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No.014 旅はトラブル / 家具を求めてイタリアに(1)

No.014 旅はトラブル / 家具を求めてイタリアに(1)

四階自宅の改装の話に戻す。椅子やテーブル、ソファなどの購入を考えた。都心のインテリアショップを見て歩いた。メイドインイタリーの家具に触れて、その大胆なデザインと色彩感覚に魅せられた。欧米の有名建築家は家や建物を設計するだけでなく、椅子などの家具なども設計して、それぞれ名前が付けられているのも知った。値段を見て驚いた。椅子やソファなどを揃えたら、車が買える金額になる。それにしても美しいね、由理くんと二人、顔を見合わせてうなづいた。購入は保留、インテリア雑誌などから、もっと研究だね。海外雑誌のコーナーで「Casa Vogue」を買い求める。

ページをめくるたびに、ため息だ。家具って美術という名前を持つ日用品なのですね。雑誌なので、広告も多く載っている。Saporiti、Cassina、Driadeなど家具ブランドの多くがミラノやローマにショップがある。イタリヤ現地での値段を調べると、日本での約三分の一だ。そんなに安いんだ、でも運賃などが高いのだろうな。運送会社に勤める友人に連絡、大雑把な見積もりをしてもらうと、運賃を入れても半額以下で済むことが分かる。イタリアから送るのは、個人でもできるのも確認した。

由理くん、どうする。日本で買う場合との差額で、イアリア旅行できるね。行くに決まってるやん。由理くん、こういう時は関西弁が出るのです。二週間後。急用ができました、お店臨時休業です。初めてのヨーロッパ、果たして家具は無事買えるのか。家具屋さんの住所が書かれた「Casa Vogue」の紙片は、パスポートと同様の扱いだ。我々を乗せたアリタリア航空機はミラノへと向かう。

・・・続く


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