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バブル世代のお姉さまが抱いた伝わりにくい乙女心(?)~あゝ無情~

こんばんは。みき☆たにしです。

「あゝ無情」をご存じですか?


知ってる知ってる!ジャンバルジャンのやつ!

知ってる知ってる!教会から銀の食器を盗むやつ!

ミュージカルになってるやつ!ヒュー・ジャックマンが主演で映画になったやつ!


……ではない「あゝ無情」のほう。ほら思い出して。アン・ルイスよ。

バブル……ディスコサウンド……。お立ち台。カクテル!

作詞 湯川れい子 作曲 NOBODY

サ~ングラス♪(フッフ~!)は~ずしたら♪(フッフ~!)な~んにも見えない~♪(フゥ↗フゥ↗フゥ↗フゥ↗)近視だし~♪乱視だし~♪レンズは度入りよ~♪

……なんて、しょうもない替え歌を考えたものだ(わたしだけか)

この曲との出会い

以前の職場でカラオケにいったとき、やたら歌のうまい女性がいて、この歌を熱唱していた。もちろん、その前から歌番組で観たか何かで、知ってはいたし、歌詞を観たら歌える感じではあった。とにかく、有名な歌なのだ。

でも、歌詞が描き出す世界観に、当時のわたしは、いまいち、ピンと来ていなかった。

「サングラス外したら吹き出しちゃうほど あどけない目をしてる あいつに弱いの」とか「裏切りは治らない手錠をかけても」みたいな、ヒドくて魅力的な男に翻弄される気持ちが分からなかった。

翻弄されるなんて面倒!そんな男は願い下げ!と思っていたので('ω')

この歌と再会することになったのは、夫氏と結婚したのがきっかけだ。夫氏の音楽リストに、この曲が入っていたのである。

「あゝ無情」の歌詞がすごい

最近、改めて「あゝ無情」を聞いて、とにかく歌詞の世界観に感動した。

この歌の主人公の女性は、バブル期を謳歌していて、そこそこ美人で、派手で、イケイケなのだ。でもベイビーフェイスな僕ちゃんにコロリといかされてしまった。「逃げていく、夜が明ける頃」という詞があることから、このベイビーフェイスには、他に本命の恋人がいると思われる。

夜には派手めなファッションとケバめなメイクで六本木かいわいに繰り出して、楽しくやっている女。でも、内心では安定を求めている。うまく言えないが、心の奥底には、乙女心があるのだ。「見かけより尽くすタイプね」なんて、さらっと自称しているし、きっとそうだ。


一番すごいなと思った歌詞がこれだ。


「くちびるが悲しみに つまずくたんびに 強がりが出ちゃうけど 本気じゃないのよ」


くちびるが悲しみにつまずく……って、どういう状況なのか、イメージが沸かない。でも、言いたいことはすごく分かる。

唇は会話の象徴であり、キスやあるいはそれ以上の象徴でもあるように思うから、つまり、広い意味でのコミュニケーションがうまくいかず、とにかく悲しみに暮れているのだろう。(このように、言葉で説明しようとすると、とても野暮になる)


そして、次のタイミングでこの歌詞が出てくるのがスゴイ。


「貴方しか欲しくない 1000年先まで 本音を言えば 結婚したい まさか愛してる」


この先1000年、輪廻転生を繰り返したとしても「貴方」しか欲しくないと言っているのだ。こんなダイナミックでロマンティックな、(わたしにとっての)最近の歌で言うなら「1万年と2千年前から愛してる」創聖のアクエリオンとも同等にとれる世界観なのに!……

なんと、この直後に、「本音を言えば結婚したい」と言っているのだ。

急に現実的!

この展開に、わたしはビックリした。でも、これがバブル期のイケイケレディたちの本音なのかもしれない。地味で家庭的な、夫の3歩後ろをついて歩くような旧式の女なんかダサい、そんなふうに肩ひじ張ってても、本当は結婚したいのだ。奥さんになりたいのだ。(想像だけど)


でも結局、この歌に出てくる彼女は、一昔前の言葉を借りるなら、イイ女ぶった「ダメンズウォーカー」なのだろうと思う。「あの人を探しても見えない夜更けは 思い切り おしゃれに酔うの」の件で、それは確信に変わった。

「おしゃれに酔う」って……どういう状況なの。想像はつくけど、ちょっと書かないでおく。


まとめ的な

この歌詞をきちんと読んで(正確に読解できているかは分からないけど)、湯川れい子さんという人の才能のすごさに感嘆した。

「六本木心中」とかも、きちんと読んでみようと思う。


今夜もお付き合いいただき、ありがとうございました!

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