ホリエモンが検察を『悪』と主張する理由

キムタク主演のHeroで注目を浴びた検察官。
日本では起訴(裁判をすすめる)権限を検察が『独占』しています。
検察庁は法務省の組織下にあるのですが、法務大臣が検察官全てを指揮命令できる訳ではありません。
法務大臣は「個々の事件の取調べと処分については検事総長(検察のトップ)のみを指揮することが出来る」と検察庁法にあります。(これは行政の力ですら検事総長の他、つまりトップ以外の検察官は指揮できないということ)
検事総長のみを指揮できる権力を『指揮権』と呼び、指揮権を使うことを『指揮権発動』と言います。
更に指揮権発動に当たっては1954年の『造船疑獄事件』で当時の法務大臣が与党政治家の汚職事件を揉み消した過去があり、その後は世間の目が厳しくなってしまい、簡単には指揮権の発動が出来なくなりました。
法務大臣の微々たる圧力すら受けなくなった検察は、誰に対しても単独で捜査出来る権限を持っており(警察が捜査する場合は、裁判官が発行する令状が必要)、更に『司法取引制度』や『人質司法』を利用して、狙った人物を有罪判決へと追い込むことが出来ます。
これが「検察に睨まれたら終わりだ」と言われる所以。

日本の政治家もこの悪制を理解はしているのですが、検察に睨まれることを恐れてこの件には触れられない(改善出来ない)のです。
政治家には『政治資金規正法』というのがあり、収支報告書にミスがあるだけで違法になります。
つまり検察の悪制を正そうと政治家が動けば、それを良く思わない検察に捜査され、例えミスだとしてもその政治家の報告書に誤りがあった場合や過去に犯した過ちにつけこまれて犯罪者にされるというのです。
実際に検察は冤罪者を大量に作ってしまった黒歴史を持っています。(特別高等警察に責任を被せたのですが。)

同じ司法試験に通った一方の『弁護士』は『加害者や被害者を守る人』であり、他方の『検察官』は『犯罪者を作る人』なのです。
それ故、検察官は悪代官のようにメンタルが相当強くないと出来ないと言われます。

日本の検察は世間で『目立った人物』を単独で捜査し、起訴し、有罪判決へと導くことが出来る。
だからカルロスゴーンやホリエモンのような目立った人から嫌われる存在なのです。

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