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ショートショート⑤とか言ってで誤魔化す夜(2020/08/20)

君と連絡を取っていたのが丁度1週間前だから、ああもう7回も1人の夜を過ごしてしまったんだ。
日に日に君と共有した時間が友だちとのLINEに埋もれる。なんでそんな思わせぶりなことするくせに7日も放っておくんだろう。そんなツレないところもそそられるんだけれど。

若い男女が複数人集まって、恋愛の話をしないことなんてあるんだろうか?って思うくらい、そうやって寂しい夜を埋めるよね。まだ青くて悟ってないからそれしか夜を越える方法を知らないんだよ。

「なんか好きかなと思っても、急に距離詰められると逃げたくなるというかなんていうか」
「ああ、それってあんまりガッこられるとハッなってしまう『ガーハーの法則』じゃない?知ってる?」
君との会話はそんなはじまりだったけれど私も東京03が好きでそのネタを知っていたからある程度盛り上がったね。その時も8割くらいのところで「じゃあ今日はこの辺で」ってとか適当なこと言ってお預けにするんだ。そんなずるいところがすごく嫌いですごく好きだった。とかこんなことマカロニえんぴつの聴きすぎかなとか言って、ああ、あんな憂いの中に君と一緒に入れたら、この世界の憂いは私たちのためにあるとか謎に胸を張れるのになあ、こんな取り留めのない悩みも全て君を思う時間だと思えるなら愛おしく思えるのに、そう思うことすら君は許してくれないから、誰でもいいような気がしてしまうんだよ。

全て行動って気がついた時にはもう渦の中にハマっていて、なにもせずともそこに飲み込まれていくしかできないのに、君を思うあまり思考が止まらなくなってしまって、取り留めもない散文で思考を止めるしかなかったことを許してください。

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