦手で、大好きだ。」


そう。
コミュニケーション専門家として活動してるくせに、コミュニケーションが苦手なのだ。


W H Y


コミュニケーションが苦手なのは、なんでだろう?


ふと、10代の頃の家族の様子がよみがえる。
そこには、父と母、そして兄がいた。


父はいつも不機嫌で、思い通りにならないとすぐに声を荒げた。
仕事の愚痴こそ少なかったものの、「〜のせいで俺は怒ってるんだ」と、母のしたことや家の中のこと、全てに怒りのスイッチが存在していた。

母はそれを黙ってやり過ごし、後で一人で泣いていることが多かった。


兄は夜になると恋人と電話をし、2時間でも3時間でも、電話口で怒鳴っていた。

負けじと彼女も言い返していたようで、兄は「てめえ、ぶっ殺すぞ!」という、まるで反社のようなやりとりを“毎晩“続けていたのだ。
(誇張ではない。母は、ご近所に通報されないかも酷く気にしていた)

私は毎晩耳栓をし、本を読んで自分の世界に籠った。
耐えるしか、方法を知らなかった。


だからか、私にとって「感情を表に出す」ことは、とても攻撃的なことだった。


私は「言ったところで現状は変わらない」という精神が身についていたのか、中学で無理やり学級委員をやらされた時も、不満を言えなかった。

前に立って司会をしたり、まとめたり。
死ぬほど嫌いな仕事だけど、数十分だし、なんとか耐えていた。


いや、耐えていたと思っていたけど、気づいた時には円形脱毛ができていた。

休み時間の度に鏡の前に行き、ハゲが見えないように髪が結べているか、チェックしていたのを覚えてる。
それもまた、苦痛で仕方がなかった。


そして高校時代。

家では父と兄の口論が多くなって、私は自分の無力さにどんどん嫌気がさすようになった。

今度は、拒食症になった。
一番ひどい時は、身長169cmで32kgだった。

よく今日まで生きてきた。自分に拍手。


W H O


誰と、どんなコミュニケーションを取りたいのか?


私は、今も昔も人付き合いがごく少ない。
もちろん、ご近所、ママ友、一般的な関わりはできるのだけど。

でも深く付き合えるのは、ごく限られた人とだけだ。

最近、その限られた人には共通点があることに気づいた。
ごく自然な、コミュニケーションに丁寧さがある人だ。


小学生のころ、交換日記が好きだった。

大人になってメールが主流になってからも、親友と7年ほど文通をしていた。


口から発する言葉は時に、攻撃性をはらんでしまう。
それに、後から「もっと違う言葉で言いたかった」と思うこともある。

だから直接話すときは、緊張したりふわふわしてしまう。


だけど文字として書けば、納得いくまで言葉を探して、遡って、丁寧に受け止め合えるのが好きだ。


だから結婚した後も、たとえ家族として一緒に住んでても、手紙を書いて伝えることも多かった。

口から発する言葉では伝わらない思いが、文面にはのせられるような気がする。

でも残念ながら、家族には「何言いたいのかわかんない」「手紙書かれてもめんどくさいだけなんだけど」と言われていた。
(理由は色々あるが、のちに離婚した)


だからきっと、その「書く」という手間ひまをいとわない人や、丁寧にコミュニケーションを取る過程そのものに安心できるのだと思う。


安心できるコミュニケーションを増やす挑戦。


もちろん今はNVCというスキルを学んでいるから、「どんな言葉も攻撃ではなく大事なことが隠れている」ことに気づいているのだけど。

だけどそれでも、ひどく緊張することはある。

私の取りたいコミュニケーションって厄介なんだなと落ち込んだこともある。


でもそれは、私がそれだけ「安心」や「コミュニケーション」「心地よさ」を大事にしている証拠なのだとも、思う。


そしてようやく、今は私のコミュニケーションを好きと言ってくれる人たちに囲まれている。


【追記】
この記事を書くにあたって、私の中におそれや心配の感情が起こったことも残しておく。

だって、「この専門家にサポートしてもらうの、ほんとに大丈夫?」と不安になるお母さんがいるかもしれないから。

でもこうやって、「コミュニケーションが苦手」だった私が、NVCで息子との関係を良くすることができたから。コミュニケーションが大好きと言えるようになったから。

だからあなたも、絶対に大丈夫。

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