No.053 若き友よ!(1)タカマサくん
No.053 若き友よ!(1)タカマサくん
「オレ、ポテトチップスとか、えびせんあまり食べないんだよなあ〜」
「いいじゃないっすか、小野さん食べなきゃ生徒さんにあげたら」
タカマサくんは、若き友人の一人です。僕のことを「小野さん」と呼びます。僕は相手の年齢に関係なく「しんやさん」と呼ばれるのが好きです。タカマサくんにも出会いの頃伝えたのですが、言うことを聞いてくれなかったのですね。年齢が三回りほど違う(干支で三回り約36歳)のですが、タメ口に近い、微妙に敬語が入っているような感じで、自分の好きなものを勧めてきたり、感想を述べてきます。「小野さん」は彼なりの気遣いなのかな、こちらも慣れさせられました。
マジシャンの集いの一つ、田代茂会長主催「JCMAマジックサークル」で、タカマサくんと出会いました。池袋で月に一度開催されていた会合への初参加の時、若者4人がマジックを見せ合っていました。気軽に近づいて、いつものように老若男女問わず、ナンパです。タカマサくんはそのうちの一人で、高校生でした。話すと家が隣の駅でした。「気が向いたら遊びにおいでよ」「いいんすか〜」
タカマサくんが、テクテクと歩いてこちらの塾に向かってきました。手には大きめなビニール袋を提げています。「小野さん、お土産っす」おっ、意外に気が利いているな。でもな〜「オレ、ポテトチップスとか、えびせんあまり食べないんだよなあ〜」返す言葉が「いいじゃないっすか、小野さん食べなきゃ生徒さんにあげたら」。こちらの性格を読んだような会話に嬉しくなりました。
以来、マイペースで付き合える友人であり、最も多く一緒に外食をしている友人であり、パソコンや電子機器の管理人であり(こちらのパスワード全部かな?知っていますww)、若者文化の水先案内人であり、マジック界のウワサ話相手であるのです。タカマサくんに言わせると、こちらは「なんでか分からないが知り合いが多い、見境いなく人に話しかける人」だ。オイオイ、「見境いなく」は余計だ〜!
タカマサくん、電話してきました。「小野さん、今晩遊び行っていいすか〜」「オレ、仕事終わってメシ食って11時過ぎならいいよ」11時過ぎに来て、夜中の2時過ぎまでエンタメ系の話などで、ダラダラと過ごします。連れ合いの由理くんに先立たれて、こちらも独り身です。それでもオイオイ、明日も仕事だ〜!車で数分、彼の家まで強制送還です。「おやすみー」彼を車からおろし、帰宅の途へ。バックミラーでタカマサくんを見ます。こちらの姿が見えなくなるまで、おろした所に立って見送っています。あったかい所あるんだよなあ〜、アイツ。
タカマサくん、アニメが大好きです。こちらはほとんど見ませんし馴染みが薄いです。タカマサくん熱く語ります。彼は早口なのです。「小野さん、アニソンってスゲーいいんです」アニソン、アニソンって繰り返します。うん?アニソンって韓国のグループあたりの綺麗なお姉さんか?コイツ、韓流ドラマも好きなのか。流れでなんとなく分かりました。アニソンってアニメソングの略なのね。タカマサくんは、いつもこちらが、そんなもん知ってるでしょうで、話してきます。そんないい加減さが微笑ましいです。
タカマサくん、エンタメ大好きです。お母さんの影響もありそうです。今でもお母さんと一緒に、SMAPやドリカムなどのコンサート、劇団新感線などの公演に足を運びます。そう言えば、タカマサくんに勧められ、劇団新感線「五右衛門ロック」を観に大阪まで行った時があったな。そうそう、豊洲の劇場にも行った。面白かったよ、ありがとう。
タカマサくん、就職活動時期です。さっぱり動いていないような…。「どうするんだい?」「ちゃんとしないとヤバいっすよね」と言いながら、ネットで見つけた会社に就職しました。テキトーです。「社長と奥さんが好かんのですよね」「辞めちゃえ、辞めてイタリアに行け〜」「小野さん、金かかるっしょ」「日本にいたって金かかるだろ。向こうは学費がめちゃ安いぞ。行きたくなったら相談してくれ」未だ行ってません。会社は辞めました。自分で決めるタイプなんだよなあ〜。まあ、楽しく過ごして欲しいな。
タカマサくん、仕事辞めて憧れのラスベガスに旅行しました。こちらの自宅で、自分のパソコンを開け、フライトもチケットの手配もネットでしました。そんな時代ですね。「ああ〜、予約しちゃった〜」何、嘆いているのかい!続けて「オレ、気が弱いんすよ〜」うん、そんな所もあるな。元気で行ってこい!7日間で14公演観たと言ってました。ホント、エンタメ好きだよね。
タカマサくん、音響・照明に関してはセミプロ級ですし、映像の編集も上手いです。ボランティア精神もあるので、マジックサークルの音響・照明を引き受けます。プロのマジシャンやパントマイムの友人のお手伝いもします。しんやも参加しているマジックの集いFFCフランイングファンタスト倶楽部のCD制作では、メシ御馳走のエサで釣られています。
タカマサくん、いつもお付き合いありがとうね。タカマサくんが思っている以上に、オレ楽しんでいるよww。そう言えば「ww」教えてくれたのもタカマサくんだったなあ。
ここの生徒たちへのメールに「ww」使ったら、「先生からのメールにwwあって、メチャひきました」「そうか〜、ダブリューダブリューはひくのか〜」「はっ?あれ、わら(笑)か草(くさ)って言うんですよ〜wwwwww」。タカマサくん、ちゃんと読み方も教えてくれよ〜っwwwwwww大草原。