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いつかの接客(セット販売頑張ろう編)

セット販売とは
一人のお客様に複数買っていただけるようにするということ。

この場合、
・単価の安いインナーを必ずおススメする
・ストール、バックなど小物を必ずおススメする
など、何をおススメするかを事前に決めておいて
すべてのお客様に同じものを同じようにご紹介する方法も
実践で、徹底的に行えば効果的ではありますが、

これは、あくまで
最後の最後の最後の(しつこい)
「さらにもう一枚」の場合であって

何より大切でプラス今後につながる売り方は、
「お客様に似合うものをコーディネートでおススメする事」です。

なーんだ。そんな当たり前の事を今更って思いますよね。

でもその当たり前のことが、なかなかできていない方が
多いのが現実。

では、どうしたらいいのか?

「お客様に似合うものをコーディネートでおススメする」為に
必要なのは
まず、お客様をしっかり観察することから始めます。

お客様が帰られた後、
今のお客様、どんな方だった?と聞いたとき
「ご自宅が近く」
「お仕事をされている」
「今日は、アウターを探して」など
お客様との会話の内容は話せても

どんな髪型でどんな顔立ちでどんなスタイルか?
肩幅は広いのか、なで肩か、いかり肩か?
足の形は?真っすぐ?O脚ぎみ?

ウエストとヒップの差は?
どんな靴を履いていて、どんなバックを持っていた?
アクセサリーはどのような物だったか?お財布の色は?

などなどなど。
詳細に答えられる販売員は
少ないように思います。

答えられたとしても

背が高い。ウエストが何センチ。サイズはM。

ぐらいでしょうか。

ヒアリングで得られる情報は限られています。
特に初めてのお客様だと、
質問されても
気軽に言えないことがたくさんあります。

気に入らなくても、どこが気に入らないかが言えない。

ですから、しっかりお客様を見るところからはじめてみませんか?


こんなやりとり、思い当たりませんか?

お客様が商品を手に取ったその瞬間
売りたい気持ちが先走り
「こちらの商品は・・・」と
お客様を見ずに
手にとられた商品ばかりを見つめて、
笑顔で一生懸命、商品説明を始める。
説明が終わると、沈黙。
あわてて、お客様にヒアリング。
試着をおススメしてみるものの
「もう少し、回ってきます」と
お店を出られてしまう・・・。


商品の説明は、まずはお客様が必要な情報だけで。

「誰のための説明なのか」
「何のための説明なのか」

考えた時、やっぱりそれはお客様の為ですよね。

お客様が何より知りたいことって
何でしょう?

それは、
「その商品が、自分に似合うか?」ではないでしょうか。

だから
お客様をしっかり見て、
お客様がその商品を着ていただいた場合
どうなのか?を
想像して商品説明をしてみませんか?

「今年トレンドのお色ですよ」
「素材はリネンになります」
「このパンツはラインがきれいなのです」

これをお客様が着ていただくことを想定してお話しすると

「お客様の肌を明るく見せてくれる色ですよね。ラッキーな事に今年のトレンド色でもあるのですよ」
「ナチュラル感のあるリネン素材は、お客様の雰囲気に合いそうですね。」
「こちらの商品はお客様のほっそりしたひざ下をよりきれいに見せてくれそうです。」

ぐっと、商品に興味がわきませんか?

それは、「商品」ではなく「お客様」が主人公になったからです。

ある日、私が接客したお客様。
肩幅がしっかりしていて、がっちりした骨格。
ボートネックのブラウスを手に取られました。
しかしながら、ボートネックはどちらかというと
肩幅の狭い、華奢な方にお似合いです。


なので、
お客様が気に入られた商品を説明するときに
一緒にベストをお持ちして
「こちらのベストと一緒に着ていただくと、さらに素敵に見えますよ。
背中のラインも気にならなくてとっても重宝します。
それに、こういったブラウスやTシャツにも使えるので一枚あると便利ですよ。」と
Ⅴネックのブラウスや、丸首のTシャツ二点を一緒にご紹介しました。
肩がしっかり有る方は、Ⅴネックや首の詰まっていないTシャツが似合うんですよね。
ちなみに、ブラウスは肩のラインが少し落ちたデザインの物。
肩のラインがしっかり出ない方が、いかり肩が目立ちません。
羽織にベストをお持ちしたのも、
定番のカーディガンだと、より肩のラインが目立つと思ったからです。
すこし、日焼けした色のお肌でしたので、通常だと明るい色をおすすめしてしまいがちですが、このお客様の場合お顔の肌質がすこしツヤ感の強く、頬の赤みが濃かったので、ブルー系で頬のテカリを抑えたほうがより素敵に見えそうだったのと、
お手持ちのバックが、ブルー系だったので、ブルーはお好きな色なのかな?と
ブルーを基本にそれに合うコーディネートをチョイス。

結果的に、最初に見られていたボートネックは購入されませんでしたが
お持ちしたベスト、Tシャツ二点、ブラウスに合わせて
ボトム、パーカー、シャツ二点、インナーにキャミソール。
合わせて9点お買い上げになり
「今日、あなたがいてくれて本当に良かった。」と
お客様から喜んでいただけました。

この時、最初に手に取られたボートネックのブラウスの良さを
一生懸命説明して
結果的に、お客様に購入していただけたとしても
ここまでセットで購入していただけたかわかりません。

実は、接客の途中で
「(最初に見られたボートネックのブラウスよりも、)私はこちらの商品の方が首元のラインがすっきり見えていいと思いますよ。」とはっきり言ってしまいましたし。(でも、基本はお客様が着たいものをより素敵に着てもらえるようにするのが一番だと思っています)

なんでも似合うのであればいいのですが
やはり、人によって似合う物、似合わないものがあります。
それを見極めて、
お客様におススメすることで
「自分だけなら絶対選ばなかったけど、おススメされて着てみたらすごく良かった」という、感動や感激を伝えることができます。
また、それを着こなすための
コーディネートで購入していただけるようにすることで
さらに、満足度がアップするのです。

特に自分だけなら選ばないような商品を買っていただいた場合、
それを、現在のお客様のワードローブで着こなすのは
とても大変です。
「明日の出勤が楽しみになる」
「明日の旅行が楽しみになる」
そのためには、
「明日すぐに着られる」ように
してあげることが
何よりも、お客様の為なのです。

お客様にたくさん売ることに
罪悪感を抱く販売員さんが少なくありませんが、

お客様をしっかり見て、
お客様に似合うものをおススメできている自信があれば
たくさんの商品をお客様に売ることに対して、
変な「罪悪感」が湧くことはないのです。

ではどうしたら、お客様に満足いただけるコーディネートができるのか?

それには
商品一点一点に対して
「これはどういうお客様が似合うかな?」という想像と
実際に着ていただいて、似合ったお客様のデーターを合わせながら
お客様の体系別コーディネートを何パターンか事前に作っておき、
自分自身が試着してみて、資料には表れない
デザインの特徴や、素材感を「商品知識」として持っておくことを

とにかく日々、行う事。

また、カラーや素材、デザインの知識を
基礎に持っておくと、
コーディネートの幅が格段に広がります。

また接客時では、最後に必ず心の中で
「このお客様に似合う物で、ご紹介できなかったものはなかったか?」と
自分自身に聞いてみます。
それで、なにも無ければお会計に。
せっかく来ていただいたお客様に、ご紹介し忘れる物があるなんて申し訳ないからです。


あるバイヤーさんから言われたのですが
「売る販売員さんは常に商品を触っていて、とても商品を愛している。」

自信がある販売員さんは、キラキラしています。
その自信は、だれかが作ってくれるのではなく
自分自身の日々の商品に対する愛情と
接客したお客様から頂く言葉で作られます。

どこの誰よりも、商品を触り商品の事をわかっていて愛しているから
お客様に似合うものがわかるし、
自信を持ってお渡しできるコーディネートを作ることができるんだろうなあと思います。
そして、お客様はそんなキラキラした販売員さんから接客されたいのではないかなあと。

商品を手に取っていただいたお客様に
その商品をより素敵に着ていただけるにはどうしたらいいか?
そして、それだけではなく
その商品以外に、「お客様に似合う」商品は何か?
それが即座に思い描けるようになれば
自然とセット率は上がっていきますよ。

たくさん買っていただくことで
お客様の満足度を上げることができるような
セット販売をしませんか?

そして、お客様から
「あのコーディネートをすすめてくれてありがとう」と言われる
キラキラした販売員に一緒になりましょうー!!

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