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ホテル・旅館・ゲストハウスの人に聞いた仕事の話から宿泊業界について調べた


同じ宿泊業でもいくつも種類があります。ホテル・旅館・ゲストハウス・民泊…さらにホテルの中でもラグジュアリーやビジネスホテルなど種類が枝分かれしていきます。

ざっくり宿泊業界で働きたいと考えていても、その違いを知らないとミスマッチに繋がります。今回は

1. ホテル
2. 旅館
3. ゲストハウス

で現在働く人に話をお伺いし、どのような仕事をされているのか、どのような面白さや大変さがあるのかを実際に聞いたので、そのことについて記事にします。さらに、その話から気になったキーワードから宿泊業界の情報を調べました。宿泊業界に興味があるひとの参考になれば嬉しいです。

オープン業務が一番楽しい?調理師からホテルスタッフに転職したKさん

現在、ホテルのスタッフをしているKさんは京都にあるホテルで働いています。電鉄会社が母体の全国各地の遊休不動産を宿泊施設、シェアスペース、飲食、店舗等で構成するシェア型複合ホテルへ再生、運営している会社です。

転職のきっかけは友人からの「ホテルが向いてるのでは?」という一言だそう。私が話を伺った時は新店舗の準備中で「新店舗のオープン業務が好きで新店舗に志願した」と仰っていました。リニューアルの大変さを実感した身としてはめちゃくちゃタフな人だと感じました。ちなみに現在は無事オープンしていて、個人的にめっちゃ行きたいホテルの1つです…

ホテルの運営方法はいくつかあって、私が働いているL&Gグローバルビジネスは清掃やOTAの運用など全て自社で行っていますが、Kさんが勤めている会社は基本的には清掃、OTAの運用を外注しているとのこと。

こういうところも自分がどのような職能や経験を積みたいかによって会社の選び方は変わってきます。

Kさんは京都出身の方なのですが、ホテルで働くようになって初めて自分の住む土地の魅力を発見したと言います。その土地と結びつきが強い宿泊業ならではの気持ちです。

今後Kさんが行っていきたいことの一つが「社外の人との繋がりを作る」です。これは私も同感で、今回の記事のようなことをきっかけに社外の人と話をすることで新たな情報を得られたり、視野が広がったりします。

■ 気になったポイント1 ■
Kさんや、私のように宿泊業への入職率ってどれくらい?

よく、宿泊業は離職率が高いと言われます。事実、平成29年の離職率は30.0%でした。逆にKさんや私のように宿泊業界に入職する率はどうか。これは33.5%です。情報通信業の約10%と比べると3倍の入職率。

たくさん入っては転職してしまう…宿泊業従事者の不足が叫ばれている中、長期的に仕事を行える環境づくりが求められているのが分かる内容です。

出典:
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/18-2/dl/gaikyou.pdf

創業350年。代々続く旅館を継いで働き方のアップデートを図るYさん

九州で旅館を営むYさんは、お会いした時、寿司店で料理の技術、オペレーションを学んでおり、関西にいらっしゃいました。というのも、2019年に全館リニューアルオープンを行う予定で改装工事中のため、営業をストップしているからです。

旅館について知らないことだらけでしたので、Yさんは簡単に旅館業の歴史、移り変わりを教えてくださりました。その移り変わりによって建物の造りが現代とそぐわなくなり全館リニューアルに踏み切りました。

九州にある旅館ということで、都市部のホテルと違い、働く方の年齢層は高いです。お互いどのようにしてゲスト情報の引き継ぎや報連相を行っているかの話になり、自社の説明をしたところ

「そのやり方だと高齢者の方には働くのが難しい人もいるかもしれません。」と。

確かに、効率を求めて運営方法を改善していくことは必要ですが、そこで働く人にとってそれが最適かどうかは別の話です。YさんはAIについて学習をしていたり、最新のアプリケーションを使用できる方です。それでいながら、高齢でITに不慣れな従業員の方々がどうすれば働きやすいかを模索していました。

現在の課題の一つに料理人不足をあげていました。業界的に長時間労働が当たり前で、いわゆる厳しく長い修行期間を経て一人前になる世界で、Yさんは3年かつ1日の勤務時間は8時間で一人前になれるようなプログラムを設計中。これは実現すると本当に素晴らしいことですし、若い世代が旅館で働きたいと思う要素の一つになるのではと感じました。

全国で増え続けるホテルに対して旅館は減少の一途を辿っています。その中でYさんは先進的な取り組みをされており、柔軟な発想の方でした。良い意味で旅館に対するイメージが変化する経験になりました。

■ 気になったポイント2 ■
旅館業の移り変わりとは?今までと現在では何が違うの?

高度経済成長期からバブル期に大きく賑わったのが、社員旅行や団体での旅行を受け入れていた大規模旅館でした。大型バスに大人数を乗せ、4~10名ほどの大部屋。

その人数でも利用できるような大浴場に宴会場。修学旅行の際に1度はそのような旅館に宿泊したことがあるかもしれません。もちろん今でも団体旅行や社員旅行はありますが、個人旅行が国内外の旅行者で増えていっています。

出典:
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kanko_vision/kankotf_dai16/sankou.pdf

そのような時勢の中で今までスタンダードだった大きな作りの旅館は無駄な部分が生じてしまいます。Yさんのリニューアル工事もそういった時代の移り変わりによる需要の変化に対応するためのものです。


旅好きの元IBM社員のHさんが運営するゲストハウスはロジカルなスタッフ教育が凄まじい

大阪の難波でゲストハウスを運営しているHさんは旅好きで、前職のIBMを辞めてから様々な国を巡った後に現在のゲストハウスのマネージャーという仕事につきました。

仕事の内容は、店舗を運営する上で全てのことをマネジメントされています。(サービス設計・館内サインのデザイン・OTA運用・シフト管理・清掃管理等)

ゲストハウスの魅力は「ゲストとの距離の近さ」と仰るHさんですが、運営方法は顧客視点をストイックに追求し社員教育も非常にロジカルでした。

・飲食店やナイトスポットまで詳細に記載された周辺地図(レストランはどの種類の食べ物が提供されるかインフォグラフィックで表記されていて海外の人も分かりやすい!) 
・日本語が全く分からない海外の人が見ても分かりやすいエアコン案内 
・ゲストが使いやすい布団の置き方

など小さなところにも工夫が数多くあり、勉強になりっぱなし。

中でも驚いたのがスタッフ教育です。ある月からOTAでのレビューが悪くなり、Booking.comでのレビューが「8.1」まで下がってしまう結果に。現状の課題と解決策を説明しながらロジカルな考え方、どのように仕事をしてほしいか、どういった経験を積んでほしいかを勉強会方式でスタッフに伝えたところ、翌月には単月平均が「9.1」まで上昇。

実際に宿泊施設を運営していると分かるのですが「9.1」はめっちゃ難しいです。それを実現させたのはすごいです。

■ 気になったポイント3 ■
ゲストハウスで実施された勉強会の内容って?

上記のストーリーを聞くとやはり気になりますよね。なんと!社内用の勉強会資料も快く共有してくださりました。
Hさんが制作した勉強会資料の一部を公開させていただきます!(これは、ほんまに一部・・・)

働くスタッフは学生の方が多いと仰っていましたが、私も学生のうちから知っておきたかった内容ばかりでした。普遍的に求められるロジカルな考え方、顧客視点について指導を徹底しているHさんは素晴らしいマネージャーでした。


話を聞き終えて感じたこと

私自身、昨年の9月に初めて宿泊業で働くことになったのですが、今回、御三方の話を聞き、仕事について共通点と違う点の両方を知ることができました。

ホテルでも運営形式が違えば経験できる仕事が変わってきますし、都心なのか地方なのかによっても一緒に働く人の年齢層が変わってきます。組織の大きさによって裁量が変わってくることもあるでしょう。

でも共通して「ゲストに喜んでほしい、楽しい旅になってほしい」と自身の業務を工夫し情熱を持っている点は変わりませんし、そこを実直にやることが競争の多いこの業界で生き残っていく重要なポイントだよな〜と改めて実感しました。

そして、私がお会いした皆さんは自身の仕事にやりがいを持っていて、ホスピタリティ精神に溢れた方々でした!涙涙
私も同じように、できる範囲で疑問や質問にはお答えしますのでこの記事を読んでくださった方で何か気になることがありましたら連絡くださいませ。

そう!そう!近々、京都のホテルで働いている方で小規模の集まりを開きたいと考えているので興味ある方はTwitterでDMくださいー!シフトが合えば是非!

Kさん、Yさん、Hさん、この度はお忙しい中快く時間をとってくださり、様々な興味深い話をしてくださり、本当にありがとうございました!今後とも仲良くしていただけると幸いです〜〜

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