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おやしらずを抜いてもらった記録

ほったらかしておいても、それほど問題は感じないけど、たまに厄介なことがある。そんな存在って、ありますよね。例えば……

おやしらず

私の場合、その「おやしらず」は、左下奥に、横向きに生えていました。最初は歯茎の中に埋もれていたのですが、だんだんと顔を出し始めて来て……。そのせいで、隣の歯との間に歯垢がたまりやすくなり、虫歯リスクが高まっていました。

たまに、おやしらず周辺が腫れて、痛くなることもありました。

半年ぐらい前に、「この歯、もし虫歯になったら、健康な隣の歯も失う危険性あるよ」と言われたので、重い腰を持ち上げて、抜いてもらうことにしました。

紹介状をかいてもらって医療センターで

1月11日の、ゾロ目の日に、抜歯にいってきました。

CT画像をとってもらって。(頭のてっぺんから輪切り映像を撮れるやつです)

予約した時間まで、まだあるので、待とうとしていたら「たにしさーん」と呼ばれました。「血圧、はかっといてください」

上 154(くらい)
下 100(くらい)

さらに、看護師さんなのか、歯科助手さんなのか?分からないですが、診察室から出て来た方に呼ばれて、
「前の患者さんが終わっちゃったんで、もう出来ますけど?」

そんなことって、あるんだΣ(゚Д゚)

「血圧がちょっと高いんですけど」と言ってみたところ
「このぐらいなら大丈夫。200とか、あったら問題ですけど」

(漫画「コウノドリ」では、妊婦さんの血圧180は問題視の対象、みたいに書いてあったな……)と思いながら、診察室へ。

オペ室とかではなく、普通の診察室だった。

抜歯じゃなかった

ところで、「抜く」って、どういう行為だと思いますか。わたしは、文字通り、何かしらの器具(ペンチ的な、挟んで抜く系)を使って、引っこ抜くのかと思っていました。

いざ、麻酔を打った後……

キュイーーーーーーーーン……!

えΣ(゚Д゚)

思ってたのと違うΣ(゚Д゚)

キュイーーーーーン……ガリガリガリ……

((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

「ちょっと、口ゆすぎますかー?」「椅子おこしますー」

(思ってたのと違う……思ってたのと違う……)←エンドレス

助手さん「手が震えてますね」そして、私の手を握り「うわ!冷たい!わたしの手が熱いせいもあるかもだけど……」

私「歯医者さんの削る音、苦手で……

だが、しかし!

助手さん「ここで止めた方が、痛いですからね」

もういっそ全身麻酔で、私の世界から音を消してほしい……と、心の中で思いながら、術式の続きを受ける事になりました。

途中で、麻酔を2回ほど追加してもらいました。
そうじゃなければ、痛みと、いつ終わるのか分からない恐怖に耐えられませんでした。

歯を抜くと書いて「抜歯」ですが、実際は、歯を削って、割って、破片にして取り除いているという印象でした。(痛々しい書き方すみません)

抜歯じゃない!これは「採掘」です!!

人の温かみを感じた

おそらく顔面蒼白で、呼吸も忘れてしまいそうな感じで、手などの末端が冷え切って、しかも、ブルブルとチワワかってぐらい震えている。

カルテを見たら、もう中年に差し掛かっている大人。

そんな、私の手を、助手さんが握ってくれてました。あたたかい……。

「大丈夫、大丈夫!深呼吸して!鼻で深呼吸!」

もう、物理的に確認をしておかないと、呼吸を忘れそうなぐらい、1ミリの余裕もない精神状態。なので、胸に手をあてて、胸の動きで自分の呼吸を確認してました。もう必死です。

(はやく……早く抜けろ!この親知らず!粘るな!早く!早く~!!)と、心の中で念じてました。

途中で、ドクターの「ふぅ~……」が聞こえて。局部麻酔なんで、こういうところがありますよね。局所でしたっけ、局部でしたっけ。局部は急所のことでしたかね(忘れた)。

「歯の根っこが2つに分かれてるからね……押しまーす」ぐいっ!

(いたいたいたいたいたいたたいたいたい痛い……)

「あと半分だけですよ?」とドクター。

それを信じるしかない自分。

「はーい、取れましたよー。縫いますね」

(地獄おわた……)

ちなみに、何度か口をゆすぎましたが、麻酔が効いた状態で口をゆすぐと、水をブッとまき散らしちゃうので、「ブクブクしないで、下を向いて、こぼすようにしてね」的なアドバイスをもらいました。

術後のアドバイス

麻酔が効いてる間は、ものを食べるのダメ。それを聞いて、「(麻酔効いてる状態で食べたら)口の中、噛みそう」と思ったまま言ったら、それも理由のひとつとのことでした。

あと、熱いものを飲んでも、熱さを感じないから、火傷する危険もあるそうです。

「もしも、また出血したら、この脱脂綿を丸めてギュっと噛んでくださいね。これ、お守りとして渡しておきます」と、さっき、私の手を握っていてくれた、手の温かい助手さんが、私の手に脱脂綿を握らせてくれたのでした。

やっぱり、手の温かい人でした。

「(抜いた)歯、見ますか?」と聞かれたけど、お断りしました。
(けど、振り返ったら視界に入ってきました。3つぐらいに分かれた、もともと歯だった奴らが……)

その後

薬局にて

抜歯って、ほんとうに大変なんだという認識が広まっているらしく。「お疲れのところ……」と、薬剤師さんから、何度も労わりの言葉を頂きました。

術後に「薬局で、脱脂綿をはずして、もう痛み止めを飲んじゃってください。痛み止めが効き始めるまで、少し時間がかかるんで」と教わっていたので、その通りにしました。

脱脂綿を捨てる用のビニール袋と、ボックスティッシュを貸してもらって、お手洗いで、口から脱脂綿を出しました。

当日の夜

夫に食べるものを買ってきてもらいました。その日は、ふかふかに蒸してもらった肉まんを数口と、プリンを食べて終了しました。

録画しておいたレコ大の「なんでもないよ。」を聞きながら、泣きましたね。いい大人なんですけど。大人だって、怖いと思うことはあるのよ。

翌日

チェインスモーキングという言葉をご存じでしょうか?切れ目なく煙草を吸っている状態です。

そのレベルで、4時間ごとに痛み止めを飲んでいました。そうじゃないと、痛いです。

そして腫れてきました。美容整形の「術前・術後」と言っても過言ではないぐらい、顔の左右が別人になります。

口も開けずらいし、口の中に変な味がするしで、食欲も沸きません。
でも、夫に買ってもらったサンドイッチや、夫がこしらえてくれたお粥など、小動物かというぐらい、ほそぼそと食べました。

リンパ腺が腫れている感じがあり、頬骨や目の上の骨の内側なども、ズンズンとした痛みがありました。(医学知識がないので、想像でしかありませんが、リンパ腺のあたりが痛かったみたいな気がします)

あと、左耳の奥に、ちょっとボワーンとした違和感がありました。

それと、術中によっぽど緊張して、力んでいたのでしょう。

お尻の筋肉が、筋肉痛になっていました。

夜には、食欲がありました。

翌々日

朝、口の中に変な味がし、ちょっと出血しました。

頬の腫れは、少しは引きましたけど、相変わらず、顔の左右が別人です。それと、痛み止めの効果が切れると痛いです。

夜中に痛み止めの効果が切れてしまって、激痛でもだえ苦しむほどではありませんが、痛みを感じました。

そのせいか、いびきを搔いていたようです。(夫に言われました。ごめんなさいでした)

しかし、眠りながらも、自分のイビキが聞こえていたような記憶があります。ほんとうに質の悪い眠りでした。

口が開きにくいため、ぼちぼちとしか食べられません。

その他の気が付いたことなど

よくよく考えたら、今回は「特に虫歯になっているわけでもない、健康な歯」を抜いたのでした。簡単に抜ける訳がありません。

下側の方が、頬が腫れるらしい。

私は以前、左上の「おやしらず」を抜いたこともあり、その時も腫れました。
ですが、今回は、その時の腫れを、はるかに凌駕するほどの腫れ。顔が茄子みたいになりました。

おやしらず抜歯は大変という経験をしている人がたくさんいる事により共感を得やすい

さっきも書いたのですが、「おやしらずの抜歯は大変」。もちろん、おやしらず抜歯より大変なことも、世の中には多々あります。それはそれとして。

抜歯後、癒しを求めて花屋さんに立ち寄りました。そこで、自宅用の花を買い求め、聞かれてもないのに……

「さっき、おやしらず抜いてきて」
「あら!大変!」
「それで、癒しをもとめて花を買いに来ました」
「それはお疲れ様!癒されてね!」

人情を感じた瞬間でもありました。人って、あったけぇ……。

すごく消耗する。

これです。痛みや、怖さと戦う時、けっこう消耗するみたいです。ちゃんと昼ご飯を食べておいて、ほんとうに良かったと思いました。

疲労困憊します。ただ寝転がって、ドクターに委ねているだけかもしれませんが、ものすごく体力を使いました。終わった瞬間、茫然自失でしたね。

痛みは我慢しなくていい

治療中、痛かったら、痛い!と伝えた方がいいです。

わたしは子供時代に虫歯になってしまい、しばらく歯科に通って治療してもらいました。治療は痛かったです。痛かったけど、ガマンしました。

その結果なのか。歯医者の、あの削る音を聞くと、こわいです。大の苦手です。ノイズキャンセリングのテクノロジーで、なんとかしてほしいです。

あの時、「痛い」と伝えれば良いと分かっていたら。もし、麻酔をかけてもらっていたら。

でも、あの「痛さ」を二度と味わいたくなくて、歯磨きをちゃんとやらなくちゃ!という気持ちになったのも確かです。うーん。微妙だ。

諭吉がほぼ1人いなくなった

抜歯後、よれよれになりながら会計にいきました。今どきの大きな病院は、セルフでお会計ができるんですね。

その画面に出た金額を見て、クラッときました。

9890円(保険適用、3割負担)

諭吉がほぼひとり飛んで行った……おやしらずと共に……。

クレジットカードで支払いました。(ポイントが付くから)


以上、おやしらずを抜いた体験でした。

ここまで読んで頂き、ありがとうございます。

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「みんなのフォトギャラリー」に、「まさにこれだね」という絵があったので、お借りしました。




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