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一枚の作品が完成するまでー京都の展示「Anne」

ちょっと前の話ですが、京都に展示した作品のことを。

先日、京都のGallery G-77というギャラリーで開催されたグループ展「FIRST STEP EXHIBITION」にて作品を展示しました。

作品を展示するのは今回が2回目。

ちなみに初めて作品を展示したのは、昨年のNYでした。


普段私は「ポートレート」をテーマに絵を描いています。「人の顔」です。

NYでは、自分の顔、自画像を描きました。

2回目の作品展示となる今回、私が描く対象に決めたのはとある本の主人公。

私が中学生の頃から愛してやまない『赤毛のアン』です。

展示となると、いつもに増して気合が入ります。

そのため、気持ちを乗せられる対象を選ぶというのがまず大事なことなんです。

中学生の頃から、愛してやまず、私の心の支えであった『赤毛のアン』は、是非とも描いてみたい対象でした。


絵を描く前に

さて、私はいきなりは描き始めません。

その前に、描く対象をじっくり観察します。

あるいは対象と自分との関係を改めて考えてみます。

今回は、『赤毛のアン』を読み返すところからスタートしました

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約8年ぶりに読み返す『赤毛のアン』。

当時15歳だった私は、自分の姿をアンに重ねては、彼女と彼女を取り巻く世界で起こる展開に、彼女と同じように喜怒哀楽していました。

当時家と学校だけの小さな世界で、様々に悩んだり、腹を立てたり、窮屈に感じたりしていた私にとって、彼女と出会えたことは、かなり大きなことでした。

そんなことを思い出しながら、どんなアンを描こうか、思いを巡らせていきます。


孤独な戦い

まず初期の絵がこちら。

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明るく、快活なアンを描きたかったのですが、何かが違う。。

顔にもっとフォーカスしよう。


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横顔を切り取ってみようか。


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いや横顔だと表情に力を込めにくい。ちょっと角度変更。


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違うなあ。。


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悪くないか。

新たに購入してきた、鮮やかなピンクと淡いグリーンがいいコントラストを出してくれている。


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顔の向きはこっちの方が落ち着くかな?

けど、なんか石みたいに硬直している。。


人生の歓喜はだれよりも激しく喜び、逆に、人生の悲劇はどん底まで悲しむ、感受性豊かなアン。

美しいものを愛し、夢見るように、人生を切り開いてゆくアン。

描きたいアンのイメージは頭にありましたが、それをどう紙の上に表現するべきか、ひたすら模索です。

頭の中のイメージをさっとアウトプットできてしまうアーティストもいるんだろうけど、私にはまだできない(;_;)


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顔の角度はこれだ。

ただ紙が縦長すぎた。

アンに宿る強さ、美しさが、中途半端にカットされてしまっている気がする。


この、下絵を描くだけでも2時間以上かかってしまうのですが、もう一度描き直し。

昔からの性格で、妥協が何処かにあると、ダメなのです。


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あ、これだ。

これはアンだ、という気がする。


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いい感じ。


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アンの表情、顔の角度、目線、口元の加減、着せる服、背景のタッチ、色合い、鮮明に各部分とぼかす部分のバランス、、私なりに一つ一つ、丁寧に検討し、ようやく完成

締め切りギリギリでした。


いざ会場へ

人生2度目の作品展示。

かなり熱が入っていたので、フルオーダーで額装してもらいました。

あの絵はちゃんとした額に入れてあげたい!

そして、こんなのも作ってみました。

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いい感じ♪


そして京都の会場へ。

ありました!

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今回嬉しかったのは、SNSを通して私の展示を知ってくれた友達が何人もみにきてくれたことです。

中には高校卒業以来連絡を取り合っていなかった子まで。

わざわざ時間をとって足を運んでくれたことが、そしてぞれぞれ私の絵から何かを感じて帰ってくれたことが、とっっっても嬉しかった。。

本当にありがとう。

私としても、NYでの展示の時の作品より数倍パワーアップした絵が描けたと思って、少し自信になりました。

今後も引き続き、ポートレートを極めていきます。




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