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靴と指先や足裏の痛み

愛知県のKさんが奥様の足の痛みでご相談を下さいました。
「30数年前に外反母趾にかかり、靴を履くと痛いようです。足に合っているようだと思っても履いているうちに足のうらや指先が痛くなったりするようで、どんな靴がいいのか悩んでいます」―外反母趾と指先の痛み…どんな関係があるのでしょう?

外反母趾は母趾のつけ根の関節が「亜脱臼」を起こした状態です。その発症原因は
①足に合っていない靴を履き続けたこと
②加齢による骨格の変化
③遺伝的素因 などが挙げられます。そして原因はどうあれ発症後に合わない靴を履き続ければ症状が悪化することがあるので、気をつけたいですね。

誤った靴選びで起こる更なるトラブル

外反母趾の足は上から見下ろすと足幅(母趾と小指を結ぶ直線)が広く見えます。靴を履いた時この足幅が痛いと辛いので、幅の広い靴を選ぼうとします。すると本来履くべき大きさのサイズより一回り二回り大き目の靴を履くことになります。さて、靴の幅はこれで解決したように見えますが、靴のサイズはタテに余裕をとり過ぎていることになります。靴の天井周辺にも余分な「すきま」が存在し、足が留まるべきところで留まっていないことになります。かかとに余裕があり過ぎると歩くたびにプカプカします。つま先に空間が多すぎても足が上がりにくくつまずきやすくなります。さらにヒモ靴タイプのデザインのひもをゆるく締めっぱなしにしておくと足は靴の前方向に滑りこんで行きます。この状態で履き続けると靴の内壁に指があたるので指先は丸まってきます。この時痛みを伴うことがあるためさらに指先(ゆびのおなか辺り)に力を入れて踏ん張ると痛みが増幅してしまいます。
また、靴は一般的に幅の広い位置からつま先に向かって、やや細めにまとめたデザインになっています。靴の中で足が前滑りすることで靴の両壁で指全体が圧迫されることになります。この圧迫で、外反母趾が進行することもあります。
さて、足には片方に大小28個の骨が関節でつながっています。外反母趾を発症した足は母趾のつけ根の関節だけでなく足を取り巻く多くの関節に影響が出ていることがあります。特に足幅部を支える「ヨコアーチ」が崩れやすくなっていると足裏の指のつけ根が痛くなったり、中敷きと足裏の摩擦や圧迫で皮膚が角質化してタコやウオノメができやすくなります。

足に合った靴を正しく履く習慣を身につけましょう

Kさんの奥様の足を観察するとこうした諸々の原因が浮かんできました。ご説明しながら靴合わせをし、試し歩きをされると「痛くないなぁ…」心地よさ半分・不思議さ半分のご様子でした。足にフィットした履き心地に納得されたようでした。ご主人も奥様の様子を見て一安心されたようです。
靴は適正なサイズやデザインを選び中敷きや甲革を調節することで、よりその方の足に合った状態に近づけることができます。但し、履き方を誤ると心地よいフィット感を得られないし痛みの軽減を図る効果も得られないことがあります。靴に足を入れたら足と靴のカカトを床で「トントン」と合わせ、ヒモやベルトなど固定具があればしっかり留めたりしばったりする習慣を着けましょう。快適に歩けるだけでなく、症状を進行させないためにもぜひ実行したいですね。

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