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「マインドフルネス」を探す旅へ~  #一週目   

 皆さんは、「マインドフルネス」というのをご存じでしょうか? ここ10年ほどで、日本でも流行りだし、心理臨床の世界でもメジャーな概念になりつつあるものです。

 マインドフルネスな体験とか、五感を使って今、ここにあるものを感じることで気付きを得るとか、呼吸法や瞑想、マインドフルネスの入り口になるようなワークなどなど、部分的なものは、私も知っています。しかし、改めて、マインドフルネスって何? どういうこと? と問われると、そこまでしっかりとした回答が出来ません。その時々の瞬間的なものは、こういうのがマインドフルネスだろうというのがあっても、マインドフルネスの境地や自分の役に立つほどには、理解も深くなく身についていないのが実情です。
 
 私自身のカウンセリングでは、マインドフルネスをメインに取り入れることはありませんが、良く知らないままというのも、もったいないなと思っていました。

 そんななか、この7月8月という夏休みのタイミングで講習を行うことをしり、なかなか本格的に体験する機会が今まで無かったマインドフルネスストレス低減法(MBSR)の8週間プログラムを受講することにしました。夏休みなら普段よりも時間を作りやすいと思ったのです。8週間あれば、少しはマインドフルネスが分かるかもしれません。

 ということで、これから毎週1回、8週にわたり、このコラム「心たちのすることは #番外編 」として体験記を載せていく予定です。皆さんも、このコラムを通して、「マインドフルネス」とはなんぞや?という私の旅にお付き合いいただければ幸いです。

 因みに今回は、みこと心理臨床処のホームページでも相互にリンクをしていただいているTochigi Mindfulness & Counseling Takibi のMBSRプログラムにオンラインで参加させていただいています。
 
 マインドフルネスストレス低減法(MBSR)って何だろう? と思われる方も多いと思います。詳しい説明は、Takibi さんのホームページに譲るとして、私の理解の範囲で簡単に説明すると、瞑想やヨガを通じて、現在「いま」の瞬間に意識を集中させる方法を学ぶプログラムです。この「いま」の状態に気づくこと、「ありのまま」を大事にすることで、うまくストレスと付き合えるようになるというものです。セルフケアの要素が大きいものだそうなのです。
 
 このプログラムは、一週間に1回2時間半のオンラインセッションと、1日45分程度の宿題(ホームワーク)で、構成されています。

 この2行が結構なパワーワードでして、こんなに毎日ちゃんと、時間が取れるのだろうか? というやや恐怖にも近い気持ちで、数日悩んだのですが、最近のストレスフルで時間をうまく使えていない日常に対して何かヒントになるものが見つかるかもしれないと思い、参加を決心しました。
 
 今回は、その8週間講習の初回セッションと、ホームワーク1週間を続けたところまでの体験記です。
 
  #1回目のセッション
 
 ちょっと緊張気味で参加しました。仕事帰りの夜ということもあり、私自身の体調はいまひとつです。それでも、講師の方から穏やかにマインドフルネスの説明を受け、ボディスキャン瞑想や、レーズンを使ったワークを行ってみると、なかなか新鮮で面白い気付きに溢れていました。普段では、なかなかこんな時間をかけて自分の身体の部分に意識を向けたりしませんし、レーズンをじっくりと味わうこともしません。さらに体験しその時感じたことを、参加者同士でシェアしていくと、また新しい発見があります。
 
 初のマインドフルネスセッション体験の雑感をいくつか。
 
 たまたま涼しい日だったこともあり、窓を開けて参加していたのですが、外から通行人の話声が聞こえてきて、瞑想中にそちらに注意を持っていかれてしまいました。家の中では、家族が生活していますので生活音も聞こえます。生活音に関してはいつものことなので、そこまで気にはなりませんでしたが…。次からは窓を閉めよう…と心に決めました。

 セッションが終わった後は、心のテンションが穏やかというか、凪のような感覚が残りました。開始前から感じていた体調の悪さが、終了後に感じられなくなり、楽しみで参加してみたもののやはり、緊張していたようだと気づきました。体調の悪さは疲れだけではなく、緊張からくるものだったようです。

 やはり、グループで行ってお互いの感じたことをシェアすることは、楽しいです。自分の思ったことだけではない色々な視点や気づきや、共感がありました。

 これからの8週間が、ちょっと楽しみになる余韻を残した1日目でした。

 さて、ホームワークです。

 ホームワークもいくつかあり、メインは「ボディスキャン瞑想」。セッションの中でもやりました。これを毎日45分ほど行います。あとは、マインドフルネスに食事を味わってみたり、ワークを通して気付きを深めてみたり…。

 私は、45分の瞑想時間を就寝前にとることにしました。

このため、今まで自宅で何となく過ごしていた時間を1時間ほど意識して早めました。結果的には、何となく疲れたな―と思いながらPCやスマホなどをいじる時間を削った感じです。

 今までは、何をするにも時間も気力も足りないなと思っていましたが、意外と時間は作れました。しかも、そこまで辛くありません。むしろ意識をしてやるべきことはこなすので、宿題を実行するまでの時間がテンポよく過ぎました。8週間が終わっても、何となくこの夜の時間をうまく使えそうな気分になります。ただ、これは今まで私が何となく消えてくような時間を過ごしていたからで、物理的に忙しいとなると時間の捻出は難しいかもしれないなと思いました。

 瞑想は、慣れてくると意識がふと、どこかに飛んでしまいます。寝落ちることは無かったと思うのですが、ちょうど眠ってしまう前の意識が半分自動的に揺蕩う感じに、思考が流れていくような感覚になります。そんなこんなで、一週間の宿題の中で、最初から最後まで意識を保ち続けられたのは1回だけでした…。
 
 最後に、意外と難しいのが、マインドフルネスな食事。いま、ここにある目の前にあるものを5感を使いながらじっくりと味わうこと。日常生活への応用です。特に食事など、そんなゆっくり味わってというのを忘れてしまったり、時間が無かったり。いかに、毎日特に意識しないで自分は食事をしているのかということに気づきます。味を感じて食べていないとか、テレビ見ていて上の空とか言うわけでは無いのです。でも、そのものに意識を向けながら、食べるという行為を改めてするというのは、案外難しいという。この気づきも面白いものでした。

 
 と、長くなりましたが。第一週目の体験記はここまでです。第2週目の体験記は、また来週に。
              (K.N)

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