勝手にオマージュ　Vol.1！会田誠さんに届け！あぜ道　NO2

みなこの家の向かいには香(かおる)の家があり、

その二軒の間には車が一台通れる程度の畦道とも公道ともつかない道が伸び、

この辺りの人々が親しみを込めてあぜ道と呼ぶその道の両脇に、

仙波さんと武智さんと和田さんと奥村さんと石橋さんの家があったかと思えば、

再び石橋、奥村、和田、武智、仙波の表札が並び、

なんだこれは既視感かと目を擦れば、

またまた奥村和田仙波武智石橋家が見え、

つまりここらは親戚が寄り集まって住んでいる地域で、

血が近いのでいろいろな煩わしさがひしめき合い、

押し合いへし合いしているうちに、

両脇は緑の稲が育つ田んぼばかりとなり、

家などどこにもないのでした。

写真:あぜ道　ヘソに気を付けて！