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よわよわ作家とつよつよ編集さん 15

15 ロゴ入れ装丁まで来たようです


 ようやく表紙が完成し、あとは待つだけ……となった月初め。
 この間、ロゴ装丁を担当してくれる編集さんが別の方に変わったという知らせを受けました。

ロゴ装丁の担当編集・舎野さん(仮名)
「お疲れ様です! 須束さんから引き継ぎまして、本作の装丁デザインのディレクションを担当いたします、舎野です。よろしくお願いします!」

みつき「はい、よろしくお願いします!」


 今さらながらですが、出版社さんっていろんな人がかかわってるのだなぁと思います。担当編集さん一人だけだと思ってたら、ぜんぜんそんなことなくて。
 舎野さんとも面識はないので、「どんな人かな?」と興味を持ちつつの、スタートです。


 装丁というのは、飾りつけですね。タイトル文字も含めて、表紙のお化粧をする工程です。ここは、デザイナーさんに「気楽におまかせ~♪」って思っていたんですが……。


 数日後。米田さんから、意外なことを聞かれました。


米田さん「これからロゴを作るにあたって、みつきさんにお聞きしたいことがあります。
 この作品の本文を書かれた際、【作品のコンセプト・テーマ】は設定されていましたか? もしくは、完成してからコンセプトやテーマが見えた……ということはありますか?


みつき「…………え?( ゚Д゚)」


 なにやら難しいことを聞かれました。ロゴ入れと作品テーマ、コンセプトがどうつながるのでしょうか。もしかして宣伝コピーまでを考えてくださる、ということでしょうか。

米田さん「こちらはあくまでロゴ・装丁デザインをする際に、あると参考になるというものになります。そのため特に考えていなかった、という回答でも大丈夫です」


 なるほどです。
 表紙のロゴの雰囲気を、作品に合わせてくれるために聞いてくれているのですね。
 たしかに、絵と合わせてロゴは貴重な情報……。(になるのだと思われます)。
 そこまで気を遣って丁寧に創ることが、出版のお仕事なのかもしれません。予想以上にたいへんなお仕事だなーって思います。感謝です。


 とはいえ、絵に続いてロゴの知識も私にはほとんどありません。
 タイトルが読者様に伝わればいいんじゃないですか? と、単純に考えてしまいがちな私は、本当にそういうセンスが無いのだと思います。


 そんなわけで、実際のところ、
「特にないです。なにも考えずに楽しく書きました」……というのが正直な答えでして。

 ただそう言ってしまうと、自らペラペラな人間性を表明してしまうため、少しだけ見栄を張ることにしました。(まだ米田さんにバレてないことを祈る)


みつき
「(コホン)そ、そうですね……。この作品のコンセプトは『千手を持つ猫の癒し』です。それは主人公にとって、世間から自分を守るものであり、また、周囲を欺くための必要な道具なため、『こんな風に守られた空間で静かに癒されたい』という願望が自分の中から出たものと思います。

 けれど、親しくなる人が増えるにつれて、その手が足りなくなり、本当に癒すためには道具を放すしかないという事実に直面したことで、人(主人公)は変わらざるを得ない……。その部分がテーマなのかな、と思います。 ただこれだと、内容が真面目過ぎるため、『主人公を中心としたラブコメファンタジーの面白さ』でいいのでは、と思ったりもします」


米田さん
「わかりました。ありがとうございます。また、『こういうロゴ・装丁デザインをイメージしている』というベンチマーク作品はありますか? もしありましたら、こちらも教えていただければと思います。特になければ、こちらにおまかせ、ということでも問題ありません」


みつき
「表紙の文字やレイアウトについては、おまかせしたいです。あと、『こうしてほしい』というまでの強いお願いではないのですが、文字の一部分がくるっとしているのは可愛いなと思います。もちろん、都合にあわなかったら却下してくださって大丈夫です」


 以上、ロゴ装丁の話し合いでした。



+++


 この間、実は校正についてのやりとりがあったのですが、少々書けない部分もあるので、赤入れからの修正作業は割愛します。
 米田さん曰く、校正は総力戦とのことなので、私自身も最終〆切近くまで修正してました。


「打ち合わせ」でいえば、ここまでが「落ち着いてできた打ち合わせ」だったなぁと思います。

 もうすぐ発売予定日。
 装丁をしてくれる方はすでに決まっていので、予定通りにいけるのかな? という思いで毎日、連絡を待ちました。
 ところが。


みつき「おかしい……米田さんからの連絡がまったくない……」


 待てども待てども、連絡はなし。
 なんだか、嫌な予感がしてきました。

 

>16へ続きます

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