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「ジャズ歴40年の素人によるフリージャズ入門」

お疲れ様です。

今日は予告通りフリージャズ入門です。

と、ここまで書いてアレですが、よく考えたらそんなに詳しいわけではなかった。

フリージャズ、というか、山下洋輔が好きだったのですね。

あとは、アルバート・アイラーや、オーネット・コールマン、そしてフリー期のコルトレーンを少し聴いたくらい。

なのになぜフリージャズを語ろうかと思ったかと言いますと、私が初めて聴いたジャズはフリージャズだったのです。

厳密には、父がアート・ブレイキーやクリフォード・ブラウンのLPを少し持っていたので、聴いたことはあります。

でも、夢中になって聴いた初めてのジャズはフリージャズでした。

普通はモダンジャズ辺りから聴き始めるのでしょうね。

何故フリージャズ、というか山下洋輔を聴き始めたのかというと、筒井康隆の影響です。

高校時代の私は筒井康隆に心酔してました。

筒井のエッセイを読むと、山下洋輔という人物が出てくる。

彼はピアニストなのですが、エッセイも書き、それが面白いという。

「ツツイスト」としては読むしかないじゃ無いですか。

で、買いましたよ。山下洋輔の「ピアニストを笑え!」を。

さあ、読むとこれが面白い。

主に、彼のトリオの欧州ツアーの話が中心なのですが、とにかく面白い。

やはり文章は「才能」ですね。

本もレコードも、繰り返し楽しむ私としては何度も読みました。

そうするうちに、もともと音楽好き、ジャズにも興味を持っていたので彼のトリオ演奏を聴きたくなったのです。

ところが当時はYouTubeやサブスクなんか無いので、レコードを買うか、FM放送で聴くか、あとはジャズ喫茶で聴くか、でしたね。

ところがFMではやはりなかなかフリージャズは放送しない。

ジャズ喫茶も高校生の私には敷居が高い。

レコードを買えば良いのですが、高校時代の小遣いが5,000円、当時のレコードは大抵2,500ですからなかなか厳しい。

すると、たまたまなんですが、夜のテレビで坂田明トリオのライブ演奏の一部を放映していたのです。

坂田明というのはアルトサックス奏者で、第二期山下洋輔トリオに在籍していました。

それは勿論知っていましたので、観たわけです。

すると、まあ彼の演奏を知っている人なら分かるでしょうが、延々とフリーキートーンでメロディ・和音・リズム全てがフリーの演奏にやや戸惑いました。

「わぁ」って感じですね。

あ、ここでフリージャズの定義ですが

①旋律がフリー

②和音がフリー

③リズムがフリー

つまり音楽の三大要素、「メロディ、ハーモニー、リズム」がフリー なんです。

これに加えてサックスなんかはフリーキートーン、つまり、フラジオ音域でハーモニクス(重音)とグロウルが一緒になったような音で演奏されることが多いです。

因みに坂田明トリオの演奏、今から思うとテーマの部分を放映せず、途中のアドリブの部分を流したので余計「わぁ」と感じたのですね。

それでも何故か耳に残り、また聴きたいなあ、と思ったのです。

悩んでもしょうがないので、満を辞して山下洋輔トリオのレコードを買いましたよ。

買ったレコード屋は名駅や栄のレコード屋ではなく、なんと地元のレコード屋。

こんな田舎のレコード屋にフリージャズのレコードなんか無いだろう、と思っていたのですが、なんとあったのです。

早速買いました。

買ったのは、トップ画像の「キアズマ」です。ライブです。


まあ、ぶっ飛びました。

山下洋輔トリオの演奏パターンは(敢えて言うと)単純です。

https://youtu.be/AJxaB5BKwKs

テーマの前に、テーマ演奏を促すドラムのフィルイン、全員ユニゾンでテーマ、サックスソロ、ドラムフィルイン、全員ユニゾンでテーマ、ピアノソロ、フィルインの後テーマがあったりなかったりでドラムソロ、フィルイン、テーマ、こんな感じです。

サックスソロの途中からテーマに移行せずにピアノソロになる、とかバリエーションは勿論色々ありますが、基本はこれです。

まあこればかりは、聴いてみなければ分からないと思います。

とにかくスリリングなのです。

ソロがフリーに混沌としていく中で、だんだん演奏がまとまっていき、ドラムのフィルインを合図に全員ユニゾンのテーマに移る様はまさに様式美でした。

余談ですが、当時は「(いい意味で)無茶苦茶」と感じていた坂田明のアルトソロ、いま改めて聴くと意外とメロディアスな事に気づきます。

まあ、とにかく山下洋輔トリオの演奏、スイングしまくりです。

そうです、フリージャズにもフリージャズなりのスイングがあるのです。

ジャズのスイングと言うと4ビート(3/4も便宜上「4ビート」と呼ぶ)、つまりドラムのハイハットとウッドベースの4ビートランニングに乗せて、ピアノやギターの和音が重なり、それにホーンセクション群がのっかっていく・・・・と言うイメージがあるかもしれませんが、フリーのリズムでも「スイング」はするのです。

ああ、なんか「フリージャズ入門」というよりは「山下洋輔トリオ」の紹介みたいになりましたね。

先に書いた通り実はあまりフリージャズに詳しくないので(笑)仕方ありません。

阿部薫も最近初めて聴いたくらいですし。

まあ今日はこんなところで。

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次回は「初音ミクさんとの思い出」について書きます。

それではまた更新しますので宜しくお願い致します。

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