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私の好きな伊坂幸太郎作品をご紹介①

伊坂幸太郎さんの作品が好きで、発売されると必ず読んでいます。
映像化されている作品も多く、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

2024年7月時点で、すでに40作品を超えており、短編から長編まで、平和な話から物騒な話まで、色々なテイストの作品があります。

どの作品も言葉選びが面白く、ふふっと笑ってしまうのですが、何よりも伏線回収がすごい!
それはさながら「アハ体験」のようです。
(最近あまり脳トレとか聞かなくなりましたね…)

話のテンポも良く、感情の押しつけがましさがないので、疲れているときも楽しく読むことができます。

そこで今回は、私の独断と偏見による『好きな作品』をご紹介します。
好きな作品が多くて、この記事だけに全然収まらないので、とりあえず第一弾です。
殺し屋シリーズや、大好きな黒澤さんが出てくる作品は、別の記事でご紹介する予定です。

ちなみに紹介している順番は、私の好きな順番ではなく、思いついた順番ですので、あしからず。


ゴールデンスランバー

これは映画化されたり、直木賞候補にもなっていたので、「伊坂幸太郎と言えばこの本!」という方も多いと思います。
疾走感にあふれており、ハラハラドキドキする作品です。

本作は「事件のはじまり → 事件の視聴者 → 事件から二十年後 → 事件 → 事件から3ヶ月後」の順番で記載されています。

冤罪系はかわいそうで見ていられなくて苦手なのですが、「事件から二十年後」の章が早い段階で記載されているので、ドキドキしながらも安心して読むことができます。

そして「事件」の章を読みだすと、「あれあれ?」と、何度も何度も「事件の視聴者」「事件から二十年後」を読み返してしまいます。

最後の章はどの話も心に「じーん」ときます。
特に両親のもとに届く手紙は涙が出ます。お見事です。

アイネクライネナハトムジーク

本作は伊坂幸太郎さんには珍しい恋愛ものの作品で、日常を舞台とした様々な「出会い」と「奇跡」が詰まった6編の連作短編集です。

恋愛ものではありますが、恋愛要素はあっさりしており、軽快でテンポが良く、読んでいて楽しい本です。
登場人物が短編間でつながっているので、「あれ?この人ってさっきの話に出てた人だ!」という楽しさもあります。

読後は幸せな気分になれるので、疲れているときや、読書したいけど重い内容はちょっと…というときも気軽に手に取れます。

どの短編も好きなのですが、一番好きな作品は「ルックスライク」です。
父親を疎ましく思う息子の話なのですが、読み進めたときに「そういうことだったんだ!」という展開で、すごく楽しめました。

チルドレン

2005年に本屋大賞5位をとっており、映画化もされています。
家裁調査官の陣内さんのまわりで起こる、日常のちょっとした事件の短編集です。

家裁調査官というと、非行少年・少女の心の闇に向き合う重い話や、更生して感動する話なのではと思いますが、全然そんな小説ではないです。
きれいに伏線回収もされ、軽快な文章で、楽しく読めます。

「レトリーバー」に出てくる「善意を押し付けてきた夫人」に対する陣内さんの言葉にはハッとさせられます。

ちなみに続編『サブマリン』は長編です。
途中までちょっと悲しい気分になりますが、最後には読んでる人の心が救われると思うので、是非最後まで読んでみてください。

砂漠

本作は直木賞候補にも選ばれた作品です。
時間も自由も持て余した大学生だからこその他愛のない日常と、一歩踏み出す主人公達の青春小説で、大学時代のキラキラ感を思い出します。
(私自身は、別段キラキラした大学生活は送っていませんでしたが…)

作中に出てくる西嶋の言葉がすごくいいです。
捨てられた犬のエピソードは、実際にあったら無鉄砲すぎるけど、その行動力はうらやましくもあります。

そして何より本作で印象に残るのは「仲間」という存在。
大人になればなるほど自分のことばっかり考えて、仲間のことなんて考えなくなったような気がします。

もし今大学生の方がいたら、「意味のないことに時間を費やし、仲間のために行動できる」というかけがえのない時間を、大切に大切に過ごして欲しいなと思わせてくれる一冊です。

終末のフール

8年後に小惑星が衝突し地球は滅亡する、と宣言されて早5年。
強奪や暴動など人々のパニックもひと通り落ち着き、残された日々を穏やかに過ごす住民たちの8つの話からなる短編集です。

もちろん、パニックが落ち着くまでには色々なことがあったわけで、みんなが平和に暮らせていたわけではありません。
それでも、どこか『希望』を感じさせる作品ばかりです。

『太陽のシール』、『冬眠のガール』、『深海のポール』が私のお気に入りです。さりげない言葉の中に、幸せとは何かを考えさせてくれるヒントがあります。

ちなみに、みなさんはもし地球が滅亡するとしたらどうしますか?
とりあえず仕事は辞めるとしても、絶望でパニックになるのか、変わらず穏やかに暮らすのか・・・

きっと私は周りに流されてパニックに陥り、家に引きこもりそうですが、本作に出てくる『キャプテン』のように、他人のために何かできる人になりたいものです。


というわけで、まずは何度も読んでいるおすすめ作品5作品をご紹介しました。どれも面白いので、是非読んでみてください!

第二弾の記事はこちら ↓



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