夢に出てきた旦那の話
旦那が死んでしまってからもうすぐ2年が経つ。何勝手に死んでんだ、バカヤロウ。おじいさんになってもジャンプ読むんだって笑ってたじゃんか。長生きは嫌だけど、死ぬのは同じぐらいがいいねって言ってたじゃんか。
そういつもいつも頭から離れないせいか、気候の変化かは分からないが、昨日の夢に旦那が出てきた。
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何だか爽やかに笑っている。プールの端に座って旦那と私で膝下だけ水面にバシャバシャと浸かって、話していた。
「元気そうだね。死んだ人に言う言葉に適切かどうか分からないけど。」と私が言うと、何やら言いづらそうに旦那が言った。
「報告したい事があってさ。俺、こっちで結婚したの。タイの子なんだ。紹介するよ。」
とタイ人と思しき女の人がやってきて、旦那の横に座り、旦那と腕を組んでニコニコしている。
「は?」
意味わからないんですけど。死んでそっちの世界で結婚したからご報告って何?しかもタイ人って何?
裏切られたような腹の立つ気持ちになると、プールが泡風呂のようになり、タイ人の女の人が持っていたスマホが泡風呂の中に落ちた。
そしてそれを見た私は、とっさに泡風呂のプールの中に潜り、目も開けられない、息も出来ない状態で(夢なのに)スマホを見つけて拾い上げて旦那に渡した。
すると旦那は、私にお礼も言わず、タイ女とスマホが無事かどうか、電源が入るかどうかを気にしている。急にものすごく腹が立った私は、
「楽しく過ごしてるみたいで良かったね!お幸せに!!」と叫んでその場から去ろうとすると、旦那が、
「お前も楽しく生きろよー」と軽々と言った。
その一言で文字どおりブチ切れた私は
「ふざけんじゃねーよ!勝手にさっさと死んでおいて後に残された私のツラさなんか1ミリも分かってねーだろ!これからどうやって私ひとりでじじばばの面倒をみて、娘を育てていけっていうんだよ!社宅を追い出されて、あんたと一緒に買い揃えた家具や、あんたの服や、あんたの漫画全部ひとりで処分する気持ちが分かるか?手続きの電話をかけると、都合のいい時間はいつですか?お仕事はされてますか?って聞かれるんだよ。旦那が死んだら馬車馬のように働かないと責められるのかよ!おい、神様がいるならさ、今すぐ私を殺せよ!あー、死んでやる!私はあんたが死んでしまってからずっとずっと私の方が先に死にたかったって思ってたんだよ、バカヤロウ!」
と叫んで泡風呂プールの中に潜った。
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そしてそこで目が醒めた。朝方だった。
同じ部屋で寝ている娘が
「ねー。うるさいー。寝言でなんかゴニョニョゴニョニョウーウー叫ぶの辞めてよー。」と言った。
寝言で叫んでたのか。
そして、掌が痛かった。寝ている間に自分で自分の掌を引っ掻いていたようで、血が滲んでいる。怖いなぁ。小さい頃から寝てる間に歯ぎしりをする癖もあるようで歯医者さんに作ってもらったマウスピースを着けて寝ていたが、そのマウスピースも2ヶ月ぐらで破けてしまう位だった。「何かと戦って食いしばっていますね」と言われた。(笑)
寝ている間って無意識だから、私の無意識は本当に真っ暗闇なんだなと実感する。
目が醒めてからも、旦那に対しての怒りが湧いてきた。死んだ人に対して言ってはいけないような気がしてずっとずっと我慢していた自分の本心を夢の中ででも本人にぶつけてやったからちょっとはスッキリしたわ。
無意識に寝ている時にぶつける相手のいない怒りを夢の中でも直接言ってストレス解消してるのかもしれない。でも出張でタイによく行っていたから、本当にあの世で結婚したのかも。(笑)
何だか猛烈にムカついた結果、過去は過去として、私は私で何か楽しいことを見つけて今を生きて死ぬまでの暇つぶしをすればいいか……と開き直った話。
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