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我慢は誰の得にもならない

自衛隊の処遇について、こちらの放送を聞いて、心底驚きました。


話されていた自衛隊の現状をいくつか記載します。

・昨年度の自衛隊候補生、採用計画数に対し、採用人数は43%にしか満たなかった。
・自衛隊候補生の初任給は151,100円。最低賃金並み。
候補生を3ヶ月後勤めて正式な自衛官になっても198,800円にしか上がらない。これは残業込みの金額のため、残業を超過でしていてもその費用は受け取れない。
・定年が54〜57歳と早いが、その後の就職紹介は1回しか受けられない。
・戦中や戦後すぐに建設された施設が未だに多く使われており、エアコンもほとんど設置されていなく、水場も古すぎる。(やっと改善中)
・独身者の宿舎に個室がなかった。(やっと改善中)
・災害派遣時の超過勤務手当は3,240円。
・備品等、日常使うものが古く、使い勝手が悪い。そのため、私費で購入している事例が多くある。

放送より一部を要約

国を護る仕事に就いている人に、あまりにも我慢をさせ過ぎだと思いませんか。
人材が集まらなくなって改善の方向に向きつつありますが、もっと早い時期に、計画的な改善が必要だという意見は出なかったのでしょうか。
どうしようもない状況にならないと変えていけない状況、日本には往往にしてあるように見えます。


我慢をするのが当たり前。
それ以上に、我慢しているという自覚を持たずに頑張りすぎる状況が多いのは、そもそもの基準が厳しすぎるのではないかと思います。


よく、高齢者が言う「昔に比べたらよくなった」と言う言葉。
昔が基準になっています。
「昔に比べたらよくなっているんだから、それくらい我慢すべき」ということを含んで言われていることが度々あります。


働き方については、全ての人が業務時間内に終わるのが本来の姿のはずです。
それができなくなった時は、見直しのチャンス、のはずです。
残業が当たり前、残業できない人が認められない、という見方はそれ自体が間違っていないでしょうか。


ブラック企業や、過労の労災の報道を見聞きしても、どうしてそんな働き方を我慢しなければならなかったのか、と疑問に感じます。
「そうするのが当たり前」という我慢を強いる体質を当たり前と思わされている。
誰のためになっているのでしょうか。
我慢をさせた側は、一時的には得をしたとしても、長期で見たら有能な人材を失い、社会の信用を失います。
日本にある「我慢は美徳」ということわざ、これ、もう葬った方がいいのではないか、と思っています。


自衛隊は、施設改善のために、多くの費用が一時期に必要にならざるをえなくなり、隊員の給与面の処遇改善にはまだしばらく時間がかかりそうです。
我慢をしていると、結果的には多くの費用が必要となり、人材にも歪みが生じてしまいかねない、そんな日本の体質について考える機会を、この放送からいただきました。






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