【1000の日々】859/1000

カウントダウン850番台。急に気持ちがピリッとする。ここのところ目先の課題＝2ヶ月後に開幕の展覧会実務がよくも悪くも楽しいので、それをこなすだけでよくも悪くも大満足してしまう。複雑な心地。

チラシのデザイン案が決まる。
当初は3案あった。個人的にはこれだよねというものはあったが、自分のエゴはそのへんに捨てて館内中のスタッフにひたすら意見を聞いてまわると3案それぞれにほぼ同じ数の票が入る。選んだ／選ばなかった理由も聞き、それらのコメントを凝縮させて見えてくるそれぞれの案の具体的な問題点をじっくり集約し、問題点の性質を鑑みて、自分の「これだよね」候補はその時点で捨てる。

残り2案の修正の方向性をデザイナーに慎重に伝える。修正後の2案はもはや甲乙つけ難く、どちらになっても自分は全く後悔がないレベルになっている。再度館内中のスタッフの意見を求める。しかし今度は不思議にあまり意見が割れない。担当者のエゴ出して決めてもいいんじゃないですか、ご自身の展覧会なんだしとみなさんに言ってもらう。でも今の自分はもうエゴ通すことに別に興味ないんだよと返すが、ごくかすかな心の動きをキャッチして、こっち、というのを決める。たまたまというべきか、多くのスタッフがいいと言った方だった。

多数決で決めたいと思っていたわけではないし、最後に日和ったのでもない。たぶんやりたかったことは、たくさんの人の「こっちかなあ」が出てくるまでの間合い、それぞれの感覚を探っているささやかな真剣な瞬間そのものにたくさん立ち会って、そこからものを考えること。それ自体だった気がする。みなさんの「こっちかなあ」が出るまでの時間が、2回目だと断然短くなるのが面白く、心地よかった。印象的なプロセスだった。

警備員さんやお掃除のスタッフには聞かなかったな。しまった。

20240711