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大学ラグビーをより『深く』知ろう(第2回)〜筑波対明治〜


大学ラグビーも3戦目を終えました。対抗戦グループは、明治、早稲田、帝京が3連勝。11月1日には、昨年の覇者早稲田が、強豪復活の兆しを見せる帝京と早くも激突します。

クボタスピアーズに所属する岸岡智樹選手主宰のラグビーサークル 「岸岡と飲みのラグビーラボ(通称 #トモラボ )」では、観戦歴様々なメンバーで『大学ラグビー座談会』を行なっています。今回はその2回目。

10月18日に行われた明治大学対筑波大学の一戦をテーマに語り合いました。

トークメンバー

《いのこ》
トークのインタビュアー兼参加者。
学生時代に大学ラグビーに親しむ。子育てが一息ついたのを機に観戦再開。
《みきしの》
本記事の編集者兼参加者。
20年位前に社会人ラグビー(現:トップリーグ)からラグビーにはまり、W杯2019は19試合を生観戦。大学ラグビー観戦デビューは2018年で、まだまだ #にわか 。好きなチームは決めかねているが、あえて言えば早稲田大学。
《てん》
大学ラグビーは、3年程前に「飲み目的で」ご主人と一緒に行ったことで観戦デビュー。ご主人の母校である早稲田大学ファン。ルールは覚えられないからこそ、清々しくミーハー観戦に徹する。
《まりえ》
W杯2019でラグビーにハマる。YouTubeで早稲田大学(現・クボタスピアーズ)岸岡くんの試合や好きなラグビー選手の大学時代の試合をいくつか見て存分に感情移入する。ルールはほとんど分からず、最近の楽しみはボールではなくお気に入りの選手を目で追いかけること。大学ラグビーのリアルタイム観戦は初めて。
《トヨノボリ》
50代男性3児の父。
中学時代よりラグビーを観戦、現在は早稲田大学のファンだが、最初は同志社大学ファンであったことは内緒。
プレー経験は大学の授業のみ、文句だけは一人前な典型的親父ラグビーファン。
自慢は息子が小学校時代に参加していたルーパスJrの交流フェスタで、大野均選手にラインアウトリフトしてもらったこと。
今年はコロナで聖地巡礼ができなかった熱狂的カープファンでもあり、小学校時代のあこがれはマルチプレイヤー木下富雄(現焼き鳥店店主)。
《しんさん》
50歳男性独身(×1)。大学在学時に観戦したワセダのラグビーにハマってラグビー観戦を続けること約30年。ワセダのみならずラグビーの「ラ」のつくこと全てと旅行とグルメをこよなく愛する。国際問題、政治を除く社会問題全般、サブカルチャーに薄く広く興味あり。有名人・他人のスキャンダル、ゴシップネタには全く興味なしの会社員。


質問その1:熊谷ラグビー場の様子を教えてください

《マリエ》
観客数がとても少なく、スタッフの見回りもしっかりしていてとても安心感がありました!席間隔やマスクは、とりわけ厳しくチェックされていて、お知り合いと出会い、そのまま近くの席に座ってお喋り〜な方々は見つけ次第すぐさま注意されてました。
徹底した感染症対策がされていて、なんとか最後まで学生たちに試合をさせてあげたい!と関係者全員が尽力している感じが伝わりました。

《みきしの》
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、収容人数25,000人に対してチケット3,000枚と、15%くらいの収容率です。前日までチケットは売り切れるほどの大盛況ですが、座席は隣の人と4席程度開く為、空きが多く見えます。
秩父宮ラグビー場では厳しかった入場などの制限(再入場不可)、自販機の利用禁止が緩和されています。人数制限と入場時の体温チェックを除けば、ほぼ昨年と同様の状態になっています。
場内の販売に加えて場外のスペースにキッチンカーが10店くらいあり、余裕で食事や飲み物を買うことができました。

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《てん》
入場制限は分かるけど、余りにも間引き過ぎ!
熊谷は新しい事もあり、シートやお手洗いに至るまで本当にきれい! ラグビーファンとしてきれいに大切に使って行きたいです。

質問その2:前半終わって12-19の僅差。筑波の良かった点を教えてください。前半の明治についても感想をお聞かせください

《トヨノボリ》
ディフェンスの出足と、特にモールディフェンスがよかったと思います。再三のゴール前のピンチで、ペナルティ無くモールを防いでいました。
少ないチャンスから取り切る決定力も見せましたが、終了間際の被トライが痛かった。12-14で終わりたかったですね。
明治はFWでは予想通り圧倒していましたが、オフェンスもディフェンスも少し受け身になっていたかもしれません。

《しんさん》
筑波のバックスと第三列が素晴らしかったですね。谷山君、植村君、松永君だけでなくキャプテンの岡崎君、ナンバー8の中田君辺りが攻守に切れてました。
明治はスクラムハーフの飯沼君がとてもいいチームリーダーに成長したなぁという印象です。

《マリエ》
筑波はとてもテンポよく攻めていたように見えました。モニターに映らないのでスクラムや反則など何が起こっているか分からない場面がありましたが、素人目線で悪くないのでは?という印象でした。

《みきしの》
明治は、FWを中心にディフェンスが堅く、(後述しますが)筑波の攻撃のスピードがよかったにもかかわらず、しっかり止めていました。ただし「すごくいい」感じに見えなかったのは、攻撃が少し弱いように見えたから、かもしれません。
一方の、筑波はバックスを中心に良く走っていた印象です。CTB他の山選手、WTB植村選手を中心に、攻撃すべきところで出ていました。前週の帝京戦は評価が低かったようですが、「そんなに悪くないじゃん」と感じました。

《てん》
明治に強力に攻められても最後まで攻め切らせはしない筑波DFに燃えました。ミスも目に付いた明治ですが、開始直後のトライや逆転された後すぐに取り返してくる所はさすがでした。

質問その3:この時点での試合予想はどのようなものでしたか

《トヨノボリ》
帝京戦を見ていたので、正直筑波は厳しいなと思いました。

《しんさん》
前半最後に明治が取り切って、筑波の反則がやや多かったので、ここを修正しないと後半は明治ペースかなと思いました。

《マリエ》
最初は筑波もしかして勝てるのでは!?勝って欲しい!!と思って見てましたが、徐々に明治の選手の全身からいける!!という空気が出てきて筑波が明治のペースに呑まれたように見えました。

《みきしの》
明治は強いし、前半最後にも取り切った力がから強いのはわかってい明日が、走って翻弄する筑波を間近で見ていると、この時点では、筑波の逆転もなくはない、と思っていました。

《てん》
地力のある明治がこのまま押し切るとふんでました。

質問その4:後半の筑波の健闘についてどう思われましたか。明治のプレーをどのように思われましたか

《トヨノボリ》
フィジカルの差は、やはりボディブローのように効いてきましたが、筑波、最後まで脚は止まらなかったです。
ラインアウトからのサインプレーは見事でした。
明治は後半ペナルティが増えましたが、先にFWでトライを取ったのは大きかったです。シンビンで14人になった時の明治は揺るがない。大学選手権準決勝の東海戦を思い出しました。

《しんさん》
筑波は攻守にホントに素晴らしかったです。後半は明治を誉めるべきと思いました。

《マリエ》
ハイタックルでシンビンになった瞬間に筑波の全員が同じことを考えたなと感じるプレーでした。素晴らしい攻撃!!そして惜しかった!!
明治は14人の時間を守り切った時に少し余裕が出たように感じました。

《みきしの》
後半も引き続き混戦。後半に入って、筑波のディフェンスもいいな、ともうシーンが増えてきました。そのため、両チームとも攻撃するもゴールラインは許さず、後半は半分を超えるまで得点がとることがない展開でした。
地力は明治の方があるし、テンポもいいのですが、取り切れない というところに、不安を覚えることも。

《てん》
明治に点を取りきらせる事なく20分以上ノースコアで渡り合った所に、今の筑波の強さを見ました。
後半に入ってもミスが見られた明治は、連携がまだ100%じゃないのかなぁと。

質問その5:終わってみれば31-17と、ダブルスコアに近い明治の快勝となりました。勝負の分かれ目はどこにあったと思われますか


《トヨノボリ》
前半終了間際のトライ、そしてシンビン時に受けに回らず点を取られなかったことですかね。

《しんさん》
勝敗は紙一重だと思い、どこがターニングポイントかはわかりません。が、明治は飯沼君始め、キャプテンの箸本君、重松君、片倉君ら去年からの主力が黒子に徹して若いメンバーが動きやすくしている印象を受けました。

《マリエ》
シンビンで決めきれなかった時でしょうか?
ゲーム時間が長いスポーツだけに、モチベーションを保つこと、相手を追いかけ続けること、思うように行かなかった時に気持ちを切り替え自分をコントロールすることはとても難しいと改めて思いました。

《みきしの》
もしもタイミングがあるとすれば、明治のゴールラインでの筑波の反則によるシンビン+認定トライでしょうか。
あとは、ロスタイムに入ってからの両チームの攻撃しては防御する、ボールを奪って攻撃…の中で、明治の底力を感じました。最後まで見ると、やっぱり明治が力で勝ち切った、という印象です。

《てん》
認定トライです。

質問その6:3試合終わりました。全勝の明治の今後をどう予想されますか。筑波は次戦立教、7日早稲田と戦います。どのような展開を期待されますか

《トヨノボリ》
明治は強いです。FWの強さを基に、経験の少ないHBが活き活きしています。箸本君が無理に前掛にならず、黒子に徹しているところが凄い。
逆にFWで互角に近くなった時にどうなるかですね。もっとも、その時には山沢君が復活してそうですが。
早稲田は少しずつ良くなっていますが、帝京戦から中5日で走力のある筑波は正直辛いです。帝京戦で大敗してしまうとズルズルいく可能性がありますので、まずは帝京戦集中です。

《しんさん》
明治はこれから慶応、帝京、早稲田と大一番が続くけど、黄金才能集団として帝京に待ったをかける一番手として期待します。
筑波は今まで強い相手と身体を当てて来た経験がいい形で早稲田戦に表現されることを願います。谷山君とひょっとしたら間に合う伊藤君の1年生対決とか見てみたいです。

《マリエ》
明治はこの勢いのままもっともっと攻撃的なプレーが見たいと思いました!
筑波は今回の試合で確実にファンが増えたと思います!健闘を祈ります!!

《みきしの》
明治は、これから帝京・慶應・早稲田と対抗戦の中でも上位伝統校との戦いが続くので、この勢いでそのまま行けるのか。
筑波は、上位校という意味では早稲田が最後の山場。早稲田戦にピークを持っていきつつ、他はしっかり勝ってほしい。

《てん》
今の明治だと、帝京戦は厳しい可能性が。
筑波vs早稲田の見所は、互いに長所であるバックスをどう活かしてくるか? ハーフ団のゲームコントロール合戦が楽しみ!

対談を終えて

もともとバックスが好きな私は、現地の目の前で見た筑波のCTB・WTBの走りに目を奪われ、「あわよくば、筑波勝つぞ!」と思って観戦していた。
しかし、この対談を通じて観戦ベテランの皆さんには、前半から明治が優勢だったように映っていたことが新鮮だった。

#大学ラグビー応援企画  として、お話を聞くのも回数を重ねてきた。特に今回は「アフターマッチファンクションで意見交換している」ような対談にもなってきた。一人で観戦しているのではない不思議な感覚が、この対談の新しい魅力かもしれない。

(本記事は、クボタスピアーズ岸岡選手の大学ラグビー応援企画に参画する、いのこさんのインタビュー記事を、みきしのが編集しました。)

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