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はじめまして。 mikotoと申します。 不倫とは、家族とは、愛するとは、守るとは、生…

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はじめまして。 mikotoと申します。 不倫とは、家族とは、愛するとは、守るとは、生きるとは。 不倫離婚経験者です。 どうぞよろしくお願いいたします。

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  • エンターテイナー・ストリート

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    甘野充プロデュースの共同運営マガジン「エンターテイナー・ストリート」です。  共同運営マガジンは、みんなで作るマガジンです。  小説、詩、エッセイ、絵、音楽、動画など、想像力と創造力あふれるアートやエンターテイメント作品をnoteで公開している人たちが集まって、作品を披露する場となります。  参加すると、自分の記事を共同運営マガジンに追加することができるようになります。  たくさんの人に自分の作品を読んでもらえるチャンスです。  参加費は無料です。  参加希望の方はトップ記事へコメントお願いします。 ルールは以下です。 ・投稿は自分の記事だけにしてください。 ・投稿は当日投稿の記事のみにしてください。  (過去記事は投稿しないでください) ・タイトル、タイトル画像、説明文は変更しないでください。 ※ 創作と関係のない記事は削除しますのでご了承のほどお願いします。 甘野充

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はじめまして

はじめまして。 mikotoと申します。 小説を書いています。 私は裁判離婚の経験者です。 一番信頼していた人に裏切られ、心のどこか一部が死にました。 今は普通に暮らせるし、笑えるし、ポジテイブにもなれますが、残念ながら死んでしまった心の欠片は未だに生き返りません。 たぶん、今後も生き返ることはないでしょう。 もちろん、お相手だけが悪いなんて思っていません。 当然、私にも至らないところがあったからこうなったと思っています。 裏切るということは、私が考えていたより何十倍も大

    • 蒼色の月 #140 「俺が行く①」

      大学の2次試験まであと6日。 受験時のホテルは、大学周辺のホテルは取れなくて、電車を使わなくてはならず乗り換えもある。 時間にすれば、大したことはないのだが。 田舎者の私たちにとって、東京の電車は全くわからない。 前日下見が必要だ。 そんなことを考えていた矢先のこと。 夫の弁護士から電話が来た。 「奥さんですか?」 「はい。そうですが…。いったいなんのご用ですか?もう調停は終わりましたよね」 「はい。調停のことではありません。今回お電話したのは、旦那さんからの伝言があ

      • 蒼色の月 #139 「ボタン(回想)」

        二人が知り合った大学時代から、夫は友人が少ない人だった。 義父の事務所に就職してからは、その少ない友人とも疎遠になり、友と呼べる人がいなくなった。 誰かに飲みに誘われることもなく、遊びに誘われることもなく。 社員達とも、仕事の付き合いだけで仲良くすることが出来ず。 唯一の遊びのゴルフは、義父が義父の友人と行くゴルフに着いて行くだけ。 夫の生活はそんなものだった。 私も、友達が多い方ではないが、子供達のクラスの役員をしたり、学校行事や町内行事に参加したり、普通に生活しているだ

        • 蒼色の月 #138 「アパート探し④」

          翌日になっても夫からの連絡はなかった。 「それでいいよ」 その一言がもらえれば、それだけでいいのに。 私が、わざと高い物件を借り、少しでも夫の負担を増やしてやろうなんて考えてるとでも思っているのか。 他人に悪いことをする人は、他人も自分に悪いことをしてくると思う。 私だって悠真は学生で、親の世話になって都会暮らしをするのだから、慎ましく身の丈に合ったアパートで、奨学金を借りバイトもし生活してもらいたいと思っている。 そうでなければならないと、思っている。 それにはこのアパ

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        記事

          蒼色の月 #137 「アパート探し③」

          悠真の大学のアパートについて、私は夫にメールをした。 「悠真の大学のアパート探しの件ですが、良い物件が見つかりました。1DK〇万円です。家具家電付きです。格安物件です。仮押さえできるので今のうちにしたいと思います。お返事ください。よろしくお願いします。 麗子」 しかし、返事は来なかった。 裁判所で、進学について私と連絡を取り合うと約束したのに。 やっぱりか。 あの人はこういう人。 和也くんのところは既に仮押さえしたという。 めったにない、安くていい物件で、尚且つ同じ高校か

          蒼色の月 #137 「アパート探し③」

          蒼色の月 #136 「アパート探し②」

          悠真と話をした翌日、私は和也くんのお母さんと話をした。 「うちはね、こんな良い物件押さえていた方がいいって、旦那ともそういう話になって。取り敢えず仮押さえしようと思ってるの。悠真くんのところはどうする?和也も悠真くんが同じアパートなら、心強いって言ってるから良かったら一緒に手続きしない?」 東京に行ってまで、地元の友達とつるまなくても。 私もそんな思いがないわけではない。 しかし2ヶ月後、知り合いの一人もいない都会に我が子を一人送り出す親としては、できるものならそうしてや

          蒼色の月 #136 「アパート探し②」

          蒼色の月 #136 「勘違い(回想)」

          夫が家を出る前のこと。 その頃はまだ、私は夫の不倫を少しも疑ってもいなかった。 夫が所長になりたてで生活も変わり、夫も私も初めてづくしになにかと気ぜわしい日々だった。 夫という人は、子供達の入学式、卒業式、授業参観、部活の保護者会の集まり、クラス行事等々、仕事が忙しいと言っては出席したことがない。いや、15年間、子供3人で2回くらいはあったか。 何度も出るように言っても応じない夫。 不満に思いつつも、しかたがないなと最終的にはそれを許してきた私もだいぶ悪かったなと今は思う。

          蒼色の月 #136 「勘違い(回想)」

          蒼色の月 #135 「アパート探し①」

          最後の調停で、夫は悠真の大学進学の費用を出すと約束した。 こちらから、一覧にしたもの全て進学費用として認めると言った。 それが、私がICレコーダーを切り札として出したからでなく、父親として息子を思ってのことだったら、どんなに良かったことだろう。 結城弁護士が言った。 「今回の離婚調停は不調でした。ですから離婚にはなりません。進学費用の約束も取れて何よりです。いつか離婚する時に、子供達に対して悪意の遺棄が疑われるようなことをしていると、後々不利になるということもご主人は弁護

          蒼色の月 #135 「アパート探し①」

          蒼色の月 #134 「私のミス」

          長い間私を悩ませた、長男悠真の進学費用問題。 夫から起こされた離婚調停の場を借りて、私はそれを解決することができた。最良の結果で。 夫の不倫騒動が起きてから、こんなにほっとした日はなかった。 しかし、この出来事が起きたのは、皮肉にもまさにその日のことだった。 もっとも、私がこの出来事を聞かされるのは、それからずいぶん後のことになるのだが。 私は、離婚調停不成立のまさにその日、人生最大のミスをした。 「ただいま」長女美織が帰宅した。 なんだか咳が出て、念のため部活を休んで

          蒼色の月 #134 「私のミス」

          蒼色の月 #133 「離婚調停不成立③」

          私が今日目標としてきたもの、全て夫に了解させることができた。 「それでは、休憩を挟んで裁判官同席の元、お話がありますので一旦待合室の方でお待ちください」 調停委員がそう言った。 私は結城弁護士と持ち合い室に戻った。 「麗子さん、頑張りましたね」 「先生、これで長男を希望の大学に送り出してやることが出来ます…ありがとうございました!」 あんなにはっきりと、言いたいことが言えたのは、結城弁護士との綿密な打ち合わせと、先生の後押しがあったからだ。 先生が私を信じて、私に思

          蒼色の月 #133 「離婚調停不成立③」

          蒼色の月 #132 「離婚調停不成立②」

          「はい…わかりました」 やった。 夫がやっと出すと言った。 この一言を聞くために、私はどれだけ気をもみながら長い時間待ったことだろう。これで悠真を、希望通りの大学に進学させてやれる。 それだけではない。 悠真に進学費用を出すということは、続く2人も何年後か進学の時、出してくれと主張しやすくなる。この件はその道を拓いたことになる。 やっとここまで来ることができたのだ。 しかし、私の役目はこれでは終わらないのだ。 「すみません。いいですか?」と私。 「はい、どうぞ」と調停

          蒼色の月 #132 「離婚調停不成立②」

          蒼色の月 #131 「離婚調停不成立①」

          「旦那さん、お子さんと進学の約束をされたというのは本当なんですか?」調停委員が再度聞く。 調停委員の顔つきから、裁判所側ではそこが大事な点らしい。 「旦那さん?」と調停委員。 真っ赤な顔で私を睨む夫。 「先生はなんと聞いてるんですか?」 調停委員は夫の弁護士にそう尋ねた。 「え?私ですか?私はですね。えーと…」 「なんと聞いてらっしゃるんですか?」再度調停委員。 「えーとですね。その件についてはですね。えーと…」 「聞いていないんですか?」 「はい…その…あの

          蒼色の月 #131 「離婚調停不成立①」

          蒼色の月 #130 「第三回離婚調停⑤」

          調停は夫とは別室で、実際に顔を合わせなくてもいいと聞いていた。 しかし、いつまでたってもらちが明かない夫の態度に、急遽体面で調停が行われることになった。 まさか体面になろうとは、想像もしていなかった私。 本当は夫になど会いたくもない。 でも引き返せない。 いや、引き返さない。 悠真の進学費用を勝ち取るまでは。 コツコツと廊下に響く私と結城弁護士の靴音。 きっと違う部屋でも、別の調停が行われているはずなのに、まるでその建物には私たちしかいないかのように物音ひとつしない。 調

          蒼色の月 #130 「第三回離婚調停⑤」

          蒼色の月 #129 「第三回離婚調停④」

          つい勢いで「夫と対面でお願いします」と言ってしまった。 考えただけでも息が詰まる。 できれば、そんな恐ろしいことはしたくない。 不倫してからの夫は、暴言、無視、敬語、間接的暴力、兵糧攻め等々ありとあらゆるモラハラ、パワハラを私にした人だから。 でも、このまま別室での調停を続けて「返事は次回で」などと言われたらもう間に合わない。 今は一月半ば。 次調停があるとすれば2月半ばか3月頭。 仮に長男が大学に合格しても、入学手続き期限がが過ぎてから、お金を出すなんて言われても遅いのだ。

          蒼色の月 #129 「第三回離婚調停④」

          蒼色の月 #128 「第三回離婚調停③」

          待合室に戻っても、私の怒りは治まらなかった。 いったい実の息子をなんだと思っているのか。 なぜ実の息子の将来を閉ざすようなことを、平気で出来るのか。 無いお金を出せと言っているわけではないのだ。 出せるお金はあるのに。 それが私にはどうしても許せない。 「先生…先ほどはすみませんでした…」 「なにがですか?」 「隣に先生がいてくださってるのに、私つい感情的になってあんなふうに一人で先走ってしまって…」 「そんなことないですよ。麗子さんの調停なんですから、麗子さんがおっ

          蒼色の月 #128 「第三回離婚調停③」

          蒼色の月 #127 「第三回離婚調停②」

          いよいよ、3回目の調停の開始時刻。 まずは夫側が調停室に呼ばれた。 私は相手方待合室で呼ばれるのを待つ。 「麗子さん、ところで、長男さんのセンター試験はいかがでしたか?」と結城弁護士。 「はい。おかげさまで、まずまずの出来だったと本人が言っています」 「そうでしたか。それは良かった。まずは安心ですね」 「はい。だから私はどうしても、夫から進学費用を出してもらわないといけないんです」 「わかっています。私も最善を尽くしますから」 結城弁護士の凛とした目が光る。 それ

          蒼色の月 #127 「第三回離婚調停②」